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匂いにも色がある?企業が注目しはじめた「共感覚」とは

2014年05月03日(土)
クーリエ
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〔PHOTO〕gettyimages

ガソリンの匂いを嗅いで紫色が頭に浮かんだり、「マリリン・モンロー」という言葉を見て生クリームの味を感じたり……。こうした知覚現象を「共感覚」と呼ぶ。

共感覚を持つ人の脳内では、人が成長するにつれて分化されていくはずの脳の領域が、強く結びつき続けていると考えられている。これまでの研究によると、著名人には共感覚者が多いことがわかっている。ノーベル物理学賞を受賞したリチャード・ファインマンやアーティストのビリー・ジョエルなどがその例だ。

ブルームバーグ・ビジネスウィーク(USA)より

近年、企業がその共感覚をビジネスに活用しようとしている。たとえば、フォードで働くマイケル・ハバーカンプは、自動車のハンドルの革を触ると「色」を感じるという。手触りが粗いと暗く、滑らかだと光沢のある色を感じるそうだ。また、一見すると正常に思える箇所も、同時に感じる音や質感に違和感を覚え、問題点を発見することがあるという。

彼のこうした能力は、顧客に上質な製品を提供するだけでなく、音響エンジニアやデザイナーなどが分野を横断した作業を円滑に進める助けになっている。同社で設計マネジャーを務めるピーター・ベジンはこう語る。

「マイケルは共感覚をもとにしたアプローチで説明してくれます。ドアやダッシュボードを閉じるときの音など、細かい部分を設計する際に、彼の助言が役立つのです」

COURRiER Japon
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