【ロンドン=地曳航也】安倍晋三首相は1日夜(日本時間2日未明)、ロンドンの金融街シティーで経済政策に関して講演した。貿易で発展した英国を教訓に「オープンにすることで強くなる」と強調。日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)について「来年中に妥結させる目標をともに掲げよう」と呼びかけ「国を開き伸びていきたい」と訴えた。
4月に日豪EPAで大筋合意したことを紹介。環太平洋経済連携協定(TPP)に関して「オバマ米大統領と日米が力を合わせ、交渉参加12カ国全体の妥結に向け、交渉を急がせるよう約束し合った」と4月下旬の日米首脳会談で大きく前進したとの認識を表明した。TPPと日EU・EPAの実現で「世界中を裨益(ひえき)させる自由貿易の枠組みが生まれる」と指摘した。
「アベノミクスは前進中だ」と強調。法人実効税率の大幅な引き下げを念頭に「法人税の改革を一層進める」と述べた。
4月の消費増税については「消費を冷え込ませる恐れは、まだ注意が必要だが、心配したほどではないのではないか。楽観論をとる人たちが増えている」との見方を示した。
地域限定で規制を緩める国家戦略特区は「実施に段階を移した」と説明。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用改革を進めていることも訴え、岩盤規制の打破へ向け「ドリルの刃は最大速度で回転している」と力説した。
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