米通商代表部(USTR)のフロマン代表は1日、米議会の公聴会に出席した。先週の日米首脳会談の前後に進めた環太平洋経済連携協定(TPP)の日米協議では「重要な一線を越えた」と述べ、進展があったと強調した。

 ただ、フロマン氏は「両者の隔たりを埋める作業がまだ残っている」とも語った。そのうえで、日米協議の進展が「TPP全体の交渉に大きな勢いを与える」と述べ、年内の妥結を目指す考えを改めて示した。

 TPP交渉では、日米が農産品や自動車などの協議でまとまらず、全体の交渉が停滞している。オバマ大統領が訪日した際、フロマン氏と甘利明TPP相が協議したものの、合意には至らなかった。

 TPP参加国は、今月19日からシンガポールで閣僚会合を開く方向で調整している。(ワシントン=五十嵐大介)