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自然言語処理が学べる研究室

自然言語処理を学ぶことができる研究室をリストアップします。教員が2名以上いる研究室が対象です。うち、(研究員を含め、言語処理に関する)教員が3人以上いるのは北大荒木研、東北大乾研、筑波大山本研、東工大徳永研、東工大奥村研、名大外山研、京大黒橋研、京大河原研、NAIST松本研、NAIST中村研です。教員が1人だけしかいない研究室と、3人以上いる研究室(特に博士後期課程の在学生が多いところと)は質的にも量的にも違うと思いますので、博士後期課程に進学するつもりの人は、少なくとも1カ所はそれらの研究室を見学したほうがよいでしょう。

北海道・東北

北海道大学

北海道には荒木研究室があります。ACL 2003 や言語処理学会2014年のホストを務めるなど、国内外の学会も運営されています。北海学園大の越前谷博さん、小樽商科大の木村泰知さんといった北海道の大学での研究者を輩出しているとともに、青山学院大の内田ゆずさん、福岡大の乙武北斗さんなど、国内の大学にも卒業生がいます。

東北大学

東北には乾・岡崎研究室があります。推論(含意関係認識)や意味・談話そして対話処理の研究に強みがあります。Twitter に代表されるソーシャルメディアの解析のようなアプリケーションから、機械学習を駆使した情報抽出の研究まで、幅広く手がけています。2010年にできたばかりですが、トップ国際会議に学生が通したり、国内外の学会賞を立て続けに受賞するなど、研究のレベルの高さは胸を張って保証できます。

首都圏

筑波大学

筑波大学には山本研究室宇津呂研究室があります。山本研は統計的機械翻訳とウェブデータ分析、宇津呂研は対訳辞書構築やウェブデータ(Twitter や Wikipedia、ブログといったユーザ参加型のメディア)の分析に一日の長があります。本気で機械翻訳の研究をしたいなら、山本研は日本で機械翻訳の研究ができる数少ない大学の一つです(あとは NAIST と京大)。

※宇津呂研は教員が1名です。

東京大学

東大には中川研究室があります。自然言語処理の中でも、特にデータマイニングや機械学習の研究はトップレベルです。東大ではないですが、国立情報学研究所の宮尾研究室も自然言語処理の基礎的な研究(構文解析、意味解析、推論)をしたい人にお勧めです。東大生産研の喜連川研究室の鍜治さん・吉永さんも言語処理の研究をされています。

東京工業大学

東工大には徳永・藤井研究室奥村・高村研究室があります。徳永研ではコーパスアノテーションを中心としたマルチモーダルな対話処理の研究、藤井研ではウェブマイニングの研究がそれぞれ盛んです。奥村研ではレビューやブログを対象としたウェブマイニングのような応用から頑健な形態素解析や照応解析のような基礎的な研究までカバーしています。高村研では最適化としての文書要約の研究にフォーカスを当てています。

中部

北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)

JAISTには白井研究室Nguyen研究室があります。白井研では意味処理(語義曖昧性解消)が、Nguyen研究室では統計的機械翻訳や機械学習を用いた自然言語処理の研究が盛んです。NAIST と同様大学院大学なので、大学院から自然言語処理の専門になろうと思っている人はスムーズに進学できると思います。

※島津先生が2014年3月に定年退職されたので、いずれの研究室も教員は1名です。

名古屋大学

名大には外山研究室佐藤研究室があります。外山(とやま)研は法令文の言語処理の研究を継続的にされています。また、シソーラスや対訳辞書の(半)自動構築や機械翻訳に関する研究もしています。佐藤研は文章の難易度推定著者推定に加え、さまざまな文章の生成の課題に取り組んでいます。松原研では音声処理に向けた言語処理の基盤的な研究をコツコツとされています。長尾研究室でも松原先生が自然言語処理プロジェクトをされています。自然言語処理の研究者が多いので、名古屋地区NLPセミナーというセミナーも定期的に開催されています。豊田工業大学も近くにあります。

※駒谷先生が2014年3月に阪大に異動されたので、佐藤研究室は2014年4月現在は教員は1名です。

豊橋技術科学大学

豊橋技科大には秋葉研増山研井佐原研および土屋研があります。長岡技科大と豊橋技科大は高専からの編入生が多く、学部1年の定員より学部3年の定員のほうが多いので、高専生で自然言語処理の研究をしたい人は、豊橋技科大が有力な候補の一つです。秋葉研は音声検索や質問応答、統計的機械翻訳の研究を継続的にしています。増山研は博士号を取得する人もけっこういる歴史ある研究室で、テキストマイニングや情報抽出が強いです。井佐原研はできたばかりなのでどういう研究室になるのか分かりませんが、今後の展開が楽しみです。土屋研も2014年に新しくできたばかりですが、日本語の機能表現や言語モデルなど、形態素解析のレイヤーの研究を多く手がけてらっしゃいます。

※秋葉研と土屋研は教員1名です。

近畿圏

京都大学

京大には黒橋・河原研河原・森研があります。黒橋・河原研は形態素解析(JUMAN)、構文・意味解析(KNP)のような基盤技術で日本の自然言語処理をリードしています。日本が世界に先駆けて提案した用例翻訳のメッカでもあります。森研では実用的な自然言語処理の研究(頑健性が高い、あるいはトータルで見た場合のコストが少ない)を行なっています。どの研究室も大型の研究費を次々に獲得されているので、研究員(ポスドク)の人も多く研究を引っ張っています。

奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)

NAIST には松本研中村研があります。松本研は自然言語処理全般の研究を行なっています。形態素解析(ChaSenやMeCab)・構文解析(CaboCha)のような要素技術がお家芸です。機械学習やデータマイニングの研究も行なっています。中村研は、自然言語処理の中でも特に音声翻訳の研究をしています。中村研は日本で世界レベルの(統計的)機械翻訳の研究ができる数少ない研究室なので、自信をもってお勧めできます。

四国・九州

徳島大学

徳島大には北研究室青江研究室があります。北研究室は情報検索の研究で有名です(「確率的言語モデル」「情報検索アルゴリズム」という自然言語処理における古典的名著で名前を知っている人も多いでしょう)。青江研究室はデータ構造の研究で世界的に著名です(ダブル配列を提案した研究室として有名です)。

九州大学

九大には冨浦研田中研があります。冨浦研は歴史がありますが、最近は第二言語学習者支援やウェブマイニングの研究をしています。田中研は最近できたばかりですが、言語の数理モデルの研究を積極的になさっている、日本ではユニークな研究室です。計算言語学に興味のある人に特にお勧めです。
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