破界
前書き】
手入れの行き届いていない畑。
【本文】
男は畑に突っ立っていた。
左手に鎌を持っている。右手には手首を持っている。
眼下には血だらけの少年が横たわっている。
さきほど、この少年は畑のトウモロコシを盗みに入ってきたのだ。
男は少年を呼び掛けると、もっとやるからこっちへ来いと言った。
少年は足が速いのでいつも逃げ切っていたが、今回は不審に思いながらも男の言うとおり、近寄って行ったのだ。
そして、少年が十分に男に近づくと、男は少年の足を鎌で切りつけたのだ。
両ももの肉をそぎ落とすと、それをトウモロコシ苗の近くに供えた。
少年は泣き叫ぶが、あいにく広い畑。
だれも気がつかない。
男は少年の手首をつかむと、強引に鎌で切りつけた。
肉をそぎ、骨を砕いた。
納屋からのこぎりを持ってきて、ついに切り落とすことに成功した。
男は少年の両手首を切り落とし、両足の肉をそぎ落とすと、何事もなかったかのように家へと帰るのであった。
少年は痛みに苦しみながら、次の日の朝には死んだ。
死んだのを確認した男はトウモロコシ畑の隅に少年を埋葬した。
その墓に供えられたものは――
トウモロコシであった。
【後書き】
男が少年を切りつけた理由はなんでしょうか?
トウモロコシを盗まれたから、というのは間違いです。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。