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【大リーグ】

田中将、7回途中2失点も4勝目ならず 11Kも「リズム悪かった」と反省しきり

2014年4月29日 紙面から

◇ヤンキース3−2エンゼルス

 【ニューヨーク穐村賢】不敗神話継続も…。ヤンキースの田中将大投手(25)は27日(日本時間28日)、地元でのエンゼルス戦に先発。6イニング1/3を5安打2失点と記録上は及第点だったが、「細かい制球がつかなかった」と5与四死球などが響いて勝敗付かずに終わり、日米通算32連勝での今季4勝目は次戦にお預けとなった。メジャー自己最多11奪三振(K)でデビューから5戦で計46Kは、近代メジャーといわれる1900年以降では歴代3位のハイペース。終盤の逆転劇でチームも勝ったが、投球内容に納得していないのか、試合後もはずまなかった。

 7回途中、1点ビハインドの状態でマウンドを降りる田中将に笑顔はなかった。スタンドの地元ファンから降り注いだ、ねぎらいの拍手にも表情は硬いままだった。

 四死球絡みで先制を許し、2失点目はチームが試合を振り出しに戻した直後だった。「リズムが悪かった。1点目も一人でやってしまった。2点目も同点後の初球にやられた。悔しい点の取られ方」。そう話す顔は敗者のそれだった。

 試合開始時の気温12度の影響もあってか、この日は制球がもうひとつ。4与四球はメジャーワースト。初めて死球も与えるなど、毎回走者を背負う苦しい展開で自然と球数も増えた。調子の悪さを自覚し、「雑にならないように丁寧に投げた」ことも球数増に輪をかけた。ただ、それでも簡単に崩れないのが田中将の非凡さ。「今日はこういう日だって割り切って投げていた。失点を最小限にとどめた要因? 抑えようとする気持ちじゃないですか。一番はそこ」と試合をつくったことには胸を張った。

 楽天時代に「神の子」と呼ばれる一方、「不思議な子」と呼ばれた男の本領発揮だった。降板時は負け投手で、ついに連勝記録も途切れるかと思われたが、ベンチ裏で「チームの逆転を祈っていた」と田中将。直後の7回裏、先頭テシェイラの右翼2階席への今季2号ソロで試合は再び振り出しに。8回には相手の暴投で決勝点が転がり込むという強運だった。

 本人は不本意でも表面上はクオリティースタート(6イニング以上自責3以下)にほかならず、ジラルディ監督も「状態が良くない中で勝つための方法を見つけてくれた。厳しい状況の中でもしっかりと試合をつくることができる。それが彼の投手としての性分であり、DNAなんだ」とさらに信頼を高めた様子だった。

 メジャーでの登板も5度目となり、他球団の研究も進む。エ軍も追い込まれてからのスプリットを警戒してか、1、2球目のカウントを取りに来る球を狙い打ってきた。だが「研究されようがされまいが、気にしてはいられない。相手より上回るために自分は投げればいい」。田中将も投げる度に教訓を得て成長している。運も兼ね備える中、一昨年夏から続く不敗神話も簡単には崩れない。

 

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