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JTB社員バス手配ミス隠し 生徒装い自殺示唆

記者会見で謝罪するJTB中部の松本博社長(左)ら
記者会見で謝罪するJTB中部の松本博社長(左)ら
Photo By 共同 

 旅行会社「JTB中部」(名古屋市)の男性社員(30)が、岐阜県立東濃高校(同県御嵩町)の遠足で使う予定だった大型バスの手配ミスを隠すため、生徒を装って、自殺を示唆して遠足の中止を求める手紙を書き、学校に届けていたことが29日、学校関係者への取材で分かった。遠足当日にバスが来なかったことで判明したが、高校側は「やり方が卑劣」と怒り心頭。業務妨害容疑で、県警への被害届提出も検討している。

 東濃高によると、遠足前日の24日午後4時ごろ、この社員から学校玄関付近に落ちていたとする手紙が届けられた。封筒に入った手紙はパソコン打ちで「遠足に行くのが死ぬほどつらい。消えたい。中止してほしい」などと記されていたという。学校側はすぐに、全校生徒約320人に参加の意思を確認した結果、問題はないと判断し遠足の決行を決めた。

 しかし、遠足当日の25日午前8時ごろになって、大型バス11台が手配されていなかったことが判明し、延期した。すでに生徒の7、8割が遠足の準備をして登校した状態だった。

 JTB中部が経緯を調べた結果、担当者だったこの社員が「バスを手配していると思い込んでいた」とミスを認め「ばれないように遠足を中止させようと考え、生徒を装って手紙を書いて届けた」と話したという。JTB中部は27日、同校に経緯を説明し、謝罪した。

 学校によると、遠足の業者は入札で決められた。同校の早野稔教頭(56)は「私も33年間教員をやってきて、こんなことは初めて。生徒の命に関わるような、一番学校が敏感になる内容を使われたのが一番卑劣で腹立たしい」と怒りを隠さない。生徒には「ミスはあるが、それを隠そうとしたりせずにどう対応していくかが大事なこと」と説明したといい、「反面教師といいますか、大人として本当に残念。前日までに言ってくれたら延期などもできたでしょうし、なんで当日まで隠そうとしたのか」とあきれ顔だ。

 遠足は、学年ごとに名古屋市の「東山動物園」や、三重県桑名市の遊園地「ナガシマスパーランド」などに行く予定だった。毎年春の恒例行事で、新入学やクラス替えをした直後の学級づくりのために重要な行事という。学校側は5月以降にあらためて遠足を実施する予定。JTB側から担当したいとの申し入れがあったが、「心情的にJTBさんにはもう頼まない。別の業者さんで手配します」(早野教頭)としている。

[ 2014年4月30日 05:30 ]

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