路上で女性刺され死亡　大阪府警にストーカー相談していた

　２日午前２時２０分ごろ、大阪市平野区長吉長原西３丁目の路上で、大阪府松原市の井村由美さん（３８）が腹を刺され、まもなく死亡が確認された。大阪府警は、約４時間後に近くで発見した男（５７）から事情を聴いており、殺人容疑で逮捕する方針。男は事件への関与をほのめかしている。

　井村さんは勤めていたスナックに来た男から受けたストーカー被害を府警松原署に相談し、同署は３月１２日、ストーカー規制法に基づき男に警告していた。

　府警によると、井村さんは３月「アルバイトをしているスナックの客から一方的に好意を寄せられ、しつこく電話やメールが来る」とストーカーの被害を相談していた。松原署は「対応に問題はなかった」としている。

　井村さんは３月１〜２日にかけ、男から３３通のメールを受け取り、殺意をほのめかす内容も含まれていた。

　２日午前２時半ごろ、「女性が植え込みに倒れている。男女がけんかしていたようだ」と１１０番があり、井村さんは腹に刃物が刺さった状態で見つかった。腹部に複数の刺し傷があったほか、首にも切り傷があった。男は手にけがをしており、もみ合った際に負傷したとみられる。

　現場はＪＲ関西線加美駅の南約３キロの住宅街。近くに住む男性（５９）は午前２時過ぎ、女性の「キャー」という悲鳴を聞いた。近くのマンションに住む女性（４６）によると、井村さんは腹から出血した状態で植え込みに倒れており、男が何かでたたいているように見えたという。