2014年5月2日17時10分
子どもたちが戦争について知るきっかけに――。朝日新聞社はこの夏、教育特集「知る原爆」「知る沖縄戦」をご希望の学校に無料でお届けします。
「知る原爆」は発行3年目。これまでに小学校を中心に約65万部をお届けしています。漫画「夕凪(ゆうなぎ)の街 桜の国」の作者こうの史代さんのメッセージや、「はだしのゲン」の故中沢啓治さんインタビューなどのほか、新たに映画ガイドを加えました。全文ふりがな付き。通常の朝日新聞の半分の面積のコンパクトサイズで、カラー20ページです。
「知る沖縄戦」は主に中学生以上を対象に、初めて発行します。コンパクトサイズでカラー12ページ。ひめゆり学徒隊や集団自決、対馬丸撃沈。多くの住民が巻き込まれた地上戦の悲劇を伝える証言を中心に、Q&A方式の解説、沖縄出身の女優二階堂ふみさんや腹話術師いっこく堂さんのメッセージなどで構成します。
希望する特集名を明記し、校名と所在地、電話番号、担当者名、必要部数を記入し、ファクス(06・6221・5634)かメール(1426@asc-g.co.jp)でお申し込みください。学校単位が原則ですが個人でもお受けします。お届けは6月以降になります(地域によって異なります)。申し込み多数の時、ご希望に沿えない場合もあります。お申し込みは8月末までです。
問い合わせは朝日新聞コミュニケーションセンター(06・6222・2000)。
■「知る原爆」の内容
◇1ページ
原爆は二度と繰り返してはいけないと言えば、ほめてもらえた。だけど心の中はずっとモヤモヤしていた――。原爆投下後の日常を描いた「夕凪(ゆうなぎ)の街 桜の国」の著者こうの史代さんの漫画とメッセージです。
◇2~3ページ=げんばくって いちから学ぶ
原爆ってどういうもの? どうして落とされたの? Q&A方式で原爆について、できるかぎりやさしく説明しています。
◇4ページ=伝えたいこと
「本当は思い出したくないんよ」。小学5年生の朝日小学生新聞リポーターが、当時小学5年生で被爆した78歳の元教師から話を聞きました。
◇5ページ目=モノはかたる
熱で溶けてくっついた小銭、父の懐中時計、兄の形見代わりの本……。当時を物語る品を、ずっと大切に持ち続けてきた人たちの思いとは。
◇6~7ページ目=かこ みつめて
原爆や平和のことを考えるきっかけになる本と絵本を、学年別に広島市こども図書館や長崎市立図書館の人に紹介してもらいました。
◇8~9ページ=みらいひらく
原爆投下後の広島でたくましく生きる男の子を主人公にした「はだしのゲン」。作者の中沢啓治さんが作品に込めた思いとは。
◇10~11ページ=みる まなぶ
平和学習に活用できる映画などを、映画の企画制作をしているシネマキャラバンV.A.Gの友川千寿美さんに紹介してもらいました。
◇12~15ページ=再現 広島・長崎
あの日、広島と長崎で何が起きたのか。朝日新聞社の被爆60年アンケートに寄せられた1万3204人の証言を元に再現しました。
◇センターA~Dページ=たずねる広島、たずねる長崎
広島と長崎には、傷ついた建物や亡くなった人の持ち物などが、今も大切に残されています。その一部を写真で紹介します。切って折って簡単な工作をすると、持ち運びに便利な小冊子になります。感想を書き込めるコーナーもあり、修学旅行などで広島・長崎を訪ねた時のミニガイドになります。
■「知る沖縄戦」の内容
◇伝えたいこと
沖縄出身の女優二階堂ふみさんと腹話術師いっこく堂さんが、沖縄戦についての思いや若者たちへのメッセージを語ります。
◇沖縄戦Q&A
沖縄戦の基礎知識をQ&A形式でまとめました。沖縄戦について学べる本のガイドコーナーもあります。
◇ひめゆりたちの戦場
「こんなところで戦争があったの? いまの沖縄をみているとそう感じるかもしれませんね」。沖縄戦では、いまの中学、高校生にあたる若者たちが戦場にかりだされ、犠牲となりました。生き残った方々の証言とメッセージです。
◇地上戦を生きのびたある母親の記録
沖縄戦をはさんで1年余りの間に、母、夫、長男、長女……と次々と家族を失ったある母親の行動記録と証言から、住民を直接巻き込んだ地上戦の様子を再現します。
◇対馬丸沈没
沖縄から疎開するこどもら約1800人を乗せた対馬丸が、米潜水艦の攻撃を受けて沈没、1400人以上が犠牲になりました。当時9歳で、約1週間海をただよって生還した女性の証言です。
◇集団自決
「米兵につかまるぐらいなら、死を選べ」。そう教えられていた人たちは、激しい戦闘のなかで追い込まれていきました。手投げ弾を爆発させたり、幼い弟や妹を手にかけたり……。2人の証言を紹介します。
◇沖縄のいま
沖縄戦からまもなく70年。米軍基地が集中する沖縄のいまをまとめました。
おすすめコンテンツ
PR比べてお得!