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上野 学(@manabuueno

May 2 2014

PDCA サイクルはどこかおかしい気がする

PDCA PDCA とみんな言いますが、僕はこれずっと何かおかしいと思っているのです。

ウィキペディアによれば PDCA とは、

  1. Plan(計画):従来の実績や将来の予測などをもとにして業務計画を作成する
  2. Do(実施・実行):計画に沿って業務を行う
  3. Check(点検・評価):業務の実施が計画に沿っているかどうかを確認する
  4. Act(処置・改善):実施が計画に沿っていない部分を調べて処置をする

であって、これをサイクリックに繰り返すとのこと。

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これの何がおかしいと感じるかというと、最後の Act のところです。

まず計画を立てて、それを実行してみて、その結果を評価する。ここまではいい。
けれど、その次に評価の結果を見て改善処置をする Act というフェーズが、他の Plan Do Check と並列になっているのはおかしい。

もしこれがサイクルではなくて、ウォーターフォールとしてはじまりと終わりがはっきりしているのであれば、

計画 → 実行 → 評価 → 改善

というフェーズ進行は分かる。

けれどこれをサイクリックにやるとすると、こうなる。

計画 → 実行 → 評価 → 改善 → 計画 → 実行 → 評価 → 改善 → 計画 …

これだと、改善した後にまた計画することになる。じゃあその計画って何? 改善したことと次の計画との間に繋がりがないんですよ。

もし改善した結果を更に評価して、次の計画のインプットにするのであれば、改善の後に「評価(Check)」のフェーズがもうひとつ入らないといけないですよね。

計画 → 実行 → 評価 → 改善 → 評価 → 計画 …

で、もしそういうふうに改善の後に評価が入るなら、実行と評価はどちらも「やる」という意味だから、要するに、

計画 → 実行 → 評価 → 計画 → 実行 → 評価 → 計画 …

というふうに、Plan Do Check の三つで十分ですよ状態なわけです。

じゃあなぜ、Do と Act という、同じような意味の言葉をあえて区別しているのか。

普通に考えると、継続する事業において、計画と実行をサイクリックに繰り返して行くというのはまああたりまえのことです。
その際、実行した結果の評価というのは、次のサイクルのインプットになるわけです。

つまり、

Plan → Do → Check → Act

という場合の Act とは、次の「Plan → Do → Check」一式を指しているべきだと思うのです。

ニュアンスとしてはこんな感じ。

Plan → Do → Check → [Act = Next PDC]

だから PDCA サイクルじゃなくて、PDC サイクルと言えばいいんじゃないかと思うのです。
Act というフェーズは、PDC と並列ではなくて、再帰的に PDC 一式を呼び出す変数と考えると、納得がいく。

そう考えてよいなら、これはまあアジャイル的なプロセス感というか、ここに書いたようなシンプルなイテレーション感として、デザインのプロジェクトにもフィットすると思うのです。

それともこれ、何か計画を実行するなら一度だけそれを修正するタイミングを織り込んでおけよ、という話なのかな?

例えば毎年事業計画を立てるとして、4月から実行して、毎年9月に一回見直せよ、という。


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