リチャードペイジとスティーヴジョージの二人が、数多くのアーティストのバックで素晴らしい仕事を残しているのは、AORファンならよく知られているだろうが、このCCMというマニアックなフィールドにも、彼らはまさにベストパフォーマンスと呼んで差し支えないバックヴォーカルを披露している。 このアルバム、いわゆるアナログA面の流れは完璧だが、その楽曲の完成度をここまで引き上げたのは、まさしくペイジスの二人を置いてほかにいない。 ピーターアレンの「Bi-coastal」、ディオンヌワーウィックの「Friends in love」あたりが特にペイジスの代表的仕事になるのだろうが、このロビーデュークもそのひとつに加えるべきだろう。 何はともあれ、一曲目のタイトルトラックでの、芸術的なバックヴォーカルを聴いてみていただきたいものだ。 リードではなく、バックヴォーカルのメロディを自然と追って口ずさんでいるに違いない。 アルバム後半は、ミドルテンポ中心の楽曲で、前半ほどのインパクトは感じられないが、やはりメロディは優れているし、中にはラテン風味のアレンジで新境地を見いだしてみたりして、決して聴く者を飽きさせないのは脱帽だ。 ロビーデューク自身も認める、本作でのペイジスの仕事ぶり、彼らの歌声もあわせて一粒で二度オイシイ名作中の名作。