(cache) 雑学　ボウリングはヨーロッパの宗教儀式だった - なにごとにもプラス思考

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雑学　ボウリングはヨーロッパの宗教儀式だった

　玉を投げるゲームやスポーツはいろいろある　しかしそのほとんどが　玉をどこかに入れるとか
陣取り合戦が加味されているとか　打ち返すというパターンである

　ところが　玉を投げてあてて倒すという「破壊」だけが目的となるのがボウリングだ
日頃のストレスをボウリングで解消する人もいるだろうが　それは自分の中にたまった鬱憤から生まれる「攻撃性」をうすめてくれるからなのかもしれない

　こんな本能的なゲームだから　その起源は古い　最古のものは　紀元前5200年頃のエジプトの古墳から出土した
いまのものとよく似たボールとピンだ

　エジプトからヨーロッパに伝わったこのゲームは　3～4世紀のドイツで宗教儀式として扱われるようになる
遠くに立てた棍棒を悪魔に見立て　玉を転がして倒すことができれば　信仰心が篤いとされたのである

　だが　そのおもしろさだけが　儀式とは関係なくヨーロッパ各地へ広まって　
さまざまな形でボールを使った棒倒しゲームが生まれた
それを今のような形式のゲームとして　スタイルやルールを整えたのが　ドイツの宗教革命者マルティン
・ルターだとされている

　ピンの数を9本として　ダイヤ形に並べたのが最大の特徴で　現在のテン･ピンズ･ボウリングのもととなった
ナイン･ピンズは　16世紀末にこうして生まれた

　これが戸外でのスポーツ感覚だったものに新しい光を投げかけた
徐々に板を敷いたり屋根をつけたりと室内ゲームに発展し　ヨーロッパを席巻するゲームに成長したのである

　18世紀の作曲家モーツァルトも「九柱戯」というタイトルのボウリングを主題とした曲を残しているから
どれだけの人びとの心をとらえていたゲームかがわかる

　その後　19世紀にアメリカでピンが10本になり　1861（文久元）年には長崎の出島にも伝えられていたが
わが国で本格的に人気が出るのは第二次世界大戦後のことである

　大人の雑学力　青春出版社より