全日本空輸のグループ会社「ANAウイングス」(東京都大田区)のパイロットが、全国30以上の空港の職員専用エリア出入り口の暗証番号が書かれたメモを紛失していたことがわかった。第三者に知られた可能性があり、各空港は国土交通省からの指示を受けて暗証番号を変更した。

 親会社のANAホールディングスによると、パイロットは4月25日未明、愛知県内のコンビニエンスストアで、暗証番号を書いたメモが入ったかばんを置き忘れた。約1時間後、店員が気づいて県警に引き渡し、同日中にかばんはメモが入った状態でパイロットに戻った。

 ウイングス社は羽田、成田、関西、中部、福岡など国内30以上の空港に就航しており、メモには各空港のターミナルビルなどの職員専用出入り口の暗証番号が書かれていた。搭乗口や滑走路などの制限区域には入れないという。羽田空港では4月20日にスカイマーク社員が職員通路の暗証番号をなくし、番号を変更したばかり。ANAは22日にグループ社員全員に管理徹底を求める文書を出していた。国交省は原因究明と再発防止をANAに指導し、ANAは「保安上重要なメモを紛失して遺憾だ。管理を徹底し、再発防止に努めたい」と話した。羽田空港ではエア・ドゥの社員も4月28~29日に暗証番号を紛失した。(工藤隆治)