【ロンドン=地曳航也】安倍晋三首相は1日夜(日本時間2日未明)、ロンドンの金融街シティーで講演し、「法人税の改革を一層進める」と述べ、法人実効税率引き下げへの意欲を示した。「原子力発電所を一つ一つ慎重な手順を踏んで稼働させていく」と語り、経済成長に向け再稼働を進める方針を明言した。
日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉に触れ「来年中に妥結させる目標をともに掲げよう」と呼びかけると、拍手がわき起こった。環太平洋経済連携協定(TPP)について「オバマ米大統領と日米が力を合わせ、交渉参加12カ国全体の妥結に向け、交渉を急がせるよう約束し合った」と話した。
消費増税の影響に関しては「消費を冷え込ませる恐れは、まだ注意が必要だが、心配したほどではないのではないか。楽観論をとる人たちが増えている」と説明した。経済成長と財政健全化の同時達成を追求していく姿勢を重ねて強調した。
シティーの歴史的建造物「ギルドホール」で講演した。昨年6月も同じ場所で経済再生への取り組みを訴え、「規制や慣習を破るため、自らドリルの刃(やいば)になる」と宣言した。今回の講演では、地域限定で規制を緩める国家戦略特区などの進捗を紹介。「ドリルの刃は最大速度で回転している」と力説した。
オバマ、安倍晋三、経済成長、ロンドン、TPP