2012年12月、蔚山沖で防波堤の築造工事を行っていたコンクリート打設作業船「ソクチョン36号」が沈没した事故をめぐり、裁判所が「船舶の無理な構造変更によって事故が発生した場合、保険会社は船の運航会社に保険金を支払わなくてもよい」という判決を下した。
ソウル中央地裁民事31部(オ・ヨンジュン裁判長)は、東部火災が船の運航会社であるソクチョン建設を相手取って起こした債務不存在確認訴訟で「東部火災には保険金を支払う義務はない」とする、原告の訴えを認める判決を言い渡した。地裁は判決理由について「『海上特有の危険』が沈没事故の主要かつ直接的な原因であったと見なすのは困難だ。それよりも大々的な構造変更が影響を与えたと考えられる」と述べた。
ソクチョン建設に所属するコンクリート打設作業船のソクチョン36号(2600トン級)は2012年12月、蔚山新港の北防波堤第3工区の築造工事現場で作業中、突然発生した暴風雨によって転覆、沈没した。この事故で乗組員24人のうち12人が死亡した。
事故の原因は、工事期間を短縮するため、船体に約500トンの作業設備を無理やり増設したことだったことが、捜査当局の調べで分かった。