渡鬼娘たちが涙、お父さん 寂しいよ…宇津井健さんお別れの会
3月14日に慢性呼吸不全のため死去した俳優の宇津井健さん(享年82歳)のお別れの会が1日、都内のホテルで行われた。俳優の三浦友和(62)、水谷豊(61)ら約1000人が出席。長山藍子(72)、中田喜子(60)ら、TBS系ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」で宇津井さんの娘を演じた“岡倉姉妹”も宇津井さんとの最後の別れを惜しんだ。
実生活では一人息子(喪主を務めた長男の宇津井隆さん)の父だった宇津井さんが、最愛の“娘”たちに見送られ、天国へ旅立った。
岡倉家の5姉妹(次女・五月役の泉ピン子は欠席)を演じた長山(長女・弥生)、中田(三女・文子)、野村真美(49=四女・葉子)、藤田朋子(48=五女・長子)は4人並んで席に座り、献花では全員が出席者に白いバラを手渡す役を務めた。
藤岡琢也さんから岡倉大吉役のバトンを受け継いだ06年頃に撮影した宇津井さんの遺影の前で、しきりに涙をぬぐった。白いバラは宇津井さんのお気に入りの花だった。
会が終わった後の会見では宇津井さんとの思い出を語った。長山は「魂が美しい方でした」。藤田は、宇津井さんにとっては最後の出演となった昨年のスペシャルでは宇津井さんが酸素ボンベをチェロのケースに入れて隠しながら収録していたことを明かし「『何泣いてるんだよ』って頭をたたいてくれる人がいなくなってさみしい」と声を詰まらせた。
また、仕事のためこの日は欠席したピン子からは会場に手紙が届けられた。昨年のスペシャルの収録現場で、バナナと牛乳のジュースを作ったところ、宇津井さんは「おいしい!」と5杯も飲んだエピソードを紹介。さらに亡くなる当日に名古屋の有名なクラブなどを経営する80歳の女性と再婚したことについて「私がよく『再婚は絶対しないで。ジジイのところに来る再婚相手は金目当てだ』と言っていましたよね。でも、再婚相手の方は、お父さんに十分尽くし、私が危惧した財産目当ての人ではないとお聞きしました」とつづった。
TBS関係者によると、「渡鬼」の新作は今秋放送に向けて制作予定。岡倉大吉役で別の俳優を起用する可能性は低いという。
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