この国で始まる日が来るとは思わなかった。早速加入してみたのでさらっとまとめる。
iTunes Matchとは音楽ファイルをサーバにアップロードして、さまざまなデバイスからアクセスできるといったまるで夢のサービスなのだがこれだけではない。アップロードした際に内容がiTunesStoreで販売されている楽曲と一致した場合、ストアのファイルをダウンロードする権利がアカウントに付与される。所持しているCDはもちろん、知人に借りたCDも、不正に入手したファイルまでもが対象といったまるで悪夢のようなサービスでもあったりする。
権利を持っている楽曲を実際にダウンロードして試した
というわけでロンダリングできるかどうかを自分の作品で試してみた。なぜだかはわからないけれどiTS版のアートワークはやけに汚い。掲載当初に見た際は思わず悶絶してしまったのだが今回の試みには丁度良いはずだ。ちなみに下のSoundcloudのアートワークは汚くない通常のもの。
1.検索
親切にもサジェストしてくれたお陰ですぐにヒットした。この画像にわざわざ修正を入れる意味が自分でもよくわからないほど短い時間だった。
2.ダウンロード、そして解凍

制作に1年も費やした作品が10秒程度でダウンロードできる。解凍だって問題なくできた。録音が上手くいかず憤死しそうだったあの頃の自分にこっそりURLを教えてあげたいと思った。
3.iTunesライブラリにインポートしてiCloudにアップロード
iTunesにドロップしてコンテクストメニューから「iCloudに追加」を選択。
4.認証待ち
この瞬間に警察がやって来ないかとドキドキする振りをする。
5.完了
できた。
iTunes Matchによってアートワークはやけに汚くなった一方でMP3は256kbpsのAACに姿を変えた。ハッシュ値も異なるのでストアのものだと断定してよいだろう。どこの誰がどのようにリップしたかわからない、不正的に入手したファイルはAppleが提供する極めてクリーンなファイルへと生まれ変わった。一度削除してクラウドからダウンロードしたものも問題なく再生できる。気づけばポケットのiPhoneにも自動的にダウンロードされていた。バンドで食っていこうなんて一切考えなかった自分はやはり聡明だったなと思った。
著作権なんて古いと思いつつも、雨後の筍の如くアップされるMP3に辟易しながらも削除依頼を乱れ打ちしていた自分としては、この様な違法なダウンロードは好ましく思ってはいないという事を最後に断っておく。もちろんこの記事も違法行為について推奨しているわけではない。この後はとりあえずTSUTAYA DISCASについて調べようと思う。
追記 14521531
ちなみにiTunes Matchは日本では¥3980/年の有料サービスである。楽曲の再生回数に基づいて権利者(おそらく原版権保有者だと思う)に使用料が支払われる仕組みだ。これはストア未購入の楽曲や、あるいは違法に入手した音楽ファイルであってもiTunes Matchを通すことで権利者に分配される。1枚幾らといった売り切り型では無く、これまで1円にもならなかった中古やコピーからも永続的に使用料を得られるモデルだ。iTunesStoreで販売していない権利者は従来通り1円も入らないのだろうから契約せざるを得ない立場になるのは幾らか可哀相だが、業界全体の必然の流れと言えるだろう。あとはApple税が気になるところ。
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