岩田 あと、最近の若い人たちを気の毒に思うのは、コミュニケーション能力をむやみに問われることです。最初から上手にできる人なんていないはずなのに。
確かに世の中では、ひとりでできることなんて限られていて、人の力を借りないとたいしたことはできないですから、誰だって「どうしたら他の人とうまく一緒にやれるか」ということは考えますし、これが世の中でコミュニケーション能力が必要とされる理由です。
でも実際にはいろんな人がいて、例えば自分が善意100%で行動しているのに、まるで悪意100%であしらわれたように感じることがありますよね。それが「相性が悪い」ということなのかもしれませんが、たまたま相性がすごく悪い人がいても、その人が世の中のありとあらゆる人とうまくいっていないというケースはあまりないでしょう。
だとすると、そのコミュニケーションの失敗は、「その人に合ったコミュニケーションができていないこちらの問題」とも言えるんです。そう考えると「今回は失敗したけれど、どんなアプローチでこの人と接したらいいかな」って考えることができるんです。
私は30歳くらいで「コミュニケーションがうまくいかないときに他人のせいにしない」ということを決意して、それ以来できるかぎりそうしてきました。大変ではありましたが、結果的に良かったと思っています。これは、自分の体験として、毎年、会社説明会で学生さんに話しています。アンケートの反応を見ていると、学生さんの印象に残る話みたいですね(笑)。
プロとアマチュア境目が見えにくいなか
任天堂はプロ集団として勝負し続ける
――ネットの発達がもたらした大きな変化は、ドワンゴの「ニコニコ動画」などで表現する場が増えたことで、自己表現して食べていける人が増えたということです。プロとアマチュアの境目は、ゲームや原稿などのコンテンツビジネスの場合ないのだと、自戒を込めて思います。