核兵器禁止条約:早期実現を…広島、長崎市長が国連で訴え
毎日新聞 2014年04月30日 10時18分
【ニューヨーク草野和彦】広島市の松井一実(かずみ)市長、長崎市の田上富久(たうえ・とみひさ)市長が29日、国連本部で開催中の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の準備委員会の会合に出席し、核兵器禁止条約の早期実現を訴えた。11歳のころに広島市で被爆した山田玲子さん(80)=東京都在住=も演説し、「生きている間に核兵器が非合法化、廃絶されることが、被爆者の切なる願いです」と語った。
各国代表やNGO関係者を前に、松井市長は被爆者の平均年齢が78歳を超える中、国境や世代を超えた取り組みを急ぐ必要性を強調。現在、158カ国・地域の6000都市が加盟する「平和首長会議」の会長でもあり、「加盟都市や国連、NGOと連携し、2020年までの核兵器廃絶を目指す」と述べた。
田上市長は「核兵器廃絶は世界共通の目標で、そのカギは非核保有国が握っている」と指摘。核兵器の非人道性に関する国際会議を非核保有国が主導しているためで、「核の傘の下にあるすべての国が会議に参加し、核廃絶の流れを確実にしてほしい」と訴えた。
また両市長とも、オバマ米大統領ら各国首脳に広島、長崎訪問を要請。「被爆の現実に触れ、高齢化する被爆者の声に耳を傾けてほしい」(田上市長)と呼びかけた。