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トップ > シゴタノ! > 停滞しがちなプロジェクトを前に進めるためのヒント




大橋悦夫プロジェクトがなかなか進まない、という人へ。

「今日はまとまった時間が取れそうだから、あのプロジェクトを一気に進めちゃおう」という明るい見通しを持っていたにもかかわらず、一日が終わろうとしている今なお、「あのプロジェクト」にかんする作業はいっさい手がつけられていない──。

そんな悪夢を繰り返さないようにするためのヒントです。

» 結論:そのプロジェクトを進めるための「脚本」を作る

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まず、「何ができていないのか」を把握する

今回ご紹介する考え方は、意外な本から着想を得ました。『科学的な外国語学習法』という本です。

同書に以下のような一節があります。「気が狂うほど、テープを聞く」という内容です。

個人差はあるだろうが、1日に最低、1時間、毎日、外国語を聞いたとして、外国語がよく聞こえてくるようになるには、3年かかる、と思っていただきたい。最初、全く聞こえなかったとしても、我慢して聞き続けていれば、次第に幾つかの単語が耳に入ってくる。

1年過ぎても、期待しているほど、聞き取り能力は向上しないかも知れない。そこで「こんなことは無駄だ」と思って、テープを聞くのを止めてしまえば、語学の進歩は、そこでストップである。

(中略)

何回、テープを聞いても、聞き取れない単語があったら、次のようなことをやってみる。まず、聞き取れた単語だけ、繰り返し大声で唱え、完全に暗記する。そうすれば、その部分は、もう聞かなくてもよいのだから、聞き取れなかった部分だけに、注意を集中することができる。目を閉じて、必死になって聞く。

このように「聞き取れている単語」と「聞き取れていない単語」を分けてとらえることで、「注意」を有効活用することができます。

つまり、「できていること」と「できていないこと」を明らかにする、ということです。こうすることで、特に「できていないこと」に注意を集中させることができます。言い換えれば、注意の無駄遣いを抑えることができるのです。

書くまでもないと思っても、そこから一歩踏み出して「書く」ことが重要です。

書いてみて初めてわかることがあるからです。

「書く」とはユラユラと浮遊している思考を捕まえるための手段です。「書く」ことによって、「わかっていること」が再確認できると同時に、「わかっていたつもりがわかっていなかった」ことが明確になります。

次に、どうすれば「できていること」に変えられるのかを考える

次にすべきことは、

  • 「できていないこと」を「できていること」に変える

ことです。

言葉にできないことは実行することができません。
言葉にできないことは中止することもできません。

「何ができていないのか」がわかれば、
「何をやめたいのか」がわかれば、
おのずと、その「何」に注意が向きます。

まずは、言葉で捕まえてみること。

思考はある意味「外国語」です。

うまく「聞き取り」ができるようになるまでは、ひたすら記録を通して「書き取り」をしていくしかありません。

「聞き取りができているところ」が分かれば、次なるターゲットである「聞き取りができていないところ」が明確になります。

やればやるほど、外国語が聞き取れるようになるのと同じく、思考からより多くの望ましい行動を引き出すことができるようになります。プロジェクトは思考の海を常に浮き沈みしています。言葉はこれを捕まえるための網になります。

具体的には、「できていないこと」を「できていること」に変えるために「今すぐにできること」を考えて書いていくことです。「できていないこと」1つについて、複数の「今すぐできること」がぶら下がる形になると思いますが、このリストがプロジェクトを前に進めるための脚本になります。

脚本があれば、それが道しるべとなってゆっくりであっても確実に前に進むことができます。
脚本がないと、とにかく前に進めたいという焦りばかりが募って、思考の海で溺れてしまいかねません。

自分で自分に“出演依頼”をする

「今日は気分がいいので、ラストシーンまで一気に撮りきってしまおう」などと考える映画監督はいないはずです。

撮影途中で手を加えることがあるとしても、まず、脚本を作るでしょう。撮影をスタートする前に、一定の時間をかけて、時には何度かの書き直しを重ねてでも、最初のバージョンをとにかく作る。それがないと、キャストに出演依頼ができないからです。出演依頼ができなければスケジュールが立てられず、撮影を始められません。

プロジェクトも同様です。

たとえ自分一人で進められる仕事であったとしても、自分で自分に“出演依頼”をするための脚本が必要です。脚本に目を通すことで、自分にどんな役割が期待されているのかが把握できるからです。

さらに、脚本を繰り返し読むことで、脚本に書き切れていないことを補完してふくらませていくこともできるでしょう。そのプロジェクトを通して何を実現したいのかに目がいくようになるからです。

まとめ

「プロジェクトを一気に進め」ようとすることはやめて、代わりにプロジェクト一つひとつについて、以下の手順でまずは脚本を作りましょう。

  • 「できていること」と「できていないこと」を書き出す
  • 「できていないこと」を「できていること」に変えるために「今すぐにできること」を考えて書き出す


» 科学的な外国語学習法―日本人のための最も効率のよい学び方


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やるべきこと・やりたいことをタイミングよく始める方法

やるべきこと、やりたいことを見つけても、それを実際に始める
タイミングがなかなかうまく見つけられないということは少なく
ありません。

実行するのに一番大切なのは、実行力でも行動力でもなく、
自分の生活の中に潜む「タイミング」を上手く見つけることなのです。

やるべきこと、やりたいことはたくさん出た。

であれば、絶妙なタイミングでスタートさせることが出来れば
やりたいことをスムーズに始めることができます。

では、自分の生活の中でもっとも実行に適したタイミングはいつなのか?


↓以下で解説しています。

▼やるべきこと・やりたいことをタイミングよく始める方法



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