福島2警官自殺:「疲れた」「申し訳ない」の遺書

毎日新聞 2014年05月01日 21時23分(最終更新 05月01日 21時52分)

 福島県警は1日、県警捜査2課の男性警視(52)と、部下の男性警部(51)が4月下旬に相次いで自殺したと明らかにした。警部は多忙な勤務などで疲労していたといい、警視は警部の自殺に責任を感じていた趣旨の遺書を残していた。

 警視は、2課長に次ぐポストの「指導官」。汚職や詐欺事件など同課が担う捜査全般を指揮していた。警部は課長補佐で、4年前から振り込め詐欺担当の責任者。

 県警によると、4月28日午前8時前、福島市の県警山下庁舎の取調室で、警部が首をつって死亡しているのを、出勤した警部の同僚が発見。庁舎の執務室の机の上には「仕事に疲れた」との趣旨の遺書があった。詐欺事件の検挙や早期解決に向けた捜査で4月中はほとんど休みがなく、同僚や家族にも「疲れた」と漏らしていたという。県警は過労や職場の体制に問題がなかったか、勤務状況などを調べている。

 一方、警視は29日から連絡が取れなくなり、山形市内で30日、乗用車から体を外に出した状態で首をつって死亡しているのが見つかった。近くには29日夕方の時刻を記した遺書があった。死亡した警部に向け「最後まで寄り添えなくて申し訳ありませんでした」とあり「2課の皆様、最後まで支えることができず申し訳ありませんでした」と書かれていた。

 県警は「上司によるパワーハラスメントは把握していない」としているが、上司の指導が適切だったかも調査している。県警警務課の久野浩課長は「事実を明らかにし、再発防止に努めたい」と話し、県警監察課は「必要があれば調査する」としている。【小林洋子、宮崎稔樹、喜浦遊】

 ◇一転、事実説明

 2人について、報道各社は発表するよう要請したが、県警は当初「プライバシーのことでコメントは差し控える」として、説明の場を設けなかった。1日午後5時になって一転、警務課長が「誤解があってはいけないと思うので、プライバシーを侵さない程度で説明したい」として、報道機関が撮影・録音しないという条件で、把握している事実を説明した。

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