グロースの前に絶対欠かせないコミュニケーションハック

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edited by Takaya Uchida (Vapes Inc.,)

 

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「グロースハック」は、一般的に、旧来のマーケティング手法と決別し、ユーザー情報に関するデータ分析やソーシャルメディアの活用などといった手法に重点をおいてグロースを実現していくこと、と理解されています。

 

もちろんこれらが重要であることに間違いはありませんが、「ハック」という語句のみに着目してしまうと、どうしても以下の点を見落としてしまいます。

 

 

・   適切なプロダクトの評価方法

 

現時点において、ソーシャルメディアで自社プロダクトがいくら注目を浴びていても、それが必ずしも投資に対する利潤向上に繋がらない場合があります。データを重視する「グロースハック」ではユーザー数に関するデータが明確に現れるため、ユーザー数が伸び悩んだとき、たとえ既存ユーザーの間でプロダクトの評価が向上していても、そのプロダクトへの予算が削減される可能性もあるのです。

 

 

・ 商品開発>マーケティング

 

プロダクトに対するユーザーからの評価が良いとき、その評判は口伝えで広まっていきます。データ分析、ソーシャルメディアの活用に焦点を当てるあまり、プロダクト開発が疎かになってしまっては、本末転倒と言えるのです。

 

 

・   コミュニケーション

 

持続可能なグロースには、グロースから得られたユーザーに関するデータとのコミュニケーション、及び社員間でのコミュニケーションが重要な役割を果たします。

 

 

以下では、上記の3点目(「コミュニケーションハック」と呼ぶこととします)に関して議論を展開していきます。

 

 

*本記事はtheMix agencyの創業者件CEOのVanessa Camones氏によって、The Next Webに寄稿された記事(原題:Real growth hacking is really about communication hacking)を基に筆者が執筆したものになります。

 

 

データ解析偏重の負の側面(ユーザーによる定性的評価に対する認識が欠落しがち)

 

グロースに関する数値やユーザー情報は、自社のプロダクトの成長を測る上で非常に有効なツールです。

 

しかし、プロダクトを世に出すということは、単純にインストール数やクリック数を伸ばすことだけではありません。

 

数値のみに着目すると、ソーシャルメディア上でのプロダクトの評価・評判を見逃す危険性も孕んでいるのです。

 

ユーザーが自社のプロダクトをどのように使用しているかを分析し、ユーザーの意見を有効活用していく方策をたてないと、プロダクトをより効率的に売り込むせっかくの機会を逃し、更には、プロダクトの成長を促進してくれるコアユーザーも失いかねません。

 

マーケティングの専門家Dan Kaplanが最近指摘したように、プロダクト自体の性能が悪い場合、グロースハックによる成長は見込めず、最悪の場合、ユーザーの間にプロダクトに関する悪い評判が広まり、グロースの可能性自体がなくなってしまうこともあり得るのです。

 

参考記事: 成功するために、グロースハックはマーケティングよりもプロダクト開発に焦点を当てなければいけない

 

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(プロダクトの重要性について語るKaplan氏)

 

 

ユーザー情報をチーム内でリアルタイムに共有する重要性

 

コミュニケーションハックを実行する際には、チーム内の誰がどのくらいの頻度で進捗状況を確認するか、ということも非常に重要です。

 

チーム内の全員、少なくとも部署毎のリーダーが、リアルタイムでユーザー情報をきちんと把握している必要があるのです。

 

ユーザーに関する情報はどれをとっても自社全体の業績に多大な影響を与える可能性があり、一つでもチーム内で上手く共有されていないと、実際の対策を講じることが困難になります。

 

例えば、ウェブサイトの登録にユーザーを誘導するページのA/Bテストを行い、「モバイルユーザーは登録ページに飛んでも登録しない傾向がある」という結果が得られても、ウェブ開発の担当者がチームリーダーにその結果を伝え忘れてしまえば、それまでの努力が全く活かされなくなってしまうのです。

 

 

プロダクトの開発とマーケティングのチームは統合しておくこと

 

グロースハックを謳う会社は、開発チームがユーザーのデータを活用して実際にソーシャルメディアキャンペーンを展開するわけではないことを忘れがちです。せっかく得られたユーザー情報も、開発チームがマーケティングチームにまわさなければ、宝の持ち腐れになるのです。

 

そのため、開発とマーケティングの人員は同じチーム(理想的には物理的に同じ場所)に配属し、得意とする分野を互いに共有させることが非常に重要と言えるでしょう。

 

 

コミュニケーションハックはスタートアップのみならず、大企業の成長にも欠かせない

 

グロースハックという言葉自体は、最小のマーケティングコストでプロダクトを世に出そうとするスタートアップ系の会社によって多く用いられています。

 

しかし、既にブランド化に成功し、業績が上向きの大企業も、既に獲得したユーザーに関する情報をいかに活用し、持続的に成長を促進する手段を模索していくことが必要です。

 

ユーザー情報を有効活用することにより、大企業もスタートアップ系の企業と同様に俊敏性をもって対応することが可能となります。

 

何よりも、既に軌道にのっている企業は、SMMを講じる上で必要なユーザーに関するデータベースを持っているため、スタートアップ系の企業よりも立ち位置が良いとすら言えるのです。

 

 

最後に

 

ユーザーからのフィードバックを活かし、業務に関する将来設計を立てる上で、企業はユーザー情報の分析・解析を行う重要性を認識していく必要性があります。

 

これは顧客やユーザーの意見に耳を傾けるのみならず、プロダクトの開発、及び改善に関して社内におけるコミュニケーションを促進していくことを意味しているのです。

 




Author Profile

growthhackjapan
Takaya Uchida
 

東京大学工学部を2014年に卒業し、卒業に祭して工学部長賞を受賞。
2014年秋からコロンビア大学の博士課程に5年間留学予定。
現在は株式会社Vapesにて、グロースハックを研究中。

 

Company Profile

株式会社Vapes
 
 

検索エンジン周りのグロースハックをサポートする株式会社Vapesが運営しています。

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Author: growthhackjapan

Ryutaro Mori UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)を2013年に卒業。 現在は平均年齢23歳のWEBマーケティング・コンサルティングエージェントVapesによる ITニュースメディア growth hack japanを監修。 ディレクションやコンサルティング業務の傍ら、 ウェブサービスの拡散に貢献する術を日夜研究・実践中。

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