西成・あいりん地区:営業許可で露店一掃を検討

毎日新聞 2014年05月02日 08時00分(最終更新 05月02日 09時42分)

西成・あいりん地区の露天密集地域
西成・あいりん地区の露天密集地域

 大阪市西成区が、あいりん地区の露店に市有地での営業権を無償で与え、路上から一掃することを検討している。「西成フリーマーケット構想」。来春の小中一貫校の開校をにらんだ環境の改善が狙いだ。ただ、偽ブランド品や海賊版DVDを売る違法な店が多く、道のりは険しい。【藤顕一郎】

 西成区によると、公有地で露店が日常的に営業するのを認めるのは異例とみられる。西成区は大阪府警の協力を得て構想を進める。

 府警西成署によると、日雇い労働者や路上生活者が多いあいりんでは約6年前まで、路上に露店が約300あり、覚醒剤や盗品の売買が横行、「泥棒市」と呼ばれた。取り締まりで減ったが、市立萩之茶屋小の周囲を中心に週末の早朝には約50店が営業する。

 あいりんでは来春、萩之茶屋小を含む3小学校と今宮中が一緒になり、小中一貫校が開校する予定。萩之茶屋小そばの今宮中が一貫校の校舎で、周辺はこれまで以上に多くの子どもが往来することになるため、西成区は「露店ゼロ」を目指すことにしたという。

 西成区によると、露店の営業場所として、あいりん内の市有地の公園か空き地を検討している。民間会社などに露店の営業状況など調査を委託し、営業場所を決める。

 臣永(とみなが)正広区長(59)は「解体現場などで譲り受けた物などを売って生計を立てている人もいる。『掘り出し物が見つかるフリマ』と話題を呼べば街の活性化にもつながる」と語る。

 一方、捜査関係者によると、多くの露店では違法な商品が売られ、覚醒剤の密売が疑われるところもある。海賊版のDVDも販売すること自体が違法行為となり、摘発対象だ。

 臣永区長によると、営業を認める際の資格を設けたり、商品をチェックする仕組みを検討しているという。

 臣永区長は「府警に協力してもらい、合法な露店のフリーマーケットを作り、露店主も生計を立てられるようにしたい」。西成署幹部も「行政と警察が両輪となり、路上や違法な露店の根絶につなげたい」と話している。

 ◇違法商品の横行が課題

 「兄ちゃん、たばこ?」。土曜の4月19日午前、萩之茶屋小周辺で露店の高齢女性が記者に声をかけてきた。

 女性は道端に色鮮やかなパラソルを広げ、椅子に腰掛けていた。台車の上のケースには、国内外のたばこの箱が積んであった。

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