近年、Webや電子書籍等新しいメディアが成長する中で、イラストレーターの立場を危うくする報告が会員から多く聞かれるようになりました。
イラストレーションの発注時には全くそんな話はなかったのに、作品を納品後、あるいは本が出来上がってから、
「イラストレーターは電子書籍等への2次使用も認めること」
あるいは「著作権は、出版社に譲渡すること」
などの使用許諾書、ないし契約書を強要される相談・報告が増えています。
しかも、ギャランティはあらかじめ決めた額のままで、その中に2次使用料や著作権譲渡の料金も含むというのです。
恐れながら、電子書籍などに2次使用する金額も含むのであれば、お仕事の依頼時に相談するのが発注者のマナーであり、義務だと思います。
下請法では、
「親事業者は発注にあたって、発注内容を明確に記載した書面を交付する義務がある」
とされています。
下請け法に関してはこちら
http://www.jftc.go.jp/sitauke/index.html
このページの右に並んだPDFパンフレットの「コンテンツ取引と下請法」(http://www.jftc.go.jp/sitauke/contentspamph.pdf)が分かりやすいです。
このPDFパンフレットには、「親事業者の主な禁止事項」として、
「親事業者が、コンテンツの作成の目的たる使用の範囲を超えて、著作権や二次使用権などを無償で譲渡・許諾させる。」
とかかれています。
こうした親父業者からの一方的な契約書や使用許諾書の強要に、いちイラストレーターが対抗することは難しいのが現実でしょう。
多くは仕事を失うことを恐れて、そのまま同意しているのではないでしょうか?
「イラストレーターズ通信」では、お仕事の前に「お仕事確認書」を交わすことを奨励しています。
イラストレーションのサイズや点数、使用範囲や期間をあらかじめ書面で確認することで、上に上げたようなトラブルを出来るだけ避けようというものです。
イラストレーターズ通信会員はもちろん、会員以外のイラストレーターにも使用を開放しています。
もしよければご利用ください。
「お仕事確認書」はこちらからダウンロードして下さい。
http://db.tt/330IQah1
もちろん万能ではありません。何らかのトラブルになったとしても、「イラストレーターズ通信」では責任を持ちかねます。
また会員以外の皆様からの質問・相談には応じておりません。
恐れ入りますがご了承ください。
イラストレーターの皆さんが、トラブルに巻き込まれることなく、いいお仕事に恵まれることを願っています。
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追伸:「お仕事確認書」は、ご自身が使いやすいように、内容をアレンジしてもかまいません。
ただし、少しでも内容を変更した場合は、「制作/イラストレーターズ通信」という部分は削除してください。
こちらで把握していない変更が行われたものに、イラストレーターズ通信という名前を使うのはご遠慮ください。
ご理解とご協力をお願いします。