ニキ・ラウダがチームオーダーを嫌う理由 3: メルセデスF1チーム
Niki Lauda, team order: Mercedes F1 team
アラン・プロスト(#7)、ニキ・ラウダ(#8)、1984年F1カナダGP
プロストとの1984年の戦いは最高だった
アラン・プロストによると、ふたりの関係は1984年の2戦目、キャラミ*でゆるぎないものになったという。このとき、時間的制約のため、ふたりはセットアップの仕事を分担せざるを得なくなったのだ。ニキ・ラウダはエンジンを、プロストはシャシーを担当し、情報は報告会で自由にやりとりされた。<* 南アフリカGP>
プロストは、自伝 "Life in the Fast Lane" のなかで「私たちは完璧に補いあった」と書いている。
「ニキは楽しい人で、彼と知り合いになれば、素晴らしいユーモアのセンスと人生に熱意を持っていることがわかる」
「これほど正確かつ明確な意見の持ち主と一緒に仕事をするのは楽しかった」
キャラミではラウダが優勝し、プロストはスペア・マシンでピットレーンからスタートしたが2位になった。楽勝だった。タイトル争いはこのふたりに絞られることは、すでに明らかだった。
アラン・プロスト、ロン・デニス、ニキ・ラウダ、1984年F1
そして、ひとつのことを除いて、まさにそうなった。
ラウダは「どういうわけか、ロン・デニスはチーム全体をプロストの味方につけた。もちろん、わたしたちは同じ機材を使っており、わたしたちのマシンは、同じように愛情をもって準備された。機材面でわたしが不利な立場に置かれたわけではない。単に嫌な雰囲気に動揺しただけだった」と述べた。
「彼(デニス)が勤勉なプロであることに疑問の余地はない。チームは完璧に機能しており、完璧主義を感じることができた。しかし、わたしにとって、ロンの弱みは、ある種のけんか腰の固定観念にあるように見える。だからこそ彼はチーム代表として、過剰反応するのだ。彼の傲慢さは耐えられない」
その結果、ラウダはルノーと秘密会議を行ったが、その提示された契約内容を、すぐにデニスが知ったことにラウダは驚いた。一方、デニスはアイルトン・セナかケケ・ロズベルグのいずれかと契約すると脅迫した。
ラウダは再びマルボロに、自分との契約をまだ望んでいるかどうかを直接質問した。マルボロはそれを望んでいた。
たとえそうであっても、彼は重要な最後の2戦、気が散るもとになる不安を取り除くため「キャリアのなかで最も多額の減俸に同意」せざるを得なかった。
プロストは、最後の2戦でシーズン6勝目と7勝目を挙げたが、0.5ポイント差で5勝のラウダがタイトルを勝ち取った。
それでもラウダは、1984年は「ドラマチックで、しびれるような、ハラハラドキドキの1年だった。少なくともわたしにとって、最高のF1を見せてくれた素晴らしいチャンピオンシーズンだった」と思っている。
ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグ、二人がどちらの役を演じるのかわからないが、どちらかがシーズン末に同じように感じるのだろうか? いずれにしてもラウダは、自分が経験したことを伝えるだろう。
しかし、1984年は大昔であり、2014年にラウダが「ひどく不愉快な」役割を果たすには、まだ時間はたっぷりある。
ニキ・ラウダがチームオーダーを嫌う理由
part 1: メルセデスはいかにしてドライバーを管理するのか
part 2: アラン・プロストがチームメイトに
part 3: プロストとの1984年の戦いは最高だった
-Source: Motorsport Magazine
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