「The Economist」

中国・韓国と日本の緊張関係に雪解けの兆し

5月の訪中議員団にメッセージの可能性

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2014年5月2日(金)

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 日本と東アジアの近隣諸国との冷え切った関係が改善する兆しは、表面的にはほとんどない。4月22日、約150人の超党派の国会議員が、春季例大祭が行われている東京・九段の靖国神社に参拝した 。靖国神社には戦没者だけでなくA級戦犯も合祀されている。当然ながらこの報道に、韓国と中国は怒りを露わにした。

 こうした中、バラク・オバマ米大統領は日本に公式訪問するに際して、尖閣諸島は「日米安全保障条約に基づく防衛義務の対象である」と明言した。米国の大統領として初めてことである。この無人の島々に対し、中国も領有権を主張している。オバマ大統領は4月23日に来日、24日に開かれる公式会談に先立って、東京・銀座の有名すし店で安倍晋三首相と非公式に会談した。

 日本と近隣諸国との関係改善を阻む出来事は、靖国参拝のほかにもある。1つは自衛隊が日本最西端の島、与那国島でレーダー基地の建設に着手したこと、もう1つは中国の裁判所が中国の港に停泊していた商船三井所有の輸送船を差し押さえたことだ。1930年代に商船三井の前身の企業が中国企業から借り受けた船が、日中戦争中に沈没した問題を巡り、原告は賠償請求を続けていた 。

本誌注:中国の裁判所は24日、差し押さえを解除したと発表した。商船三井が中国側に約40億円を支払った。

 しかしながら、このところ外交活動が活発化している。こうしたとげとげしさとは裏腹に、遠からず日本と近隣諸国の関係が、より建設的なものになる可能性がある。最近まで韓国と中国の指導者たちは、戦時中の侵攻について日本は十分に謝罪したと考える国家主義者の安倍首相とは交渉できないと断言していた。ところが両国とも、日本との関係修復の道を探るべく、担当者を送り込み始めた。安倍政権も、近隣諸国との関係をこじらせたままでいることのコストを認識しつつある。

日韓国交正常化50周年を関係修復のてこに

 日本と韓国の間には、理屈の上では共通点が多い。両国とも繁栄した民主主義国家であり、緊張を孕む地域における米国との同盟国だ。だが、昨年の安倍首相の靖国神社参拝や、過去に対して謝罪する必要はないとする同首相の信念が足枷となって、関係を修復することができないでいる。行き過ぎた国家主義的報道を繰り返す韓国メディアも足を引っ張る。

 ところが3月末に朴槿恵大統領は、オランダ・ハーグでオバマ大統領を仲介に安倍首相と会談することに同意した。朴大統領は、日本が日韓関係の修復を望むなら、歴史認識問題を蒸し返さないことを明言するともに、従軍慰安婦問題で誠意を見せなければならないと述べた。従軍慰安婦とは、第二次大戦中に、日本軍向けに性的サービスを強制された、もしくは騙されてそうしたサービスに就いた人々のことをいう。

 朴大統領が示したこの2つの条件のいずれにも、日本は合格したように見える。安倍首相は先頃、戦争と従軍慰安婦への遺憾の意を表明した河野談話などを継承する考えを明らかにした。4月16日には、従軍慰安婦問題の解決に向けて日韓外務省局長級協議がソウルで開かれた。現在もおよそ55人の韓国人元従軍慰安婦が生存している。協議の争点は、彼女たちへの謝罪と補償だ(いずれについても日本政府は既に実施している)。


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