東京電力は2011年3月22日、放射能漏れの恐れがある福島第1原子力発電所4号機を冷やすため、国内最大のブーム長を持つ生コンポンプ車を投入する。鉄板を敷き詰めた現場にポンプ車を入れ、早ければ同日午後から注水作業を始める計画だ。
作業に使う予定のポンプ車はブームの長さが52m。全国コンクリート圧送事業団体連合会によると、52mのブームを持つポンプ車は国内に3台しかない。そのうちの2台を所有する中央建設(三重県四日市市)が3月17日、原発の冷却に使えないかと政府に申し出た。
消防車による放水とは違い、建屋の上空に延ばしたブームの先端から地上30mにある使用済み核燃料プールなどに向けて水をピンポイントで注ぎ込める。ポンプ車から100m以上離れた場所でブームを遠隔操作できることも特徴だ。
同社が東京電力から出動の依頼を受けたのは20日午後8時過ぎのこと。2台のポンプ車は同日夜、同社のオペレーターとともに三重県四日市市を出発して、翌21日に福島県内に到着。待機場所で操作手順の確認などを繰り返して本番に備えた。
■生コンなら1時間で150m3圧送
ポンプ車はドイツのプツマイスター社が製造した「M52 Multi-Z」。ピストン式のポンプを備え、比重2.3の生コンを1時間当たり150m3圧送できる。比重1の水ならば圧送能力をさらに高められる可能性がある。
ポンプ車は、消防車のような水を蓄えるタンクを搭載していない。現場の詳細な計画は不明だが、ポンプ車に水を送る仕組みと燃料を補給する体制が整えば、連続注水が可能となる。大きなポンプ車が原発に近づくためには、がれきの撤去など進入経路の確保も欠かせない。
同型のポンプ車は丸河商事(岐阜県恵那市)も1台所有している。こちらも既に福島県内に到着して待機している。
【追加情報】
福島第1原子力発電所の注水作業に当たるため、現地に集まったポンプ車は計4台あることが判明しました。本記事中にある中央建設の2台、丸河商事の1台に加え、プツマイスター社も横浜港にあった1台を派遣しました。
この1台は、東南アジア向けの輸出用。横浜港から現地に向かう途中で車両トラブルが発生したものの、部品交換を済ませて現地に到着しました。ブームの長さは58mあり、国内最長の52mを上回ります。
(日経アーキテクチュア 瀬川滋)
[ケンプラッツ 2011年3月22日掲載]
東京電力、生コン、ポンプ車、プツマイスター、原子力発電所、放射能、中央建設、丸河商事
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