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韓国船事故、沈没前に過積載記録を改ざん

 韓国の旅客船セウォル号沈没事故で、韓国SBSテレビなどは1日、船がバランスを崩し沈没する直前に、乗員と運航会社の清海鎮海運の社員が電話で連絡を取り、過積載状態だったとみられる貨物の記録を改ざん、重量を軽く見せかける工作をしていたことが合同捜査本部の調べで分かったと報じた。

 捜査本部は、船が過積載だった上に荷物が固定されていなかったことが、船体がバランスを崩した原因とみている。

 船では過積載運航が常態化し、乗員が危険だと度々警告したのに会社が黙殺してきた疑いも強まっている。捜査本部は4月30日に拘束した同社物流担当幹部の男ら2人がこうした運航や記録の改ざんを指示したとみて追及、1日夜、業務上過失致死容疑などで逮捕状を請求した。

 事故の被害は1日夜までに、死者221人、行方不明者81人。

 SBSなどによると、4月16日の沈没直前、乗員は済州島本社に電話で状況を伝え、本社は仁川支社の物流担当幹部に「過積載が事故原因のようだ。積載量の表示を減らすのはどうだ」と、事実上の記録改ざんを指示。既に事態を把握していた物流担当幹部は「もうやっている」と応じ、約180トン分荷物を軽く見せ掛ける工作が行われた。

 同社は沈没直後、約3900トンまで積載可能な船に約3600トンの貨物しか積んでいないと主張。しかし船舶検査機関が指定した積載可能重量は約980トンで、同社はこの数字についても虚偽発表した疑いが強く、安全基準の3倍以上の過積載をしていた疑いがある。

 船は右旋回した際、貨物が船体の左側に寄り、船が復元不可能なほど傾いて浸水が始まった。捜査関係者は1日、コンテナの固定器具が規定を満たしておらず、周囲4カ所を固定すべき車両も2カ所しか固定されていなかったと指摘した。(共同)

 [2014年5月2日0時22分]

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