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大蔵官僚から和歌山県警本部長へキャリア組の華麗なる経歴

ALSOK青山新社長と、ある怪死事件をつなぐもの

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 なぜなら、当時の和歌山県警本部長が青山幸恭氏だったからである。大蔵省のバリバリのキャリア組が、知事より強力な権限と情報を持つといわれる県警本部長(出向)として、和歌山県にはるばるやって来たのだ。当時関西の有力地銀の幹部は「和歌山(の銀行)で何かが起こる」と予言した。大蔵省のキャリア組が県警本部長になるケースは唯一、「県下の金融機関に重大な犯罪(の疑い)がある」ときだけだからだ。実際に阪和銀行は潰れ、元頭取が逮捕された。

「橋本元頭取の逮捕は、大蔵省の阪和銀行への業務停止命令が絶対に正しかったことを証明するために、"大蔵省一家"が総がかりで動いた結果だ。銀行がヤクザに情実融資をしていた例など、当時の関西の銀行(特に第2地銀)にはいくらでもあった」(阪和銀行の元支店長経験者)

 橋本元頭取の逮捕の真の狙いは、小山副頭取射殺事件の真相解明と和歌山県版・イトマン事件といわれた、和興開発の不正融資の全容を明らかにすることだったといわれている。阪和銀行は和歌山県の指定金融機関、紀陽銀行の別動隊として和興開発や関連会社(ヤクザ・カンパニー)に融資していたし、関西の経済ヤクザ絡みの取引に深入りしていた。例えば和興開発が行った大規模開発・フォレストシティがらみで、300億円が闇に消えているが、紀陽銀の元頭取とその周辺が関与したものと大阪地検特捜部はみており、地元選出の元国会議員も絡んだ一大疑獄事件といわれていた。

 青山氏は97年1月末、大蔵省検査部の接待汚職事件の摘発を受け、急遽、省内に創設された金融服務監査官室の初代室長のポストに就いた。青山氏を指名した理由を大蔵省の首脳(当時)は「和歌山県警本部長時代に脱税や贈収賄事件を摘発してきたから(経験豊富)だ」と述べており、この疑獄事件摘発に青山氏が大きく関与したことがうかがえる。

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