100円ラーメン閉店 行列150メートル、400人がお別れ 福岡市の勝龍軒 [福岡県]
「100円ラーメン」の愛称で、46年にわたって中高生や庶民に親しまれてきた福岡市南区野間1丁目の博多ラーメン店「勝龍軒」が27日、予定より1日早く閉店した。店の前には順番待ちで約150メートルの行列ができ、青春時代に通い詰めた人々や常連客が、最後のスープを味わった。
1968年に故青木英子(ひでこ)さんが西鉄高宮駅前に開業。オイルショックや消費税にもめげず、100円を押し通した。野間に移転し、2年前に青木さんが76歳で亡くなったが、次女の日登美(ひとみ)さん(55)が後を継いだ。閉店が1日早まったのは、店を明け渡す前に内装工事が必要なためという。
小学生から通った浜崎亮さん(20)=同区=は開店前から並び、帰りに150円多く払った。「お金を忘れたとき、亡くなったおばちゃんに『今日はよかよ』と負けてもらった。その時の100円と、ご縁が続くよう50円を足しました」
開店から4時間で400食が完売。日登美さんが母と2代で守り続けたのれんを外すと、取り囲んだファンからねぎらいの拍手が起きた。日登美さんは「こんなに多くのお客さんに来てもらえて、母も喜んでいると思う。46年間ありがとうございました」と涙を浮かべた。
=2014/04/27 西日本新聞=