ここから本文です

ジョシュ・ハートネットがハリウッドから“消えた”理由

GQ JAPAN 5月1日(木)14時25分配信

「ブラックホーク・ダウン」に主演するなど、ハリウッドでの地位を確立していた俳優ジョシュ・ハートネット。そんな彼の名前を見かけなくなって、しばらく経つ。なぜ?


ジョシュ・ハートネットの名前を見なくなってからもうどれぐらいになるだろう。2001年の「パール・ハーバー」、「ブラックホーク・ダウン」でハリウッドでの地位を確立し、その後も「ブラック・ダリア」など話題作に出続けた。しかし、出演本数は徐々に減り、ついに2012年に彼の名前は消えた。あの時に何が起こっていたのか。ハートネットが『Details』誌のインタビューに応えた。

「僕はあらゆる雑誌の表紙になった。本当にどこへも行けなかったよ。自分という皮をかぶっている限り気持ちは休まらないんだ。孤独だったよ。誰も信じることができなかった」

名声と引き替えに失ってしまった安らかな生活。確かに、当時のハートネット人気は留まるところを知らなかった。彼は公私問わず、まさに四六時中カメラのレンズを向けられていたのだ。

「だからミネソタへ帰ったんだ。昔からの友達や高校時代の彼女とまた一緒に遊んだ。18カ月間、映画の撮影にはまったく関わらなかったよ」

人気絶頂の頃、ハートネットは「スーパーマン」や「スパイダーマン」といったヒーロー作品の主演をオファーされていた。「マン・オブ・スティール」のヘンリー・カヴィル、「アメイジング・スパイダーマン」のアンドリュー・ガーフィールドを見れば一目瞭然だが、ハリウッドでヒーロー役を掴めば、その後のキャリアはほぼ約束されたも同然だ。しかし、彼は、「これからの人生をスーパーマンとして生きていくのはいやだ」と考え、これを蹴った。

女性ファンのアイドルでありながら、自分がアイドル的存在であることを否定し続ける──純粋に演技力だけでキャリアを積みたかった彼は、このジレンマに相当苦しんだはずだ。インディペンデント映画にも10本ほど出演したが、その観客はやはり「パール・ハーバー」のダニー・ウォーカーを演じたハートネットを見に来るのだ。「『ライフ・ドア 黄昏のウォール街』、DVDで見ました!」「『ラッキー・ナンバー7』、映画館で見たわよ!」……女性ファンにかけられるこんな言葉にはもううんざりだった。

しかし、彼は戻ってきた。俳優という職業はまさに天職なのだ。

復帰第一作は日本では未公開の「Singularity(原題)」(2013)、続いて6月公開の「Parts Per Billion」。そして、5月11日にはレギュラー出演するテレビドラマ「Penny Dreadful」がスタートする。フランケンシュタインやドラキュラ、ドリアン・グレイといった古典ホラーのアイコンをベースとした、官能と恐怖が入り交じるゴシックホラー作だ。クリエイターは「007 スカイフォール」「ヒューゴの不思議な発明」の脚本家ジョン・ローガン。映画監督のサム・メンデスがエグゼクティヴ・プロデューサーを務める。舞台はヴィクトリア時代のロンドンだが、その解釈はとてもモダンだ。ハートネットが演じるイーサン・チャンドラーは、まず行動してから考えるタイプで暴力を恐れない大胆さを持つ。魅力的でありながら生意気で、目の奥には悪魔が潜んでいる。これまでに演じたことのない役柄だが、インターバルを挟んだことにより役に取り組む姿勢が変わってきたという。

「今はオファーされた役を見て、よしやってやる、って思うようになったんだ。これって悪くないよ。実際、もっとほめられていいと思う。ちょっと僕っぽくない役かなって気落ちすることもあるけど、まあそれも1分ぐらいのことさ」

今年36歳になるジョシュ・ハートネット。彼の俳優人生の第2章は今、幕を開けたばかりだ。

Masako Iwasaki

最終更新:5月1日(木)16時26分

GQ JAPAN

 

PR

注目の情報


他のランキングを見る