2014年5月1日木曜日

246:ベルリンで「安倍首相訪独歓迎抗議デモ」・両首相記者会見・これでは国際的信頼構築は無理

 前回予告しましたように、本日4月30日、安倍首相の欧州外遊の最初の訪問国であるドイツのベルリンの首相府前で日独韓の市民たちによる「安倍首相訪独歓迎抗議デモ」が元気に行われました。この日のデモと首相府で行われたワーキングランチ後の両首相の記者会見の様子を、写真と簡単な解説でお伝えしましょう。

早速、時事通信が→以下のように報道しています。保存のため写真を除く全文を引用させていただきます。
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         安倍首相に脱原発訴え=首脳会談場前でデモベルリン

【ベルリン時事】安倍晋三首相とドイツのメルケル首相の首脳会談が行われたベルリンの首相府前で30日、会談時間に合わせ、市民や在留邦人ら約50人が安倍首相に脱原発を訴えるデモを行った。
 デモ隊は「安倍首相に抗議します」との横断幕を掲げ、「再稼働反対」「さよなら原発」とシュプレヒコールを上げた。
  参加した主婦ヘートウィヒ・ツォーベルさん(63)は「東京電力福島第1原発の事故が起きた日本で原発が再稼働されたら最悪」。タクシー運転手ベルント・ フリーベーゼさん(54)は「安倍首相に国民と子供を守れと言いたい」と話した。(2014/04/30-23:44
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 さて、この日は週日の昼ですので、また予告が数日前であったこともあり、どれくらい集まるかは不明でしたが、それでも日独韓国の市民が約50人ほども集まり、好天の下で元気な行動となりました。(写真はいつものようにクリックすればパノラマで拡大して観れます)以下の写真は全て筆者の撮影したものです。
注意していただきたいのは、この日のデモはそれが主なものでしたが、決して脱原発だけを要求したものではありません。安倍政権と日本政府へ対する様々な抗議と要求の声が現れています。写真で確かめてください。

また日本の首相のドイツ訪問で抗議デモは行われたのは、わたしの知る限りでは戦後史上初めてのことです。それ自体が日本の社会危機の現れを語っています。

まずは集合予定時間前に首相府通用門前の歩道でデモ申請者と警備の警察官の責任者と打ち合わせ。「今日は正門で儀仗兵の閲兵式もあるので、ハンドマイクの音が大きければ困るので、この場所ではダメだ。ちょっと離れたところにしてほしい」と警備側。「それでは安倍首相からデモ隊を見えるところでないとデモの意味が無いでしょ。権利を侵害するな」と反論。「それは大丈夫、首相の車が通過するところを保証する」と、妥協が成立。

 先月の、中国習首相、韓国の朴大統領の訪問の際は、警備も格段に厳重で、習首相などはデモ隊の眼をはぐらかすためにダミーの公用車を使用することまでやっていたのですが、今回は警備側も全く正直です。
そこで、場所を少し移動して、そろそろ手作りの横断幕などを広げ始めます。
よく出来ていますね。これが市民の批判力。御用メディアはよく見るように。

元「慰安婦」の写真のプラカードを安倍首相に見えるように道ばたの信号の柱に固定したいと言ったところ、何と男女の警察官が、「判った、判った」とばかりに、丁寧に縛り付けてくれました。
えらく親切ですね。これぞ市民警察の鑑ではないかと思わせる光景です。市民の表現の自由権利に、進んで加勢する警察官。民主主義社会の警察とはこのようなものです。
結局この通り、三人のオモニたちの写真が固定されました。

「靖国解体」もありますね。確かに日本の病根ですから。
すべて手作りの横断幕などを持った人たちが集まってきました。

さて50人ほどになった時、日の丸掲げた安倍首相の車が本当に目の前を通過して首相府へ入りました。

今や国際語になった「GENPATSU HANTAI. SAIKADOH HANNTAI」の声が一段と高まりました。


これなど、NHKの同行記者の皆さん向けですね。
これは、新華社の記者が撮影して喜んでいました。
今日は22度ほどの初夏の好天、浴衣姿が映えますね。
首相府正門前の広場で閲兵式に望む両首相が、見えます。右側は同行記者たちのカメラの放列。
ここを内側からDW・ドイッチェヴェレが→動画で伝えています。しかも、この放送はドイツ唯一の国営放送ですが、公共放送たる日本のNHKとはまるで逆に、ちゃんとデモについても写真入りで報道しています。しかも安倍首相は記者会見で「原発について何も話さなかった」と、きっちり報道しています。DWとNHKのこの格差が両国の民主主義の格差そのものでしょう。
この報道ひとつが示しているように、何も「安倍お友達の籾井会長」が出るまでもなく、NHKは実は事実上の国営放送であり、DWは立派な公共放送であると言えましょう。 ここにも民主主義の成熟の落差がはっきり現れています。これは記者に「電波は公共物である」との教養があるからそうなるのです。両者の教養の落差の現れです。


このワンちゃんは常連ですね。
首相府では両首相の昼食会が1時間ほど行われ、その後記者会見があるので、ここから参加者の入れ替わり立ち替わりの演説集会となります。

そこに現れたのが、有名なロイターのカメラマン、さすがは狙いが鋭いのです。
日本語の横断幕は、顔見知りのわたしに意味を聴いてまた撮影。時間を見て記者会見場へ一緒に向かいましした。
以下、13時30分から行われた安倍、メルケル両首相の記者会見のスナップです。冒頭から安倍首相えらく緊張しています。
日本のメディアが決して伝えないことですが、両首相の手元をご覧ください。違いが判りますか?
行われたばかりの会談の趣旨について両者がまず述べるのですが、メルケル首相は、食事中に自分でつくったメモなども一切見ないで、流々と内容を話します。安倍首相は用意された手元の書類を見ながら下を向いて話すのです。

安倍首相の読み上げる書類に視線を投げるメルケル首相。
このような光景は欧州の首脳の記者会見では、全く例外的にしか見られません。通常の首脳会談後、メモに頼ることなど無能力の馬鹿(すなわち他者に頼る)だと思われるだけですから。そのことを安倍氏はご存じなく自覚もないようです。
日本の報道各社支局の、特にドイツ人の助手たちが「恥ずかしい」と口に出す声をこの会場でもさっそく耳にしました。実は、先月の習近平中国首相が同じでした。このふたりは似ています。韓国の朴大統領はこんなみっともないことはしませんでした。

メルケル首相が内心呆れていることは、彼女の表情で判ります。
ようやく、同行記者の質問、日本側からはNHKと産経新聞の記者二人だけの質問に答える段になって安倍氏は前を向いて、自分の言葉で話し始めました。
あきれて「ふーん」といった表情のメルケル首相。首脳会談後の記者会見で彼女がこのような表情を見せることは珍しいことです。こんなことでは、とてもドイツだけでなく、どこの国とも信頼を構築することは無理な話しです。

 そして、終わりのロイターの記者によるアベノミクスの評価への質問への回答で、メルケル首相に「最近のポルトガルの財政好転にも見られるように、欧州への参考にはならない。日本とは事情が違う。財政改革に精を出すことを願う」といった趣旨でまくしたてられたため、安倍首相は、ここでアベノミクスの「まだ不十分である」との苦しい弁解に追われ、冷や汗かいてようやく会見が終わりました。横綱の胸を借りて稽古をつけられた幕下力士のありさまでした。

この記者会見の後半の質疑応答の部分はフジテレビの動画でそのまま見ることができます。→ご覧ください。
この30分ほどの会見で両者に笑顔が出たのは、安倍首相がメルケル首相を来年あたり訪日してほしいと申し入れ(メルケル氏は中国は何度も訪問しているが、日本訪問は国際会議を除いて長年していません)それをメルケル氏が受け入れた報告があった時と、終わりの握手の時だけでした。(来年のいつか、訪日時に安倍氏が首相であるかどうかはあてになりませんが)

さて首相府を出てみるとデモ隊は増々元気に、首相官邸を去る安倍首相と同行記者たちのバスを見送ったとのことです。
今日は、このブログでもまた日本でもおなじみのセバスチャン・プルッグバイル博士も横断幕も支え役として参加していました。

終わりに参加者が横断幕に連帯の添え書きをしました。

以上が、写真による報告ですが、今日の記者会見の内容は全てが首相府の首相専用HPで直後から公表されています。
こちら→Pressekonferenzvon Bundeskanzlerin Merkel und dem japanischen Ministerpräsidenten Abe am 30.April 2014 
会見内容のほとんどが、経済分野とウクライナ問題関連で、目新しいことは(メルケル氏首相の訪日承諾を除いて)全くありませんでした。
 ただ一点、会見のはじめの方でメルケル首相は、会談ではフクシマ事故と日本のエネルギー問題に触れたと簡単ですが述べています。ところがこれについては安倍首相の方からは一言もありませんでした。またおそらくは日本の同行記者が報道することもほぼ間違いなく無いでしょうから、わたしが以下その部分を訳出して、報告としておきます。
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メルケル首相の言葉とその翻訳です。

Wir haben über die Situation im Energiebereich in Japan gesprochen. Deutschland und Japan haben nach dem schrecklichen Unglück in Fukushima auch die Zusammenarbeit im Bereich der erneuerbaren Energien verstärkt. Wir wollen das auch weiter tun.

私たちは日本のエネルギー分野の情勢について話合いました。 フクシマの恐るべき事故の後、ドイツと日本は再生可能エネルギー分野での協力も強化しました。私たちはこれをさらに続けようと望みます。

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 本日の 安倍首相訪独でわたしの印象に強く残った点に関してもうひとつ。昨日の29日付のフランクフルターアルゲマイネ紙に東京特派員による首相のかなり長いインタヴュー記事が掲載されました。「日本はそう簡単に原発をあきらめることはできない」との見出しです。このカーステン・ゲルミス特派員は保守紙記者として、厳しく安倍首相を批判していることは何度か記事を翻訳してここでも報告した通りです。

 ところが、この「インタヴュー」は直接面談ではなく、書面での質問への回答であり、これも役人が書いたものなのです。今日の記者会見と同じです面談によるものではないので的を突いた質問でも回答は、一方的な安倍首相に都合の良い言い逃れに終わっています。情けないことです。こんな首相では日本の国際的信頼は訪れる国それぞれで失墜して行くに違いないと危惧されます。
     結論:安倍晋三氏は民主主義国家の首相としては失格なのです。
           すなわち、SAYONARA  GENPATSU ! SAYONARA SHINZO !

1 件のコメント:

  1. 動画見ましたけど、メルケルも安倍も普通にカンペ見てましたよね?随分偏った一方的なものの見方ですね。他国との首脳とのコミュニケーションが円滑で、どこに出しても恥ずかしくない日本の首相って今までいましたっけ?G8での菅元首相なんて相当恥ずかしかったですよね?メドベージェフは完全にあきれ顔でしたよ。

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