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『グラミー賞』4冠、絶頂を極めるファレル・ウィリアムスの本音
テキスト:金子厚武(2014/04/30)
どうやら昨年に引き続き、2014年もファレル・ウィリアムスの年となりそうだ。ボーカルで参加したDAFT PUNKの“Get Lucky”と、ボーカル、作曲、プロデュースで参加したロビン・シックの“Blurred Lines”が『グラミー賞』の「年間最優秀レコード」にダブルノミネート、さらに自身のシングル“Happy”は『アカデミー賞』にノミネートされるなど、The Neptunesとしてチャートを席巻した2000年代序盤をも凌駕する快進撃は、実に8年ぶりとなる2枚目のソロアルバム『G I R L』で頂点に達することだろう。知られざるトラウマの克服から、DAFT PUNKとの友情、『G I R L』というアルバムタイトルに込めた意味まで、本人の発言からファレルの現在地を紐解いていく。
ファレル・ウィリアムス
シンガー、ソングライター、プロデューサーとしてはもちろん、ファッション/カルチャー・アイコンとしても世界にその名を知らしめるスーパー・マルチ・アーティスト。プロデューサー・ユニット“ザ・The Neptunes”のメンバーとして10代の頃からプロデュース業に関わり、2001年に自身がプロデュースしたブリトニー・スピアーズのシングル「アイム・ア・スレイヴ・フォー・ユー」が、初の全米1位を獲得。その後もマドンナ、ジャスティン・ティンバーレイク、カニエ・ウェスト等に携わり、2013年には、同年最大のヒット曲となった、ダフト・パンク「ゲット・ラッキー」とロビン・シック「ブラード・ラインズ」の両楽曲ほか、全米アルバム・チャート1位を獲得したビヨンセ、Jay-Z、マイリー・サイラス等の楽曲も手掛け、『第56回グラミー賞』では「最優秀プロデューサー賞」他ダフト・パンクと共に主要2部門(「最優秀レコード賞」「最優秀アルバム賞」)を含む計4冠を獲得した。そしてこの度、8年ぶりとなるニュー・アルバム『G I R L / ガール』をついに発売。
ファレル・ウィリアムス | SonyMusic
『グラミー賞』で「最優秀プロデューサー賞」など4冠を獲得
「DAFT PUNKよりファレルっしょ」なんていう声がよく聞かれるようになったのは、シングル“Happy”がリリースされた昨年末ぐらいからだろうか。今年の1月に行われた『グラミー賞』で5冠に輝いたDAFT PUNKが2013年の顔であったことに異論をはさむ余地はない。しかし、グラミーでのDAFT PUNKのステージで、スティーヴィー・ワンダー、ナイル・ロジャースと共に“Get Lucky”を披露したファレルの年であったことも、またまた間違いないだろう。グラミーの「年間最優秀レコード」には、“Get Lucky”と共に、ボーカル、作曲、プロデュースで参加したロビン・シックの“Blurred Lines”がダブルノミネート、結果的に「最優秀プロデューサー賞」など4冠を獲得したのだから。
また、アニメ映画『怪盗グル―のミニオン危機一発』のサントラ用に作られた“Happy”は世界中で大ヒットを記録し、『アカデミー賞』にもノミネート。受賞こそ、現在日本でも話題沸騰の『アナと雪の女王』の“Let It Go”に譲ったものの、「ファレルの時代」を改めて印象付けた。先日行われた『コーチェラ・フェスティバル』のステージでは、スヌープ・ドッグ、バスタ・ライムス、Diplo、グウェン・ステファニー、Nellyといった大物が続々ゲスト参加し、ラストを“Get Lucky”からの“Happy”で締め括るという、圧巻のステージを披露したことも記憶に新しい。
一世を風靡したプロデューサーチームThe Neptunes
ここでファレルのこれまでのキャリアをざっくりと振り返っておこう。バージニア州出身のファレルは、1994年に友人のチャド・ヒューゴと共にプロデューサーチームのThe Neptunesを結成。2001年に発表されたブリトニー・スピアーズのシングル“I'm A Slave 4 U”で初の全米1位を獲得すると、マドンナ、ジャスティン・ティンバーレイク、カニエ・ウェスト、JAY Zなど、数多くのヒット曲を手掛け一時代を確立した。例に挙げるのは適当ではないかもしれないが、日本で言えば1990年代の小室哲哉よりもすごかったと言えば分かりやすいだろうか。また、2002年には友人のシェルドン・ヘイリーも加わってN*E*R*Dとしてファースト『In Search Of』を発表し、これまでに4枚のアルバムを残している。
実は嫌がっていたソロ2作目の制作
ソロアルバムはまだ2006年に発表した『In My Mind』の1枚のみで、『G I R L』は実に8年ぶりとなる2作目。「超多忙のモテ男が、満を持して堂々発表する新作」かと思いきや、実はファレルはソロアルバムの発表を嫌がっていたのだという。
ファレル:初めてアルバムを作ったときは自己中心的過ぎた気がするんだ。俺にとって大切なものについても(歌詞で)話した。とにかく「俺、俺、俺、俺、俺……」 という感じだった。あまり楽しめなかったし、ライブでやるのが恥ずかしい曲もあったよ。自分のこと過ぎてね。変な感じがしたんだ。前回と今回で違うのは、今回は「アルバムを作って欲しい」と言われるとは思ってもいなかったときに「作ってほしい」と言われたってことだ。どこかの時点でソロアルバムを作るというオプションは前からあったけど、でも作る気はなかった。前回のトラウマがあったから、二の舞になると思っていたんだ。
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