自民党:高村副総裁「集団的自衛権に臨検」 行使容認巡り

毎日新聞 2014年04月26日 07時00分

高村正彦・自民党副総裁
高村正彦・自民党副総裁

 自民党の高村正彦副総裁は25日、毎日新聞のインタビューに応じ、憲法解釈の見直しによる集団的自衛権の行使容認について、朝鮮半島有事などの際に、米軍を攻撃した国へ向かう貨物船などに自衛隊が強制的に立ち入る「臨検」を盛り込むべきだとの考えを示した。集団的自衛権の「限定容認」を主張する高村氏はこれまで、攻撃を受けた米国艦船の防護を検討対象として例示してきたが、臨検に言及したのは初めて。

 臨検は武力行使に当たるため、周辺事態では集団的自衛権の行使を容認しなければできない。高村氏は公明党との協議の担当者に就く見通しで、限定容認論の重要な柱として協議に臨むとみられる。

 自衛隊は船舶検査活動法で、日本周辺で有事が起きた際に、国連安保理決議が採択された場合か、その船が所属する国の同意がある場合に限り検査を実施できる。ただ、いずれの場合も船長の承諾を得なければならない。

 高村氏は同法について「あまり実効性がない。船長の承諾を要件にしないなど、武力行使につながる船舶検査を可能にする必要があるかもしれない」と指摘。「今後要件を検討し、法律で具体的に書くべきだ」と述べ、船舶検査の要件から船長の承諾を削除し、臨検を可能にする船舶検査活動法の改正を目指すべきだとの考えを示した。

 公明党が米艦防護などは個別的自衛権で対応できると主張していることについては「集団的自衛権の限定的容認と個別的自衛権の定義を広げるのは、どちらが国際的に通りやすいか、ということだ」と指摘した。【宮島寛】

最新写真特集