- 39 :第2話 ◆azwd/t2EpE :2006/11/26(日) 22:51:04.04 ID:/4xv1z210
- 【第2話 : Castle】
――ヴィップ城下町・国立公園――
呆然と立ち尽す。
そのブーンを、声もなく、どうしていいかも分からず眺めるドクオ。
唖然とし、呆ける受験者たち。
864人目にして、初の不合格者。
誰もが想像しなかった、不合格者だった。
(;^ω^)「ま、待ってくださいお!」
兵士に歩み寄り、必死で言葉を捻り出す。
何かの間違いだ。こんな試験で落ちるなど、あり得ない。
もう一回やらせてくれれば、合格してみせる、という自信がブーンにはあった。
(;^ω^)「きっと太陽の光を浴びすぎたせいで、熱くなってて……。
それにちょっとビックリしちゃっただけですお!」
(;'A`)「そ、そうだ。それで不合格ってのは、ちょっと厳しすぎるんじゃないですか?」
兵士は眉一つ動かさない。
小さく溜息を吐いて、細い目で一睨みされ、そしてアルファベットにその視線を移した。
(;^ω^)「だから、もう一回試験を」
(兵`Д´)「……太陽の熱なんかじゃない。アルファベットの性質だ」
- 42 :第2話 ◆azwd/t2EpE :2006/11/26(日) 22:53:58.10 ID:/4xv1z210
- (;^ω^)「……性質?」
思わぬ言葉に、狼狽した。
アルファベットは、戦争武器として用いられる。
その情報は一般人には全く下りて来ず、アルファベットについて知っているのは国家の関係者と、兵だけだ。
無論、ブーンはほとんど知らない。本物を見たのも、初めてだった。
(兵`Д´)「アルファベットは戦争専用に作られる。ただの剣などとは違い、特殊な、そして高性能な武器だ」
それくらいは知っていた。
しかし、だから何だと言うのか。発熱する機能でもある、というのか。
(兵`Д´)「このアルファベットは、ある意味で、意思を持っている。簡単に言うと、選別機能があるんだ」
(;^ω^)「……こんな、ただの鉄が……?」
(兵`Д´)「厳密に言えば、"α"と呼ばれる特質な成分に、だがな……。
アルファベットを扱う力がない者が握った場合、発熱するようになっている」
受験者たちのざわめきが大きくなった。
信じられない、という声がどこからか聞こえた。
(兵`Д´)「絶対に扱えない、というわけではない。訓練次第では扱えるようにもなる。
が、アルファベット全26種の内、最弱の"A"ごときを訓練しなければ扱えないような人間を……
兵として採用するわけにはいかんのだ」
頭を鈍器で叩かれたような衝撃で、視界が揺れた気がした。
Aごときを、扱えない。今までの863人全員が扱えたものを。
たった一人、自分だけが。
- 47 :第2話 ◆azwd/t2EpE :2006/11/26(日) 22:56:52.93 ID:/4xv1z210
- (兵`Д´)「残念だが、864番、ブーン=トロッソ。お前は、不合――――」
(´・ω・`)「どうしたんだ、一体。騒がしいな」
受験者の群れを掻き分け、静かに現れた男。
場が、より一層騒がしくなった。
この国に生きている者なら、いや、この世界に生きている者なら、誰もが知っている。
ヴィップ国軍が世界に誇る英雄、ショボン=ルージアル。
他を圧倒する出で立ち、風格。
思わず呼吸を忘れるほどのオーラが横溢している。
そして、背に負っているアルファベット、T。
それが、更なる威圧感を醸し出していた。
(兵;`Д´)「ショボン大将。何でもありません。試験は滞りなく進んでおります」
(´・ω・`)「現に滞ってるぞ。見たところ、不合格者が出たようだが」
地面に突き刺さったアルファベットを見て、すぐそう言い放つショボン。
犀利さが、たった一言で皆に伝わった。
(´・ω・`)「珍しいな……Aで不合格者が出るとは……」
(;^ω^)「う……」
(´・ω・`)「……お前か……見たところ、落ちそうな感じじゃないがな……」
- 53 :第2話 ◆azwd/t2EpE :2006/11/26(日) 23:00:06.88 ID:/4xv1z210
- ショボンがブーンに背を向けた。
そして、一歩二歩と歩みだす。
(´・ω・`)「……アルファベットが、ちょっと怪しいな」
アルファベットに近づき、柄に触れた。
握らずに、その右手を見つめる。
(´・ω・`)「……やっぱりそうか」
右足を振り上げ、そして、アルファベットに向かって下ろす。
皆が、当惑したときには、既にアルファベットは無残な姿へと変わり果てていた。
音と共に崩れ去ったアルファベットの残骸が、風に少し流された。
(兵;`Д´)「ショボン大将! 一体何を!」
(´・ω・`)「アルファベットが老朽化していた。知らないわけないだろう?
アルファベットは古くなると、熱を持つことがある、と」
ざわめきが方々から起きる。
ショボンの冷静さで、少し落ち着きを取り戻せつつあった。
(´・ω・`)「だから試験には新品を用意しろと言ってあったはずだ」
(兵;`Д´)「そ、そんな……確かに新品を用意したはずなのに……」
(´・ω・`)「古いやつが紛れ込んでしまっていたようだな……。
いや、少し使った、くらいのやつか。大勢に触れられたせいで、α成分が磨耗していたんだ」
- 59 :第2話 ◆azwd/t2EpE :2006/11/26(日) 23:03:29.37 ID:/4xv1z210
- (兵;`Д´)「……たまたま、ブーン=トロッソが握ったとき……
磨り減っていたα成分がおかしくなってしまった、ということですか?」
(´・ω・`)「α成分は、アルファベットの寿命に等しい……尽きかけたとき、自然に熱を出すのさ」
ショボンが、腰につけたアルファベットのAを、こちらに向けた。
(´・ω・`)「握ってみろ。きっと大丈夫なはずだ」
(;^ω^)「は、はいですお」
恐る恐る手を出し、柄に指を触れさせる。
熱は、ない。
しっかりと掴み、そして、掲げた。
何の熱も伝わらない。間違いなかった。
(´・ω・`)「やっぱり、そういうことだったな。お前も合格だ、ブーン=トロッソ」
(;^ω^)「あ……あ……」
言葉が上手く出てこない。
ショボンは不思議そうな瞳を向けている。
慌てて、言葉を無理やり吐き出した。
(;^ω^)「あ、ありがとうございますお!!」
(´・ω・`)「???
いや、別に礼を言われることじゃない。
こっちの不手際で、迷惑をかけたんだ。すまない」
- 69 :第2話 ◆azwd/t2EpE :2006/11/26(日) 23:06:43.17 ID:/4xv1z210
- (;^ω^)「ショボンさんのおかげで、国軍に入れますお!
ありがとうございますお!」
(´・ω・`)「本当にすまなかったな。期待しているぞ、ブーン=トロッソ。また会おう」
背を向けたとき、肩当が光を反射させて、目が眩んだ。
それが、ショボンの輝きだと思えた。
――国立公園・国軍幕舎内――
(´・ω・`)「面白いやつがいたぞ」
( ,,゚Д゚)「受験者にですか?」
公園に張られている幕舎に戻ったショボンが、椅子に腰掛ける。
向かいに座っているギコ=ロワード少将は、湯のみを傾けていた。
(´・ω・`)「アルファベットの老朽化で、Aが発熱した。それで、ブーンという受験者が危うく落ちかけていた」
( ,,゚Д゚)「珍しいですね。あれは徐々に熱くなるものですから」
(´・ω・`)「あぁ。だから、ちょっと不思議なんだ。
その前に触ったやつは普通に合格して、ブーンの番になっていきなり熱くなった、というのがな」
( ,,゚Д゚)「一体何があったのでしょうか?」
(´・ω・`)「考えられることは一つだけだ。その一つが、楽しみで仕方ない」
( ,,゚Д゚)「……どういう意味ですか?」
- 73 :第2話 ◆azwd/t2EpE :2006/11/26(日) 23:09:58.10 ID:/4xv1z210
- ギコが湯のみを木製の机に置いた。
乾いた木が、少し割れたような音を立てた。
(´・ω・`)「素質さ。強いやつが弱いアルファベットを扱うと、α成分を一気に消費してしまうのは知っているだろう?」
( ,,゚Д゚)「もちろんです。だから、自分の実力に見合ったアルファベットを扱わなければなりません」
(´・ω・`)「つまり、ブーンが、B以上も楽々扱える実力の持ち主だとしたら?」
( ,,゚Д゚)「……!! α成分を一気に消費してしまい……急激な発熱もあり得る……!!」
(´・ω・`)「ほらな。楽しみだろう?」
ショボンが頬杖をつきながら、笑った。
あいつは、使えるかも知れない。勝利を、天下を、近づけてくれる存在かも知れない。
そんな漠然とした期待が、ショボンにはあった。
(´・ω・`)「入軍テストも、来てみるもんだな。案外、面白い」
( ,,゚Д゚)「そうですね。たまに、面白いやつが居ます。
五年前には、モララー=アブレイユも入軍テストで異彩を放って注目されていましたから」
(´・ω・`)「あぁ、そうだな。モララーほどの拾い物は中々ないが、今回はそれに匹敵するかも知れん」
( ,,゚Д゚)「ブーン=トロッソ……楽しみですね」
天を仰ぐような形で、茶を飲み干したギコ。
静かに立ち上がり、幕舎から外へ出て行く。
ショボンは、微かに笑みを浮かべながら、これからの事を考えていた。
- 85 :第2話 ◆azwd/t2EpE :2006/11/26(日) 23:13:00.87 ID:/4xv1z210
- ――ヴィップ国・アロプス町のトロッソ家――
試験から二週間が過ぎ、ようやく入軍の日が訪れた。
J( 'ー`)し「今日から国軍兵士だね……この家も寂しくなるね」
( ^ω^)「ゴメンだお、かーちゃん……ビーンと二人で頑張ってほしいお」
J( 'ー`)し「ビーンも18歳になったら国軍に行っちゃうんじゃないか、って心配でねぇ……」
( ^ω^)「大丈夫だお。あいつは争いとかが大嫌いな、優しいやつだお」
朝食の香りが芬々と漂い、自然と食欲が湧き上がる。
程よく焦げた食パンを染めるマーガリンが溶け、朝の光を表現していた。
楕円形の目玉焼きや、湯気の立ち上るオニオンスープもそれぞれ微香を放っている。
( ^ω^)「とーちゃんの仇は、ブーンが討つお。
かーちゃんとビーンは、必ず訪れる"平和"を待っていてほしいお」
J( 'ー`)し「……えぇ、待ってるわ」
かーちゃんは、仇討ちを望んではいなかった。
愛したとーちゃんが死んでしまったことは無論悲しく、葬儀の後もしばらく抜け殻状態だったのをよく覚えている。
しかし、だからと言って息子を戦場に立たせる気は毛頭なかったようだった。
だが、とーちゃんを愛していたのはブーンも同じだった。
平和や、命。あまりに尊いそれらを、無情に奪い去る戦争。
それを終わらせるために、アルファベットを振るう。その過程で、仇も討てたら、と願った。
- 93 :第2話 ◆azwd/t2EpE :2006/11/26(日) 23:15:31.97 ID:/4xv1z210
- 国軍入りは、当然のように反対された。
愛した人だけでなく、その愛の結晶まで、失いかねない。
かーちゃんが反対するその理由は、痛いほどよく分かったが、自分の人生だ。
やりたいこともせずに生きたいとは思わなかった。
( ^ω^)「ごちそうさまだお」
食器を片し、部屋に戻って荷物を抱える。
さほど多くはない。それほど必要なものが見つからなかったからだ。
大きめのリュック一つで充分事足りた。
部屋を出て、家の出入り口へ。
かーちゃんは、姿を見せない。
弟のビーンは、まだ寝ているようだった。
昨晩、別れは惜しんだので、心残りはない。
冷たい銀のノブに手を掛け、開かれる扉。
溢れる光。踏み出す足。
後方から、微かに響いた嗚咽。
振り返らずに、外に出た。
――ヴィップ城――
('A`)「さすが、一国の牙城だよな……バカでけぇし、壁とか床なんて見たことないくらいキレイだぜ……」
(;^ω^)「すっごく立派な建物だお……ちょっと怖いくらいだお……」
- 100 :第2話 ◆azwd/t2EpE :2006/11/26(日) 23:18:15.60 ID:/4xv1z210
- 新兵たちが集う、中央ホール。
およそ千人の固まりでさえ、片隅を埋める程度の大きさだ。
誰もがそのスケールに、ただただ言葉を失っている。
無機質にも思えるほどシンプルな壁だが、窓から差し込む光を受けて輝きを見せる。
瀟洒な作りのアーティファクトがその壁に張り付き、模様もない壁を鮮麗に彩っている。
歩くと音が立つ床は、傷もほとんど見られないほど壮美に磨き上げられていた。
現在、世界を三分する国家がある。
ラウンジ国、オオカミ国、そしてヴィップ国。
このヴィップ国は、三国中で最も小さく、そして弱かった。
劣っているのは軍の力だけでなく、経済力など、国力全般においてだ。
文明も一歩遅れている。
('A`)「ヴィップの城でこの造りだぜ……ラウンジやオオカミは一体どんなんだろうな……」
そうやってドクオと雑談して、数分が過ぎた後。
深閑が、中央ホールを覆った。
ホール前方の壇上に、男が現れた。
( ゚∀゚)「入軍おめでとう、新兵諸君」
皆が緊張を顔に浮かべた。
背に"S"を負った、金髪の男。
体格はさほど大きくなく、他を威圧するような顔つきでもない。
だが、自然と滲み出る、汗。
微かに震える、手先、膝。
息苦しいとさえ感じた。
- 106 :第2話 ◆azwd/t2EpE :2006/11/26(日) 23:21:06.06 ID:/4xv1z210
- ヴィップ国軍が世界に誇る、二人の英雄。
一人は、ショボン=ルージアル。そしてもう一人は、ジョルジュ=ラダビノード。
壇上で、どこか飄々とした雰囲気を漂わせている、この男だ。
( ゚∀゚)「命を惜しむな。ヴィップ国の未来のために、自分こそが犠牲になる、という気概を持ってくれ。
もちろん、死なないで済むなら死ぬな。可能な限り長く貢献してくれ。俺からの話は、それだけだ」
その一言だけで、すぐ壇上から降りて立ち去るジョルジュ。
慌てるように、側にいた男が壇上に上がった。
( ,,゚Д゚)「それでは、規則などの説明を始める」
ギコ=ロワードと名乗った男が、様々な説明を始めた。
一日のタイムテーブル、禁則事項、所属部隊配置、城の構造など。
話が簡潔で分かりやすく、説明が1時間に及んでも苦痛だとは思わなかった。
( ,,゚Д゚)「以上だ。それでは、城内を案内する」
およそ100人ずつに分けられ、広大な城内を歩く。
訓練室が数十部屋あり、実際に金属のぶつかりあう音も聞こえた。
他、食堂や軍議室、資料室、書物室、休憩室や娯楽室もあった。
二階、三階、四階と上がっていき、少尉以上に与えられるという個室が立ち並ぶ、五階。
ギコ少将の部屋の前を通った。
( ,,゚Д゚)「俺の部屋はココだ。少将にもなると、ちょっとした一軒家くらいの広さがあるぞ。
正直使いきれてねーけどな……いくらなんでも広すぎるんだ。
まぁ、あんまりこのフロアを歩いてると怪しまれるから、用がなけりゃ近づくなよ」
- 109 :第2話 ◆azwd/t2EpE :2006/11/26(日) 23:23:34.09 ID:/4xv1z210
- 再び歩き出し、更に階層を上がる。
模擬戦闘室や、広壮な多目的ホール。
もう一つ上の階はスルーし、城の屋上へと昇った。
扉を開けた瞬間、新兵たちの体にぶつかる清風。
柔らかみのある外光が表情を明るくする。
城下町とは逆方向に眼をやれば、思わず息を呑むほどの渺茫たる原野。
その広漠さに、思わず口元を綻ばせ、瞳を輝かせた者も多くいた。
(*'A`)「すげぇなぁ……めちゃくちゃいい眺めだ……」
(*^ω^)「地平線が見えそうだお……凄いお……」
戦時には、ここでアルファベットを振るうこともあるのだろう。
その姿を思い浮かべて、高揚した。
自然と体全体が疼きだしていた。
( ,,゚Д゚)「あとは、二つの寮塔だな。お前らの寝床だ。東塔と西塔がある」
ギコが指差したが、示されなくても見えている。
塔というより、聳え立つ壁のようだった。
( ,,゚Д゚)「それから……気づいてると思うが、塔の最上階へと繋がる階段が、この屋上にある。
あれはショボン大将とジョルジュ大将のための部屋だ」
(;'A`)「部屋って……塔の最上階まるまるかよ……」
(;^ω^)「広すぎなんてもんじゃないお……」
- 113 :第2話 ◆azwd/t2EpE :2006/11/26(日) 23:26:25.96 ID:/4xv1z210
- ( ,,゚Д゚)「一応後で希望は聞くが、最終的にお前らの部屋の割り振りはこっちで決める。
どっちの塔になっても、不満は言うなよ」
( ^ω^)(……お?)
そう言って、ギコは動き出し、屋上から下る。
新兵たちも慌てて追従した。
(;^ω^)(……おかしくないかお?)
平然と放たれたギコのセリフ。
しかし、引っかかった。
ナチュラルな言葉ではなかった。
(;^ω^)「ドクオ、ドクオ」
('A`)「んあ? 何だ?」
(;^ω^)「おかしいお。ギコ少将、部屋の割り振りに不満を言うなってさっき言ったお」
('A`)「あぁ、言ってたな。それがどうかしたか?」
(;^ω^)「なんで不満なんか出るんだお?
おかしいお。
東か西かなんて、大した問題じゃないお」
そう言うと、ドクオは再び首を傾げた。
しかしさっきより、表情が高慢に見えた。
('A`)「……何言ってんだ、お前。大問題だろ」
- 116 :第2話 ◆azwd/t2EpE :2006/11/26(日) 23:29:11.76 ID:/4xv1z210
- (;^ω^)「お、お、お? 日照の関係かお?
西は日当たりが悪いとか……」
('A`)「……何も知らねぇのか……まぁ、お前は昔から無知が代名詞の男だからな……」
嘆声をこぼし、歩く速度を少し遅めて、ドクオは沈んだ声を出した。
('A`)「塔の最上階には大将軍が二人居る。東にはショボン大将、西にはジョルジュ大将だ。
つまり……東塔に入った者はショボン派、西塔ならジョルジュ派になる」
(;^ω^)「お!? わけ分かんないお!」
('A`)「ホントに何も知らないんだな……有名な話じゃねぇか」
平らな石の階段を、騒がしく下っていく一団。
それすら、全く気にならない心境だった。
('A`)「ショボン大将とジョルジュ大将は、最悪に仲が悪ぃんだ。
共に協力しあって戦うべき、軍の頂点二人がな……」
階段の窓から見える、東の塔。
しかし、この場所から西の塔は見えない。
位置的に、当然のことではあった。
だが、それがどこか穏当なものではないように感じた。
東の最上階へ行くために、ショボンはこれを昇っているのだ。
('A`)「気優しく、兵の団結力こそが戦争で大事と思う、ショボン大将……。
一方、冷徹で目的のためには手段を選ばない、冷淡なジョルジュ大将……。
考え方が全く違う二人は相容れず……ヴィップは最弱国へと転落した。
世間では"新参と古参が争っている"とよく言われている」
- 118 :第2話 ◆azwd/t2EpE :2006/11/26(日) 23:31:25.29 ID:/4xv1z210
- 黙々と階段を下るギコが、一旦歩みを止めたのにも気付かなかった。
不安と呼ぶべき感情が、思考を白く染めていた。
第2話 終わり
〜to be continued
(伝;・Д・)「ギコ少将! 至急軍議室へ!」
( ,,゚Д゚)「なんだ……何があった?」
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