2014-04-30

性同一性障害新入社員でした(実話)

性同一性障害新入社員

http://deztec.jp/design/14/04/28_society.html

先に上記の話題エントリについての私の結論を述べておくと、トイレも更衣室も作業服も、男女用はこれまで通り、多目的用をひとつを用意することで諸々解決すると思いました。そのように、グラデーション領域用を用意しておけば、施設選択の問題は解決できているので、全体に対する事前説明はそもそも特別必要なく、対人関係に付いては、現場の方の人間力に任せればよいではないでしょうか。まー、そもそもフィクションですけど。

さてよい機会なので、便乗して、フィクションではなく、現実世界での話をすることで皆さんに少しでも性同一性障害者のことを知っていただきたいなと思います。ある性同一性障害者のある会社内での扱いがグラデーションで変化して行く様子の一例です。

前提

現在の私

20代後半 フルパスFtM(女→男。フルパス=ほぼ判別が付かない。)

・4,5 年前からホルモン注射、上半分だけ手術済み。

戸籍性別を変えられない状況。(戸籍変更条件は生殖腺を取ることなので、体への負担が大きすぎると判断)

名前戸籍の通り。何も変更無し(どちらでもいける名前だった)

銭湯トイレも全部男の方に入る

参考: 性別の取扱いの変更 http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_23/

会社

・30人程度のベンチャー

実情

新卒時代

5〜10年程度前に大学卒業し、社内で特に告知無しで新卒入社しました。

・周りの認識→めちゃくちゃボーイッシュ女の子(服装は自由な会社。胸は潰して出社)

健康診断 →各人が施設に足を運び男女混ざって受ける形式。中性的外見だったので、女性用の服で行う

・手洗い  →実生活経験治療の一環で、男性用へ

 この頃は、周りの方を戸惑わせてしまいました。本当に申し訳ないと思っていますしかし、大人力の高い弊社社員はなんとなく察し、それぞれの対応を始めました。「ちゃんと女性扱い(紳士)」「男扱い」「一応女性枠で認識しているけど、扱いは男さながら」色々です。「どっちで扱えばいいの?」と聞かれ、「一応男がいいけど、あなたの無理の無い対応で」と答えたこともありました。

 実は、このころ自分も本当にあちら側に行ってもよいのか、まだ悩んでおり、性同一性障害に関する診断と治療ガイドラインに沿い、実生活経験(少しづつ逆の性の生活に慣れる)という治療をしている状況でした。性同一性障害者にはこのチャレンジ期間があるものなので、多目的トイレがあると都合が良かったです。

参考: 性同一性障害に関する診断と治療ガイドライン https://www.jspn.or.jp/activity/opinion/gid_guideline/files/journal_114_11_gid_guideline_no4.pdf

変化時代

2週間に1度のホルモン注射開始。周りから分かるところでは、声、体毛、顔つきに変化。更に、国内上半身のオペも行いました。

・周りの認識女の子から少年へ。少年からおっさんへ。

健康診断 →女性用の服で行うので、この日はヒゲを剃り、なるべく声を出さないように、周りに配慮する。

・手洗い  →ナチュラル男性用へ。この頃、体毛が増えて、胸も切ったので、銭湯にもデビュー

 この頃になると、もう皆さん慣れていました。ただ、この頃は声や体つきが著しく変化し過ぎて、内線で声が判別できない問題が発生したくらいでしょうか。更に察した同僚は「いやーほんと変わったねー」「おい、おっさんw」と嬉しい言葉をかけてくれました。

 上半身のオペは半日で終わり、普通有給で数日休んだ後、体の可動部分は限られるものの、普通に出社しました。割とカジュアルな手術でしたが、ただ1ヶ月くらいは普通に動けず、業務関係者には簡単に事情お話しました。内蔵をいじる手術だともっと大変なのかも知れません

フルパス時代

・周りの認識おっさん

健康診断 →周りの方が動揺するので、センターの方にお願いして、男性用の服で行うことにした。

・手洗い  →相変わらず男性用へ。

 新しく中途で入った方は、おそらく気付いていません。大人対応の古株社員も「増田さんって元女の子なんですよ〜」なんて、野暮なことは言いません。色々と苦労はあるのですが、こう考えると私は、社員の皆さんの大人力に支えられてきた気がします。本当にありがとうございます。この会社大好きです。

当事者に対して言いたいこと

あなたが『どう見られたい』ではなく、『どう見えるか』で扱われる

とにかくなりたい性の外見と振る舞いを鍛えましょう。分かっていると思いますが、どう扱われるかはあなたの気持ちの強さではなく、あなたの外見と振る舞いで決まります。私は、FtM(女→男)でフルパス(見分けがつかない)状態まで持っていけるタイプ人間だったので、このような状況になっています。正直、フルパスまで持って行ける自信と覚悟が無いなら、ベースを元々の性から動かさない方が幸せに生きられると思います

ハンデを飛び越えてでも欲しいと思われるスキルを付けましょう

とにかく能力を高めましょう。会社からすると面倒くさいと思われやす人種ですので、それでも欲しいと思われる人間になりましょう。LGBTレズビアンゲイバイセクシュアルトランスジェンダー[性同一性障害])に能力が高い人が多いと言われるのは、このための努力をしているからだと思っています

選挙に行きましょう

私も昔は政治に無関心で、誰に投票すればいいかわからなかったのですが、私たちに不利な法律を変える為には、LGBT問題に強い方を政治の場に送り出さなくては行けないんですよね。私は、候補者LGBT問題の切り口から見て、投票するようにしています

周りの方に対して言いたいこと

LGBTってわりとたくさん存在していますし、多分慣れます

 「周りに居ないからどう接したらいいか…」と、思ったかもしれませんが、当事者が隠しているから知らないだけです。日本にもLGBTレズビアンゲイバイセクシュアルトランスジェンダー[性同一性障害])は、全人口の5.5%いるとされています(※2013年電通総研調べ)。近くに居たら慣れる+彼らも変化して行くので、あなたの無理の無い範囲で普通に接していただけると大変助かります。一例として、私の先輩で、治療前は女性として扱うことを譲らなかった方がいたのですが、治療後には完全におっさん枠で扱われています。そういうもんです。

腫れ物に触れるように語りかける方もいらっしゃいますが、社会に出る頃には、私たちは既に一通り偏見に晒されてズタボロになっているので、大抵のLGBTは耐性が強いはず。大丈夫です!また、混同されがちですが、LGBTフェミニスト女性解放論者)とは違うので、「男なら〇〇」などの性差発言に対して別に(私は)なんとも思ってませんし、ボーイズトークで女関連やらセックスやらの話も割と普通に話してます大丈夫です!

いやらしい話ですが、ビジネスチャンスです

消費者としてのLGBTは、商品サービスの購入時に「LGBTフレンドリーであるか?」という企業姿勢を重視する。

【 第1回】ようやく日本で注目され始めたLGBT市場とどう向き合うか https://cakes.mu/posts/1679

ビジネスマンなのでビジネスの話も少し…w 週刊ダイヤモンドのこの特集がとてもよいです(私はKindleストアで買いましたが)。私たちは、LGBTフレンドリーである企業は強く支援する傾向がします。LGBT向けのプロモーション方針を打ち出している企業って少ないんですよね。同じような商品で、どちらかがLGBTフレンドリーなら多少高くても、なるべくそちらを買って支援姿勢を示します。日本でもこの視点を持った企業が増えると良いな〜。と思っています

ということで

散文でしたが、「私MtF(男→女)ですー」「俺の会社にもそういう子いるよー」「そういう事務処理をしたよー」という方がいらっしゃれば是非この機会にご意見感想をば。

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    俺、身体障害者なんだけど、性同一性障害の人って「俺たちを変な目で見るな。普通に扱え」とか言う割に、障害者を見ると、健常者と同じく「うわ」って顔するよね。自分でも出来な...