“サムスンショック”揺れる韓国経済 「告げ口外交」日本たたきのツケ
産経新聞 4月29日(火)11時57分配信
韓国経済が“サムスンショック”に揺れている。国内総生産(GDP)の約2割を占めるサムスン電子が8日、2014年1〜3月期の連結営業利益が2四半期連続で減益になったと発表したためだ。告げ口外交による“日本たたき”だけで国民の支持を得てきた朴槿恵(パク・クネ)政権。サムスンの収益悪化が鮮明となる中、効果的な政策を打てなければ、経済崩壊も現実味を帯びてくる。
■営業利益4・3%減 二四半期連続の衝撃
サムスンが発表した14年1〜3月期の連結決算(暫定集計)によると、本業のもうけを示す営業利益は前年同期比で約4・3%減の約8兆4千億ウォン(約8200億円)。営業利益の減少は2四半期連続だ。
売上高は約0・2%増の約53兆ウォン。部門別の業績は公表されていないが、主力製品のスマートフォン(高機能携帯電話)の減速やウォン高などが影響したとみられる。
サムスンは前四半期(13年10〜12月期)の連結営業利益が2年ぶりの減益となり、数年来、右肩上がりで伸びてきたサムスンの成長に“黄信号”がともっていた。電機業界に詳しい日本の関係者は「2四半期連続の営業減益というのは想像以上の衝撃ですね。もはや稼ぎ頭のスマホでは収益を上げるのが難しいことがはっきりした」と指摘する。
2四半期連続の営業減益とはいえ、赤字に転落したわけでもない。パナソニック、シャープ、ソニーなど日本の家電各社が数年前まで赤字を垂れ流していたことに比べると、サムスンの経営はまだまだ健全といえる。それでも韓国が大騒ぎをするのは、サムスンの業績低迷はそのまま韓国経済の凋落(ちょうらく)につながるからだ。
■十大財閥がGDPの7割占める歪さ
韓国のGDPの約7割は現代自動車など十大財閥企業が占めており、なかでもサムスンはその2割に達する。13年10〜12月期に営業減益になったときは2年ぶりとはいえ、一時的なマイナスとの見方もあったが、今回の減益でサムスンの業績が下振れしていることは間違いない。
1月9日付の朝鮮日報(電子版)によると、『韓国政府はサムスンと現代自動車を除外した経済指標を発表する準備を進めている』という。経済の実態を正確に反映させるのが狙いで、記事中で企画財政部の関係者は「韓国経済はサムスンと現代自に過度に依存し、統計がゆがめられる錯視現象が起きているとの指摘がある。政府としてもそれがどの程度かを確認する必要があると考えた」と述べた、としている。
「錯視現象」とは、実際はサムスン、現代自の業績にもかかわらず、経済全体が好調と錯覚してしまうもので、韓国経済の現状に危機感を抱く関係者は少なくない。
■告げ口外交に終始のツケか…
朴政権は発足当初、情報通信技術と科学技術をベースに新しい製品・サービスを創出する「創造経済」を掲げるとともに、財閥・大企業重視を是正する方針を打ち出したが、その成果は現れていない。「朴政権は発足以来、“告げ口”外交にのみご執心で、財閥偏重か変わらず、そのツケが回ってくる」と別の関係者は厳しく言い放つ。
スマホ分野は、中国企業が「低価格スマホ」を武器にサムスンを激しく追い上げており、同時に薄利多売のマーケットとなりつつある。サムスンは営業利益の6〜7割を稼ぎ出すといわれるスマホの「次」が見えておらず、豊富な資金力を活用しても、現時点で業績が再び急上昇することは考えられない。
『サムスン電子の業績がなければ韓国経済は昨年マイナス成長を記録していたといわれるほど、国の経済全体に占めるサムスン電子の影響力は大きいのだ』
1月8日付の朝鮮日報の社説(電子版)はこう警鐘を鳴らす。サムスンがつまずけば、韓国がつまずく−という構図が現実となる日は近い。
最終更新:4月29日(火)11時57分
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