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2012年8月12日 (日)

TAD-D600で聴く水樹奈々

こんばんは、hayateです。

タイトルの件、ピュアAU界隈では一般的に音質が良くないとされている
水樹奈々さんのCDです。

まだ私のシステムも発展途中なので断定ではないのですが、
この評判に誤解があると思います。

というのは、録音が悪いわけではなく、再生環境に足りない要素があるから
このような認識が生じているのではなかろうかと思いました。

これはTAD-D600をシステムに入れてからそう感じ始めました。

TAD-D600を入れる前にも水樹奈々さんの歌はよく聴いてました。
ただし、音質的には諦めていました。
しかし、今はそのようなことはなく、音質的にも問題無く、むしろ
素晴しいものが多くあるという認識です。

水樹奈々さんの曲は音数やエフェクトが多いです。そして、発音点は、
残念ながら、歌声と各種楽器・エフェクトが同じ高さにあることが多いです。
このため、音が何だかゴチャゴチャして、音場が狭く、音と音がぶつかって
歪みを生じて、これはダメだという結論に至る気がします。(私はそうでした)

これを解決する一つの解は「響き」でした。

TAD-D600を入れてから響きが圧倒的に変化しました。
ほぼ同一の位置からの発音点でも、歌声、楽器、エフェクト等、
音の種類によって響きの行き先(方向)は異なります。
発せられた音は個々に独立して響き始め、空間に綺麗に展開されます。

例えば「Justice to Believe」。
声はスピーカー間の中心から縦に響く一方、シンセがは左右上部に展開し、
爆発音のようなエフェクトは中心から左右上に羽ばたいて、そこから地面へ
振り落ちてきて、中央に戻る、と刻一刻と変化して空間上で踊り始めます。

このように音を提示されると、混沌とした感覚は無くなり、
なんて音数の多い綺麗な曲だろうと逆に感嘆します。

ドラムも固有の響きを保持し(他の音と混じることなく)、
それゆえ曲の基礎が強固になり、水樹奈々さんの歌を支え始めます。

「響き」きっていなかった、これが水樹奈々さんのCDが上手く鳴らなかった理由
なのかなと思います。

ただ、ダイナミックレンジが狭いという欠点は確かにあります。
しかし欠点はその点だけです。狭いレンジの中でも、多種多様な音が絶えず
固有の振動を続け、彼女の曲は空間演出の特出した美点が勝るという印象を
持っています。

現在この記事を書きながら、「Trickster」を聞いてますが、ドラムとベースの
セッションが綺麗で、そしてキレよく空間を飛び跳ねます。
そして、その中心からこぶしの効いた水樹奈々さんの声がほかのどの音とも
混じることなく歌いあげます。

思わず音量を上げたくなる曲です。

※発売当初これを聞いた際は、なんて酷い録音なんだと思いましたが・・・

まだ発展途上のシステムなので、水樹奈々さんの曲がどのように
美しく聞こえるのか、楽しみの一つになっています。

※9/13追記:この記事を書いた際には、darTZeel NHB-108も
 含まれています。darTZeel NHB-108の影響も相当に大きいと考えます。

hayate

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コメント

更新お疲れ様です。

投稿: 元新潟の人 | 2012年8月12日 (日) 13時36分

水樹奈々の曲は、THE MUSEUMの一番最後の曲のTRANSMIGRATION 2007ばかり聞いてます
これ以外の曲は聞いてると疲れてくる

投稿: | 2012年8月12日 (日) 17時11分

はじめまして1982と申します。

自分はオーディオとアニメは好きだが最近のアニソンはあまり聞いてないって口ですが、
自分の安システム(MSP7&SW10&AX863)で聞く限り、言われているほど水樹奈々さんのCDの音が悪いとは思えません。
確かに万人向けに音数多く、Dレンジが狭いですが、かなり上手く編集されていると思います。
これらの認識が正しいとして原因として思うのはhayateさんと同じく響きで、
スピーカーの位相や応答性や歪み、アンプやプレーヤーの相性や味付けが悪さをしているんではないかと考えます。

アニソンには制動の緩いスピーカーに低制動の真空管系が粗が目立たず良いとは聞きますが、
それだとDレンジは兎も角、音数が多いときは音がいなせず、結果的に粗だけが目立つような気が・・・

長文、失礼いたしました。

投稿: 1982 | 2012年8月16日 (木) 03時04分

こんばんは、hayate様。

さて、アニソンですか。
永遠の課題です。
ゆえに取り組みがいのある課題であると考えています。

専ら現在は、音数を追い求めるのではなく、そのアニソン歌手らしい、声優らしい、キャラクターらしいといったような鳴らし方を私はとっています。

しかし、例のレーベルは今も昔も変わりなく音が悪いのは確かなようで、オーディオ駆け出しの頃、お店で林原めぐみさんのディスクを演奏したときにはショックでしばらくオーディオから遠のいたくらいでした。

それでも得られたことはありまして、録音に善し悪しがあること、私がどんな音楽を好んでいるかを理解してくれる店(どちらかといえば店員)といったことに気付かせてくれたことです。
そしてこんなことがあっても、なおオーディオが好きであること、アニソンが好きであること!!

好きなシステムで好きな音楽を聴くこと。
何よりも楽しい時間です。

現在私は同人音楽ですが、『ひぐらしのなく頃に10周年記念』を静かに聴きながらこの文章を書いています。
目を閉じれば、コミックマーケットで並んだこと、人に押されてもみくちゃになったこと、完売してしまったこと。
あれ?おかしいな?苦しい思い出しかないぞ??
でもアニソンの素晴らしいところは、容易にシーンが思い出されるんですよね~

hayateさんの文章を読んでいて、私も今一度鳴らし方を考えてみようかなと感じました。

まあ、たまにストレス溜まって音量任せに行ってしまうこともありますが、これはご愛敬と言うことで(^^ゞ

それでは。

投稿: 蟹 | 2012年8月16日 (木) 23時08分

>>新潟さん

いつもご覧頂きありがとうございますorz

>>名無し様

初めまして、コメントありがとうございました。

好みの楽曲や音質もありますから、いつも聴く聴かないの
曲は別れるかもしれませんね。特に水樹奈々さんの曲は
聴くのにエネルギーを使うので、疲労しているときには
私も避けることがありますorz

今後とも拙ブログを宜しくお願いします


>>1982 様

はじめまして、コメントありがとうございました。

水樹奈々さんの曲に関して同じ感想をお持ちの方にお会い出来て
嬉しいです。私もコメントと通り、うまく曲を編集していると思います。

ただ、コンプをかけて、かつ音数が多いので、それらをうまく空間上に
展開する為には、あまり味付けのないシステムが必要なのかなと感じています。

一時期、Linnのプレイヤー+アンプでの水樹奈々さんの曲を聴いたときには
音が薄くなり、それによって個々の音の混じりけが少なくなり、
全体を俯瞰できるようになりました。迫力にはかけてしまいまいしたが、
そのような鳴らし方もありかなと感じました。

真空管系はあまり経験がないのですが、アニソンではバラード系が
しっくりくるイメージがあります。田村ゆかりさんの曲を
ソナスのミニマとトライオードの真空管で試聴したときには、ガルネリには
無い魅力を感じました。

良く聞くソースによって、システムを構築していくのも一興ですね。

今後とも拙ブログを宜しくお願い致します。

>>蟹 様

いつもご覧頂きありがとうございます。
※連投での返信すみません。

>そのアニソン歌手らしい、声優らしい、キャラクターらしいと
>いったような鳴らし方を私はとっています。

ご自身の目的に合せてシステムを構成されているのは実に割り切りの
良い姿勢だと思います。

私の最近のメインシステムのソースはもっぱらクラシックの交響曲や
管弦楽でして、できるかぎり音数を拾い、そして各楽器の音を忠実に
再現することに望んでいます。

その目的でシステムを組んでいるなか、水樹奈々さんの曲を聴いたら、
意外と悪くないと感じ今回の記事となりました。

アニソンは色あせないですね・・・その時アニメを見ていた環境や、
思い出が蘇ってきます。ふと、そんな思い出に浸りたいときに、
アニソンを無性に聴きたくなります。(そういう時はiPodのイヤホンなどでも
十分満足できます。こんなとき、音質より、曲そのものが好きなんだなぁと
思う瞬間です。)

今後ともよろしくお願いします。

hayate

投稿: はやて | 2012年8月18日 (土) 19時19分

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