三陸鉄道:全路線で復旧 北リアス線も不通区間解消

毎日新聞 2014年04月06日 08時08分(最終更新 04月06日 11時53分)

久慈発宮古行きの始発列車の車内から、再開されたばかり島越駅付近の様子を車窓から撮る乗客ら=2014年4月6日午前6時すぎ、米田堅持撮影
久慈発宮古行きの始発列車の車内から、再開されたばかり島越駅付近の様子を車窓から撮る乗客ら=2014年4月6日午前6時すぎ、米田堅持撮影

 岩手県沿岸の第三セクター・三陸鉄道は6日、東日本大震災による津波の影響で最後まで不通だった北リアス線の田野畑(田野畑村)−小本(岩泉町)間の10.5キロが再開し、3年ぶりに全線107.6キロが復旧した。

 午前6時すぎ、田野畑駅を出発した久慈発宮古行きの始発列車は島越駅に到着、大漁旗と「おかえり三鉄。ここから未来へ」と書かれた横断幕に出迎えられた。ホームで旗を手渡された同鉄道の金野淳一運行本部長は「素直にうれしいです」と笑顔を見せた。津波で駅舎ごと流され高架が横倒しになって途切れたレールは、築堤の上に敷かれ、駅は数百メートル田野畑寄りに移設しての再開となった。

 田野畑駅から夫婦で乗った神奈川県茅ケ崎市の自営業、伊坂孝史さん(62)は「開業当初に乗った時はすごい熱気だった。昨年の南リアス線再開時にも乗ったが、被災後3年で復旧させたのは地元の熱意と三鉄社員の強い意志があったからですばらしいことだ」と話した。

 同7時すぎには宮古発久慈行きの始発列車も島越に到着し、三鉄に3年ぶりの日常が戻った。【米田堅持】

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