6/15 渋谷望(千葉大学文学部助教授/社会学)
「感情と権力」
□渋谷望「負債を通じた統治」(2004)『インターコミュニケーション』夏号(50号)、NTT出版
http://www.ntticc.or.jp/Publication/Icm/2004_j.html
□渋谷望「<自立>への封じ込め」(2004)『インターコミュニケーション』秋号(51号)、NTT出版
http://www.ntticc.or.jp/Publication/Icm/2005_j.html
「情の技法」で考えていたことを整理したもの。前者は負債論、後者は「第三の道」=「心のノート」論。かならずしも講義に忠実な流れにはなっていない。
□渋谷望(2005)「万国のミドルクラス諸君、団結せよ!?——アブジェクションと階級無意識」『現代思想』1月号
講義で言及したミドルクラス論をさらに展開。
□芝伸太郎(2001)『うつを生きる』ちくま新書
日本人の「マジメさ」=「うつ気質」を論じた精神科医による論考。<贈与>の受け手の負債感がマジメな者にとっては重荷になり、うつを誘発するという。
□マイケル・ハート(1995)『ドゥルーズの哲学』法政大学出版局
□江戸アケミ(1992)『それから——江戸アケミ詩集』思潮社
「暗さ」に「明るさ」を対置するのではなく、「暗さ」にもさまざまな質があることを僕に教えてくれたのがフィリップ・ディック。つまり「マジメな暗さ」ではなく「陽気な暗さ」があるのではないか。このラインで考えるヒントとして二つあげた。後者は「じゃがたら」というバンドのリーダーの遺作。CDでも聴いてほしい。
情の技法II 2004 Keio University