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ピーチ機長「降下指示されたと勘違い」
4月29日 22時32分

ピーチ機長「降下指示されたと勘違い」
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28日、那覇空港に着陸しようとしていた格安航空会社、ピーチ・アビエーションの旅客機で、高度が下がりすぎたことを知らせる警報装置が作動し、旅客機は着陸をやり直しました。
機長は「管制官に降下を指示されたと勘違いした」と話しているということで、国の運輸安全委員会は、事故につながりかねない「重大インシデント」として調査を進めています。

28日昼前、沖縄県の新石垣空港から那覇空港に向かっていたピーチ・アビエーションのエアバスA320型機が、那覇空港の手前およそ7キロの海上に差しかかったところ、高度が異常に下がって地上に近づいたことを知らせる警報装置が作動しました。
旅客機はすぐに高度を上げて着陸をやり直し、20分余りあとの正午すぎに那覇空港に着陸し、乗客と乗員合わせて59人にけがはありませんでした。
国土交通省などによりますと、旅客機は着陸に向けて通常の手順よりも早く高度を下げ始め、警報装置が作動した際には高度がおよそ100メートルとなり、一時はおよそ75メートルまで下がっていたということです。
国土交通省によりますと、旅客機のアルゼンチン人の機長は「管制官から降下するように指示されたと勘違いした」と話しているということです。
国の運輸安全委員会は事故につながりかねないトラブル、「重大インシデント」だったとして、関西空港にあるピーチ・アビエーションの本社に調査官3人を派遣して調査を進めています。
ピーチ・アビエーションは当面、機長を乗務から外すことにしたということで、「お客様や関係者に多大なご迷惑をかけて申し訳ない」と話しています。

旅客機の降下の経緯は

那覇空港には南北に延びる1本の滑走路があって、南側から着陸する場合、航空機はILSと呼ばれる装置が発射する電波の誘導を受けて一定の角度で高度を下げながら滑走路に近づくことができます。
しかし、滑走路の北側にはこの装置がなく、今回の旅客機のパイロットは管制官と無線でやり取りしながら着陸しようとしていました。
国土交通省などによりますと、旅客機は滑走路のおよそ27キロ手前の海上で高度を300メートルまで下げていました。
通常であればそのまま高度を保ち、滑走路のおよそ5キロ手前まで近づいたところで管制官の指示を受けながらさらに高度を下げ、車輪を降ろすなどして最終の着陸態勢に入ります。
しかし、この旅客機は滑走路の10キロ手前から高度を下げ始め、およそ7キロ手前の地点で高度がおよそ100メートルとなり、操縦室では地上に近づいたことを知らせる警報装置の警報音が鳴りました。
そして、パイロットが機首を上げる回避操作をする間に、高度は一時およそ75メートルまで下がり、その後、高度を上げて着陸をやり直していました。

専門家「あってはならないこと」

今回のトラブルについて全日空の元機長で航空評論家の前根明さんは、「すぐに高度を上げる回避操作が行われ、海上だったために障害物もなかったが、警報装置が作動するような状況はあってはならないことだ」と話しています。
そのうえで前根さんは、「管制官の指示を勘違いしたということだが、指示された内容はパイロットが復唱することになっており、復唱した内容に間違いがあれば管制官が気付いて、このようなことは起きない。きちんと手順が守られていなかったとすれば問題だ」と指摘しています。

航空事故調査官「機体には問題なし」

調査に当たっている運輸安全委員会の日野和男航空事故調査官は、29日夜、記者団の取材に応じ「4時間弱にわたって機長と副操縦士から当時の状況について話を聞いた。内容は申し上げられないが、非常に紳士的な態度で調査に協力しすべて話してくれたと思っている。機体そのものも調査したが問題ないだろうと考えている」と述べました。
日野調査官によりますと、30日は客室乗務員らから話を聞いたあと、那覇空港に移動して管制官から話を聞く予定だということです。

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