【国会議員歳費】 削減、打ち切り濃厚 国民負担増尻目に 身を切る改革、掛け声倒れ
18日の衆院議院運営委員会理事会。逢沢一郎委員長が歳費問題を念頭に議論を促したが、沈黙が続いた。削減延長を求めていたはずの公明党や野党の一部も特に発言はせず、散会した。
自民党の石破茂幹事長は15日、「借金して事務所の運営費に回している議員も多い。生活が困窮する状況はいかがか」と記者団に述べた。2回の期末手当を含めて現在、議員歳費の年額水準は約1685万円。削減が終了すれば約2106万円に戻る。党内では「民間に給与を上げるよう要請しているので総合的に考えるべきだ」(細田博之幹事長代行)と、賃上げの「率先垂範論」まで飛び出す。
公明党は「議員定数削減が実現していない」(井上義久幹事長)として、削減幅を約7%に圧縮しての延長を要求。自民党は「パフォーマンス」(幹部)と冷ややかだ。
政権与党当時に歳費削減を実現した民主党は、態度を明確にしない。松原仁国対委員長は「議員個々の問題なので丁寧な議論が必要だ」と述べるにとどめる。閣僚経験者は「誰もが歳費を上げてほしいと思っている」と本音を漏らす。
2012年の衆院選公約で30%削減を掲げた日本維新の会も腰が定まらない。小沢鋭仁国対委員長は現行の半分の10%カットを提唱したが、橋下徹共同代表の鶴の一声で、30%削減を要求する方針を決めた。
結いの党は、30%削減の議員立法の共同提出を日本維新に働き掛ける考えだ。消費税増税に反対する共産党は歳費に関し「検討中」(志位和夫委員長)と説明する一方、「最大の無駄遣い」(同氏)と位置付ける政党交付金の全廃を訴える。
期限が迫っているため各党は声を上げるものの、自民党幹部は「歳費の議論はもう終わった」と語り、逃げ切り作戦の「成功」を宣言した。
(共同通信)
2014/04/21 10:36
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