オイコノミア「経済学の“実験”します」(後編) 2014.04.29

(又吉)数学は苦手なんですが…。
(大竹)あっ…。
何が得意やと言われたら無いんですが…。
(笑い)やっぱお笑いじゃないですか。
いやお笑いもあんま得意じゃないんですよ。
(笑い)やっぱりこれからは経済学ですよ。
経済学ですか?勉強していきたいと思います。
「経済学芸人」ですから。
わかりました。
先生しか言ってないんですけどそんなことは。

(テーマ音楽)今回もテーマは実験経済学!20人の皆さんに参加してもらいました。
人が何かを選ぶときの心の癖見てみましょう。
冒頭の問題ルールはわかりましたか?例えば4人がこのような数字を選んだ場合全員の数の合計割る4は40。
40に0.7を掛けた28に最も近い29を選んだ人が優勝です。
実際にやってみましょう!はい。
では書かれた数字を上に上げてみてください。
どうですかね。
(犬飼)どうですかね。
(犬飼)30ぐらいですかね。
35の人が何人かいますね。
こっちの人に聞いてみましょうか。
35。
どうして35なんですか?50に0.7掛けて。
50っていうのはどこから出したんですか?何となく平均このくらいだろうなあと思って。
みんなが0〜100の数字をランダムに書いたとしたら平均が50になると。
だから0.7を掛ければ35で当たりがもらえるということですね。
なるほど。
又吉さん。
はい。
20じゃないですか。
はい。
どうしてなんですか?大体みんなが35ぐらいを書いてくるんじゃないかと考えて0.7苦手なんで何となくしか掛けなかったんですけどで掛けたとして更にそこから深読みしていく人もいたらもっと低い数字を書く人もいるけど35ぐらいで大体みんな止めるんじゃないかと考えたら20が妥当なんじゃないかと。
なるほど。
なるほど。
もっと一番小さな数字書いた方は?13。
それは今の又吉さんのロジックを…。
深読みする人はもっと低くなる。
ということですか?このゲームはどこまで深読みする人がいるかという事を深読みするというのがポイントなんですよ。
なるほど。
(犬飼)皆さんの平均値が34でした。
それに0.7を掛けるので値が24になってピッタリの人がいます。
Uさんですね。
おめでとうございます。
(拍手)じゃあ商品です。
これは本当に豪華商品なんですよ。
レアものです。
「オイコノミア」でおなじみの又吉像。
3Dプリンターでちっちゃいの作りました。
私も欲しい!3万円の商品券の方がよかったんじゃないすか?いいえもう私は又吉さん大好きなので。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
やっぱり24はどういう理屈で?又吉さんがおっしゃったように大体35ぐらいのところを書く人が多いだろうからそれの0.7倍で私が24年生まれなので。
なるほど。
そういう決め手があったんですね。
はい。
なるほど。
この数あてゲーム何でやったかっていうと別名はね「美人投票ゲーム」って言われてるんですよ。
19世紀イギリスなどで行われていた美人投票ゲーム。
「誰が一番美人か?」を投票して1位になった人を選んだ人が勝ちというものです。
経済学者のケインズは……と言いました。
つまりどちらも他の多くの人が選びそうなところを深読みすることがポイントなのです。
だから株を買おうとするときに自分が「この株は絶対将来値上がりする」と思うその株に投資するんじゃもうからないわけですよ。
はい。
みんながこれから株が値上がりするだろうという会社の株に投資しないともうからない。
なるほど。
だから実際の価値から外れてしまうこともたくさんあるわけですね。
う〜ん。
読みのしかたによるわけですからね。
はいはいはい。
大竹先生。
皆さんどちらに行かれたんですか?いやああのねこれから皆さんに経済実験に参加してもらうじゃないですか。
その時にあんまり実験の裏話をしちゃうと実験参加者の行動変わっちゃうかもしれないじゃないですか。
なるほど。
こういうことをやるとよくないですよとかって思われちゃうと…。
はいはい。
ねぇ。
本当の心が出してもらえない。
素直にこの実験を受けてもらうために。
そう。
わかりました。
それでちょっと実験参加者の方のいない所でこれから話をしたいんです。
まあこうやってね経済実験も何のためにやるかっていうと実験そのものが目的じゃないですよね。
そうですね。
目的はやっぱり実験してみてその成果を社会に役立てる。
その仕組みを作る前に実験して確かめるというのが大きな目的ですよね。
公共財って言われるものを作るときにやっぱり利他心があったらみんなこう喜んで公共財に投資してみんなのためによくなるっていうことをするはずなんですけど実験してみるとやっぱりあんまり利他心ないという事が…。
そうなんですね。
わかったりとかしてるんですよ。
次はフリーライドが発生しやすいような状況を作ったときにどうやったらそういうようなフリーライドを防ぐかっていうことをするための実験をしてみたいと思います。
わかりました。
続いての実験。
参加者の心の中の駆け引きが手に取るように見えてきます。
まず一人に1,000円ずつ渡します。
その中から投資金を募ります。
集めたお金を倍にして再び全員に均等に分配するルール。
例えば全員が1,000円を投資すれば8,000円が4人に分配され一人2,000円を手に入れることができます。
(犬飼)「大竹百円札」というのがありますのでこれを使って皆さんにデモンストレーションをしてもらおうと思います。
はい。
生きてる間にお札になってしまうのは感慨深いですけど私は。
ねえ。
ちょっとこれ本当は又吉さんじゃないんですか?お札にするにはやっぱり髪の毛が多くて偽造しにくいほうが本当はよさそうな気もするんですけどね。
よく言いますけどね。
そういうふうにね。
全員後ろを向いてください。
はい。
では又吉さんから入れてもらいましょうか。
又吉さんこちらを向いてください。
はい。
では寄付する額を決めて入れてください。
なるほど。
それぞれの参加者が1,000円の中から投資した金額はこちら。
随分差がありますね。
寄付した総額はですね。
(犬飼大竹)2,000円ですね。
あれっていう感じですね。
そうですね。
これの…。
ということは2倍です。
4,000円がまずグループの財になってこれをみんなで山分けするので1,000円ずつ皆さんはもらえることになります。
それぞれ投資した金額がこちら。
投資の残りと配当金を合わせ手に入れた金額はこちら。
つまり投資金額が一番少なかったにもかかわらず手に入れた金額はMさんが最も多いのです。
僕はもうちょっとみんな1,000円とか寄付するんじゃないかと。
ただ乗りしたかったんですね?まあそういうことですね。
わかりました。
いくらになりました?1,500円です。
1,500円ですか。
又吉さんと同じ考えですか?そうです。
やっぱり。
そうですか。
あれ!?たくさんあるじゃないですか!すいません。
いくらあるんですか?これは。
1,800円になります。
1,800円ですか。
すごくもうかりましたね。
フリーライドしましたよね。
はい。
あっ!1,200円。
ほら!こういう方もいらっしゃるんですよ。
すみません。
(笑い)もっと寄付してくれるとみんな思ったんですよね。
そうですね。
その方がみんながウィンウィンになるかなと。
そうですよね。
そういう人がいると思って。
そうなんですよ。
そういうみんなを出し抜く悪い人がいると思って僕は500円しか出さなかったんですよ。
(笑い)理屈になってます?なってないですね。
でもこのゲームで大事なところはお金をたくさんもうけてもらうことなんです。
ですから今回の勝利者はMさんですね。
Mさん。
みんなが善人になって自分だけ悪人になったら一番稼げる。
難しいゲームですね。
そう。
それではこれから実験の方始めてもらいましょう。
それでは実験スタート!頑張ってください。
今度はコンピューターを使って全員参加。
ルールは同じ。
4人一組になり一回ごとに1,000円渡されそのうちいくら投資するかを決めます。
このゲームを6回繰り返します。
1回から6回まで一人の平均投資額の推移がこちら。
当初500円だった投資額は100円にまで下がっています。
フリーライドの実態が見えてきました。
このあと1つだけ今の皆さんのやっていただいた実験にルールが加わります。
そのルールというのが罰の制度を与えることですね。
罰のルールを加えた実験では他のメンバーがいくら投資したのかわかります。
例えば600円を投資したこちらの参加者。
投資額ゼロのメンバーBさんを罰することにして100円を支払いました。
このように罰のルールを取り入れると平均投資額はグラフの青い線のように上がりました。
フリーライドを防ぐために罰が効果的なことがわかります。
まあこれが「公共財実験」と言われてるものなんですね。
だからほっといたらフリーライドしてみんながアンハッピーになるところを少しルールを変えてやると協力を引き出すことができる。
なるほど。
そういうルールの作り方をいろいろこうやって実験で考えるんですね。
だから罰則の与え方も少しずつ変えていくと比較的簡単な罰則の方法でみんなが協力してくれる方法は何かというのを考え出すことができるわけです。
はい。
犬飼先生又吉さんは6回目までどんな投資のしかたしてたんですかね?それ発表してしまうんですか?はい。
何か恥ずかしいじゃないですか。
駄目ですか?僕の駆け引きとかせこい部分が出るってことですよね?それ。
発表されたら。
それ覚悟してやってるんじゃないんですか?ある程度は覚悟してましたけど…。
ピンポン!今回は特別ね!そうですね。
又吉さんは一回目は500円をグループに投資してたんです。
結構投資してますね。
そうですよね。
だけどその次の回には200円になってしまいました。
次は100円です。
(笑い)それからはちょっと上がって300円になりました。
これどういう考え方?寄付金の合計がデカかったんですよ。
「みんなありがとう」っていう。
お礼をしたわけですか。
「ありがとうございます」っていう自分だけせこいなと思って一回上げました。
はぁはぁはぁ。
それで?
(犬飼)その次は200円ですね。
なるほど。
とは言うもののってことですよね。
300円200円ぐらいでだんだん落ち着いたんですか。
(犬飼)最後は100円です。
やっぱり100円までいきましたか。
最後はやっぱり100円です。
やっぱり最後だからもうこれで自分の利益を最大にしようと。
そうですね。
あんまりもうからなかった?あんまりもうかってないです。
結局みんながそういう行動を取ったと。
最後。
後半は多分みんなそうだんだん減って特に最後なんてほとんどみんな寄付してなかったです。
ビックリしましたもん。
自分だけじゃない…。
僕だけじゃなかったです。
それを強調したかった。
やっぱり。
まあ大体どんな過去に行われた実験でもこんなふうになりませんか?そうですね。
大体初めは比較的皆さん投資するところから始まるんですが回を追うごとにどんどんとグループへの投資額は減ってくるっていうのはよく見られる傾向ですね。
なるほど。
なるほどね。
じゃあその後半罰を与える機会ができましたよね。
そのあとの又吉さんの行動はどうなってるんですか?
(犬飼)発表しますか?もう覚悟してます。
はい。
一回目ですね。
700円。
おお!
(笑い)ものすごいリアルなところいきますよね。
なるほど。
ずっと700円だったんですか?3回までは700円でした。
なるほど。
そのあとに800円に上がって…。
3回700円で罰を与えられたんですね。
「あっあかんのや」って思って800円に。
なるほど。
それから?最後は900円ぐらいに落ち着きました。
もう一度罰を与えられたんですか?800円にしてもまた罰を与えられたんで「800円でもあかんねや」で最後は900円ぐらいで。
又吉さんは誰かに罰を与えたんですか?僕は罰を与えてないです。
でも与えた人は相手が又吉さんだと知らないんですよね。
そうですよね。
やっぱりこういう罰の機会があるとみんな協力するようになってるんですね。
これも今までの実験でもそうなってるんですか?大体このような研究は罰の機会があるとそれによって公共財の投資額が罰が無いときに比べて増えるという傾向が一般的に見られる傾向だと思いますね。
ねえ構造が少し変わっただけでしょ?はい。
基本一緒なんですけれども罰を与えるっていう機会があると。
そうするとね次の行動が変わるわけですよ。
罰を与える人もね罰を与えるのはタダでできるわけじゃなくて自分もコストを払うわけじゃないですか。
それでもみんな全体がよくなるということの方を選んでコストを払ってでも罰を与える。
うん。
それで結果的には罰を与えられた人の行動が変わって又吉さんも900円まで投資したわけですよね。
罰が無い世界だったら100円だった人がすごく変わりますよね。
そう言われると恥ずかしいですね。
そうですよねでも。
ねえ。
だから同じ人間ですよ。
同じ人間で利他心も何も変わってないわけですよ。
だけどそういう…ルールが少し変わるだけで結果的にはみんながハッピーになった。
そうですね。
不思議ですよね。
不思議ですね。
だけど多分私たちそういうふうにコストを払ってでもルールを守らない人とか自分勝手な人というのを罰するような心を持ってるんでしょうね。
だからそれがあるからこそ多分危機的な状況になったときにみんなが協力しなきゃいけないときに協力しない人がいたらそれを罰してみんなで協力するような形になってきた。
それで人間が生き長らえてきたという事あるんでしょうね。
はい。
ねぇ。
そういうのをリアルにこういう実験で体験できるっていうのは。
そうですね。
勉強になりますね。
ねえ。
何か生かせませんかね。
これでも何て言うんですかねちょっとただ乗りの方法を学んでしまったみたいなところありますけどね。
(笑い)こんなやり方あんねやみたいな。
そうですか。
いきなりかますっていうね。
(笑い)そしたら周りはまだ構えてないから「えっ!?」ってなって二回目からみんなもやりだしたら結局それが自分にうん。
返ってきますもんね。
みんながみんなちゃんと出していけばみんなにそれなりの配当があるという世界での話ですもんね。
実験室の中ですと見ず知らずの人同士でそういうようなやり取りをする事があるとは思うんですが現実の社会の中で今実験室で行われたような研究で出てきたような結論が本当に見ず知らずの人に罰しているようなことがあるのかどうかはすごく議論が分かれるところではなるほど。
あるとは思いますがね。
経済実験では本気で取り組んでもらうため獲得したお金を謝礼として渡します。
今回は優勝者に賞品を用意!今回の実験は又吉さんも入ってましたけれどもEさんです!Eさん。
あっEさん!
(笑い)勉強しました。
おめでとうございます。
前回オークション実験で1,500円入った瓶を5,555円で競り落とし「勝者の呪い」に陥ったEさんが優勝です!まだ呪われてるのかどうなのかよくわからない。
そうですね。
でもすごいですね。
フリーライドした成果かなと。
なるほど。
(笑い)やっぱり5円玉で損したから周りに裏切られたような感覚があってこれでちょっとね恨みを晴らしたんでしょうね。
わかんないですよでも。
うまくみんなを協力させるようにコントロールしたかもしれないですよね。
うまく引き出したのかもしれないですね。
ねえそのノウハウ聞いてみたいですね。
そうですね。
すごい経済学の本が出たらしいんです。
経済学の本が!はい。
この中にね何か又吉さんのポエムもあるらしいです。
ええ!?僕も出てるんですか?はい。
あんまり宣伝できないんですけど。
なるほど。
おめでとうございます。
ありがとうございます。
(拍手)おめでとうございます。
(拍手)今回経済実験というのを実際に体験してみていかがでしたか?いやあ面白いですね!人間のそういう心理とかそういうものも経済に影響がかなりあるということですよね。
そうですね。
犬飼先生今後はどのような実験をされていくんですか?
(犬飼)そうですね。
実験室の中だけでは賄いきれないようなちょっと大きな規模の実験。
例えば実験室っていったら30人とか40人ぐらいしか入りませんよね。
それより更にもうちょっと大きなスケールになった場合どんなことが起こるかだったりとか本当に現実っていうわけではないんですがもうちょっと今まで…今技術がどんどんどんどん進歩していますのでそういった新しい技術を使って今までできなかったようなちょっとひねった実験をどんどんやっていけたらなぁと思っています。
楽しみですね。
はい。
ありがとうございます。
まあこれからこういう経済実験ますます発展していって実社会に応用されていくっていうのはあると思うんですね。
やっぱりそういう実験をしないと世の中で実際やってみたときに大失敗するかもしれないっていうのがあるんでかなり経済学でも重要な道具立てに道具に入ってきたと思いますね。
なるほど。
勉強にもなりましたしすごく面白かったです。
自分に商売の才能がないんだなというのがわかってちょっと恥ずかしい悲しいような結果でした。
あまりいい結果じゃなかったんですね。
すごく勉強になりましたしもし自分が実際投資をするときにも生かせるなと思いましたね。
是非生かしてください。
はい。
ありがとうございました。
髪の毛!2014/04/29(火) 00:00〜00:25
NHKEテレ1大阪
オイコノミア「経済学の“実験”します」(後編)[字][再]

株を買う時、自分が株価が上がると思う銘柄より、他人が上がると思うものを先読みして選ぶことが肝要だという説がある。あなたならどうする?経済学の実験で考える!

詳細情報
番組内容
あなたは「ただ乗り」をしたことがあるだろうか。例えば何人かがお金を出し合い、その投資金を増やして平等に分配するゲーム、この場合、誰がいくら投資したか分からない仕組みだと、お金を出さずとも分配金を得られることがある。まさに「ただ乗り」である。ところがただ乗りをしたものにあるルールを加えるだけで今度は防げる。罰の制度だ。このような実験を通して、経済学ではどういう制度が世の中に有効かを考えていく。
出演者
【出演】又吉直樹,【解説】大阪大学教授…大竹文雄,大阪大学社会経済研究所助教…犬飼佳吾,【語り】朴ろ美

ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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