極悪がんぼ #03 2014.04.28

(薫)
横取り抜け駆け何でもありの事件屋の世界に飛び込んだ私神崎薫
金子の手伝いで夜逃げの片棒を担がされたり
(冬月)金は目の前にあるじゃないか。
それでも金子のヤマを横取りすることには成功したんだけど
(金子)じゃがのうそれも今日かぎりじゃ。
(金子)あの姉ちゃんに入れ知恵したのはお前じゃろ?
(冬月)入れ知恵?
(金子)とぼけんでええわ。
ブツの横流しなんてあの女に思い付くはずがないわ。
(冬月)らしくないなぁ。
人のせいにするなんて。
俺がやったっていう証拠でもあるんですか?
(金子)われには悪いんじゃがのう。
あの目障りな姉ちゃんには事務所から出てってもらおうと思うとるんじゃ。
(冬月)別に勝手にすればいいじゃないですか。
(冬月)でも所長が承知しますかね?
(金子)それがあの女の意思なら所長も文句は言えんじゃろう?
(薫)えーっと。
返済に200万回したでしょ。
だから。
ハァー。
まだ1,800万。
ああー。
(薫)駄目だこりゃ。
(夏目)冬月みたいな外道に借金したら利息の支払いだけで身動き取れんようになるに決まっとろうが。
(抜道)あんたはアマゾン川に落ちたんや。
どんだけもがいてももう逃げられへんねや。
ハァー。
(地揚)ほいほいほいほいほい。
うん?
(地揚)あれ?金子はおるか?正直困り果てとんじゃ。
居座りか。
(地揚)土地開発でこのエリアの解体工事に取り掛かっとるんじゃがのう。
団地の住人が一人だけどうしても立ち退かんのじゃ。
このままじゃ開発自体がおじゃんになってしまう。
飛騨林五郎?いったい何者じゃ?これ。
(地揚)ああ。
何か食えんやつでのう。
(飛騨)《ですから何度来られても無理なんです。
妻も私もここには住み慣れてますし》
(地揚)《けど周りを見てみぃや》《もうごねとるのはあんたとこだけなんやで》《いや。
そう言われても》
(夏目)そんなもんショベルカーで突っ込みゃ一発じゃろ。
(抜道)いつの時代の話をしとんじゃ?ぼけ。
(地揚)昔の荒業使えるんならとっくに使うとるわ。
もう今はちいと脅しただけでもうポリがうるせえけえのう。
(夏目)のう?金子。
(夏目)わしにもいっちょかませてくれぇや。
面白そうじゃ。
(抜道)俺はええわ。
何や単価低そうやしな。
あのう。
私もやらせて…。
がきは黙っとれ。
がきって。
(夏目)ほんでも地揚社長。
何でこいつはそこまで粘っとんのじゃ?んなもん理由は1個しかないじゃろう。
(社員)《飛騨君。
こないだお願いした受注詳細の件なんじゃけど》
(飛騨)《作成完了しております》
(地揚)飛騨は底抜建設でトップの営業成績を収めとって30そこそこで課長に昇進したやり手のエリートなんじゃ。
それに飛騨の嫁もただの嫁じゃないで。
地味な年増じゃがこれが県会議員の娘でのう。
飛騨が出世してこれたんはその議員の力もあるっちゅうもっぱらの噂じゃ。
そがいなエリートが古くさい住宅に居座り続けとるっちゅうんは立ち退き料をつり上げるのが目的なんはもう見え見えじゃ。
なるほどのう。
(抜道)そんな男は仕事でこけさせるんが一番や。
(夏目)ほうじゃ。
やつの仕切っとる取引をめちゃくちゃにしたってどっかに左遷させたらええんじゃ。
(地揚)おお。
そりゃええわ。
ああ。
やっちゃれやっちゃれ。
のう?神崎。
お前さっきやりたい言うとったのう?やらせてもらえるんですか?おう。
ちゃんとこっちの指示どおりに動くんなら手間賃じゃのうてきっちり取り分を渡してやってもええで。
ホントですか?無理でしょ?こいつじゃ。
底抜建設ぐらいの企業になれば優秀な弁護士をたくさん抱えてますよ。
いや。
できますよ私だって。
簡単な話じゃ。
成り上がりのエリートが地味で年増の女房一人に満足できとるはずがないけんのう。
浮気現場の写真でも流出すりゃあ。
うん?一発じゃ。
(抜道)ハニートラップいうやつやな。
(夏目)そらええ考えじゃ。
ハニー?のう?神崎。
知恵も経験も金もないやつが一つだけ使える武器を使わんのは宝の持ち腐れじゃろ。
立派な武器を持っとんのじゃけえ使うてみたらどうじゃ?うん?武器?やだよ!愛人なんて絶対やだよ!
(夏目)待たんかい。
そんなの極楽島と一緒じゃない。
何で知らない男とニャンニャンしなきゃなんないのよ!?われの使い道はそれ以外になかろうが。
そんなことないわよ!女じゃと思うて大目に見てりゃ平気で裏切りよる。
もう手加減するのはやめよう思うてのう。
言われたとおりにやれんのならわしはもうお前とは組まんけえのう。
別に構わないわよ。
要は一人で結果出しゃいいんでしょ?
(夏目)フッ。
うわっ。
見とれよ。
このエロ親父ども!
(抜道)ハハハ。
(夏目)うおおー。
フッ。
威勢がええのう。
えらいがんぼしてまんなぁ。
ハハハ。
どうせ何にもできやせんわい。
(抜道)ハハハ。

(ドアの開く音)・
(満利子)あの。
何か?すてきな団地だなぁと思いまして。
(夏目)アホか。
あれじゃ不審者丸出しじゃ。

(夏目)何じゃ?こりゃ。
(社員)ここにする?
(社員)うん。
(社員)ねえ?見た。
今日はたことパンダじゃったよ。
(社員)ホンマ?
(社員)ぶち腹立つわぁ。
どんだけ奥さんとラブラブなんよ?
(社員)男前で仕事ができてしかも愛妻家なんて反則じゃわ。
(社員)ホンマなぁ。
(社員)なあ。
(五露巻)ああああ。
飛騨のことならよう知っとるわ。
(五露巻)大型の案件は根こそぎあいつに持ってかれてうちも痛い目に遭わされとるけえ。
やっぱ議員がバックについとるけん強いんかのう。
それしか考えられんわ。
今週に入ってからも何や大量の資材を発注しとるっちゅう噂じゃ。
何ぞでかい仕事でも控えとるんか?間違いないわ。
ほう。
うん。
今から帰るけど何か足りないものある?うん。
分かった。
じゃあ。
(従業員)いらっしゃい。
おう。
飛騨さん。
毎度。
(飛騨)ああ。
こんにちは。
(従業員)ちわ。
何か卵買い忘れちゃったみたいで。
(従業員)相変わらず奥さん孝行じゃのう。

(飛騨)ただいま。
(満利子)おかえりなさい。
何だ。
ただの真面目なサラリーマンじゃん。
ハァー。
・ハハハ。
収穫なしっちゅう顔じゃのう。
飛騨はまともにやって尻尾を出す玉じゃないでえ。
私は飛騨さんを無理に追い出さなくてもいいと思う。
普通にちゃんと仕事して家族も大事にしてる人だし。
(夏目)家族を大事にしとるやつがこんなようけ女の名刺を持っとるかのう?名刺?
(夏目)病院の院長の娘にこっちは造り酒屋の娘や。
どれもセレブばかりじゃ。
どこで会うとるんかのう?嫁さんにバレんようにシュレッダーにかけたんじゃろ。
やましいところがなきゃ名刺なんぞ捨てたりはせんわい。
ほれ!見てみい!こりゃホテルのバーでの領収書じゃ。
ホテル?うん。
あの。
いや。
でもあの人は愛妻家で。
金魚のふんみたいに尾行しとるだけで弱みが見つかりゃ事件屋はいらんのじゃ。
やっぱあいつを落とすには色仕掛けしかないと思うがのう。
うーん。
ルー変えた?
(満利子)気付いてくれた?今日はね本格的に香辛料から作ってみたの。
(満利子)あなたはいつも決まったルーを食べたがるでしょ?でもたまには本格的な…。
あのカレーが好きなんだよ。
(満利子)うん。
そうね。
分かった。
あっ。
そういえばけさ変な女の人を見掛けたの。
たぶんまた不動産屋さんじゃないかと思うんだけど。
それでね今日父に相談してみたの。
不動産屋さんとの仲裁に入ってくれたら助かるなぁって…。
(飛騨)誰が相談しろって言ったの?立ち退きのことは僕に任せてくれって言ったよね?勝手なことするんじゃねえよ!
(満利子)あっ!?ごめんなさい!もうしません。
もうしません。
ごめんなさい。
うっ。
(キリコ)底抜建設の飛騨を探っとるんじゃろう?えっ?何で知ってんの?
(キリコ)何年ここで仕事しとる思うとるんじゃ。
まっあいつならたたきゃいくらでもほこりが出てきそうじゃねえ。
知ってるんだ?飛騨さんのこと。
リッチマンズホテルってあるじゃろう?そこで毎月セレブが集まるパーティーがあるんよ。
飛騨はそこの常連じゃ。
えっ?いや。
でも本当に質素でお昼も愛妻弁当…。
愛妻家ならあんなおんぼろ団地に嫁さんを平気で住まわしゃせんじゃろ。
あいつにとって嫁さんは単なる金づるじゃ。
いやー。
でも。
奥さんの親父さんがもうすぐ議員を引退するらしいんじゃ。
あいつには次の金づるが必要なんじゃ。
そんな。
金を持っとりそうな女には目がない男じゃけえ。
いてこますんは簡単じゃと思うけどな。
いや。
無理だよ私。
いてこますなんて。
目つぶって鼻つまんで寝とりゃええんじゃ。
いや。
それが無理だっつってんの。
心配いらんて。
苦い薬飲むようなもんじゃ。
(夏目)のう?金子。
よう県会議員とアポなんぞ取れたのう。
おう。
まあな。
ハハハ。

(車の走行音)おう。
来た。
(小清水)お待たせ。
(夏目)所長!?
(小清水)金子君からのお誘いなんて何事かと思いましたよ。
セッティングまでしていただいて恐悦至極でございます。
どうぞ。
(小清水)お呼び立てして申し訳ありません。
(世洲)いやいや。
先生のお噂は前々から聞いております。
県議会一の実力者じゃいうて。
のう?
(夏目)ああ。
ええ。
へえ。
(世洲)そんなん君ら大げさじゃわ。
アハハ。
あっ。
そして娘婿の飛騨林五郎さんでしたか。
底抜建設でずいぶんご活躍のようで。
(世洲)ほうなんじゃ。
あっ。
アハハ。
仕事はなかなかにやる男でのう。
ついこの間も県庁職員を紹介してくれいうんで紹介してやったとこじゃ。
ほう。
県庁の。
ほう。
(世洲)カワイイ末娘の婿じゃしついつい甘うなってしもうてのう。
いかんのじゃがのう。
アハハ。
ハハハ。
(夏目)ハハハ。
いやいや。
みんな一緒ですよ。
(一同)ハハハ。
ところでそのう。
県庁の…。
(小清水)まあまあまあ。
金子君。
息子さんの話はそれくらいで。
ところで先生。
(世洲)うん?
(小清水)引退されるって話ありゃ本当ですか?
(夏目)ハァー。
(夏目)何で所長を呼んどんのじゃ!?あんなんおったら情報引き出すどころか…。
やかましいわ。
あの議員を呼び出すには妖怪じじいの力借りんのが一番手っ取り早いんじゃ。
その代わりな5本も払うとるんじゃあの妖怪じじいに。
(夏目)500万もか!?ほうじゃ。
(夏目)ああ。
ああ。
おう。
そっちはどうじゃ?
(キリコ)ばっちりじゃ。
ハニートラップやる気になったで。
マジか?
(キリコ)私の指示どおりに動けば飛騨なんかイチコロじゃろ。
(キリコ)けど優しいのう。
金子ちゃん。
何じゃかんじゃいうて。
アホか。
(キリコ)あの子をちゃんと使うてやっとるじゃないの。
これでな神崎も一緒に追い出すんじゃ。
(五露巻)ありゃ相当の大型受注じゃ。
県庁の受注受けることもあるんかのう?県庁?まさか金暮山のトンネル工事か。
親父の口利きで県庁職員たらしこんだのはそのためか。
みたいじゃのう。
(吹鳥)急に入札に参加しよう言いだしたときは正直驚いたで。
けど役所の入札評価リストが手に入る言われちゃあ上司として認めんわけにはいかんじゃろ。
フフフ。
(飛騨)リストは週末届くんで。
それで書類を揃えて月曜に提出すれば終了です。
(吹鳥)そうかそうか。
(飛騨)はい。
(吹鳥)どうじゃ?今夜あたり前祝いでも。
ああ。
申し訳ありません。
今日は妻と食事をする約束が。
(吹鳥)お偉いさんの娘を嫁さんにもらうのも考えもんじゃのう。
(飛騨)ホントですよ。
(吹鳥)アハハ。
(飛騨)ハハハ。

(薫・飛騨)あっ。
ああ。
(飛騨)大丈夫ですか?ああ。
すいません。
ぼんやりしてたんで。
ああ。
いや。
こちらこそ。
お会いするのは初めてですよね?ご挨拶させてもらっても?ええ。
もちろん。
(飛騨)アブラカタブラ石油!?金暮市に工場を誘致しないかってお誘いがありまして。
それで視察に。
この名字ひょっとしてあの色川社長の?娘です。
ああ。
どうりで田舎の女性とは雰囲気が違うと思いました。
あっ。
そんな。
お上手なんですね。
フフフ。
アハハ。
《あのさ。
いくら何でも派手過ぎない?》
(キリコ)《相手は田舎者じゃ》《これくらいがちょうどええんじゃ》《おう。
完璧じゃ。
あっ。
レンタル代は後でええけえ》《あっ。
それと》《金取んのかい》転職ですか?
(飛騨)ええ。
この辺りでこそ底抜建設は大手ですがしょせんは地方企業にすぎませんからね。
そうだったんですか。
フフッ。
色川さんのような方とご一緒できればいいんですけどね。
私もそうなったらうれしいな。
あの。
ぶしつけなことを聞いても?あっ。
何でしょう?飛騨さんは奥さまがいらっしゃるんでしょ?あっ。
あっ。
ごめんなさい。
突然変なこと。
忘れてください。
実は今離婚調停に入ってます。
えっ?
(飛騨)我慢の連続の結婚生活でした。
料理も掃除も洗濯もしない。
プライドばかりが高くて。
ハァー。
ひどい奥さま。
色川さん。
僕はいっそのこともう一度自分の人生をリセットしたいとすら思ってるんです。
色川さん。
飛騨さん。
(バイブレーターの音)あっ。
(バイブレーターの音)
(飛騨)ちょっとすいません。
急ぎの用で。
もしもし?チッ。
何が離婚調停だよ。
嘘八百並べやがって。
ハァー。
金髪の言ってたとおりただのすけこましじゃんよ。
(キリコ)《分かっとると思うけど勝負は短期決戦じゃけえ》《あしたにはあんたの身分バレてしまうけえ絶対に今夜中に部屋に連れ込むんじゃ》ハァー。
うーん。
ハァー。
すいません。
お代わり。
(飛騨)ええ。
いつもどおり自宅に送ってください。
あくまでプライベートの郵便に見える形で。
ハハッ。
猿渡さんは旅行にでも行っててくださいよ。
はい。
分かりました。
すいません。
色川さん?何か酔っちゃったみたい。
こちらです。
(飛騨)はい。
(シャッター音)
(茸本)ひどいよ薫ちゃん。
ほうか。
分かった。
後は分かっとるのう?アハハ。
あいつとうとう部屋に連れ込んだそうじゃ。
何じゃかんじゃ言ってもやるもんじゃのう。
誰がアドバイスした思うとんじゃ。
ヘヘヘ。
・あこぎなことするよな金子も。
ああ。
冬君。
いらっしゃい。
キリちゃん。
ビール。
うん。
何のことじゃ?とぼけないでくださいよ。
ハニートラップにこだわったのは神崎を事務所から追い出すためでしょ?無一文ですがってきたやつを体まで売らせて精神的に追い詰めるってわけですか。
何かやくざと変わんないですね。
何じゃと?まあ俺にはまったく関係ない話ですけど。
(飛騨)色川さん。
ああ。
待って。
飛騨さん。
(飛騨)いいい…。
あっ。
いや。
待って。
ちょっと。
色…。
色川さん!ああ。
あの。
シャワー浴びてからじゃ駄目?・
(飛騨)あっ。
ですよね。
(茸本)薫ちゃーん。
ああー。
どうしよう?いまさら帰れないしな。
うーん。
そうだ。
何か情報。
情報。
情報。
あっ。
いっぱい金持ってやがる。
何だよ?この資料。
(シャッター音)
(シャッター音)やっぱやめとけばよかったよこんなこと。
私には無理だよ。

(飛騨)何が?「何が」ってあいつと。
あっ!?何してんだよ?ああ。
いや。
ああ。
いや。
あの。
あれ?シャワーは?変だと思ってお宅の社員に電話で確認したんだよ。
金暮市への工場誘致なんて聞いたことないってよ。
あっいや。
でもそれはまだ社内でも非公表で。
それに社長に娘はいないってよ。
詐欺師か?お前。
いえ。
そんな。
私はただ。
(殴る音)うわっ!うっ。
何すんのよ!?見れば分かんだろ?
(殴る音)うわっ!あっ!うっ。
うっ!ああ!やめて。
かばんを見たことは謝ります。
だから暴力はやめて。
詐欺師が命令すんなよ。
これは正当防衛だろ。
キャー!・
(ノック)・
(茸本)あっあの。
お客さま。
クリーニングお持ちしました。
和磨?あいつは超DVよ。
傷害罪で訴えて私がかたにはめてやるわよ。
アホか。
そもそもお前は嘘の身分で近づいとんのじゃ。
そんなお前が傷害じゃいうて誰が信用するか。
うん。
でも許せないよ。
ただニャンニャン写真を撮りゃええんじゃ。
どんだけ使えんのじゃ!アホんだら!
(夏目)飛騨が接触しとった男が分かったで。
(泣き声)
(夏目)ああ?猿渡っちゅう県庁土木課の職員じゃ。
ようけ飲みに行っとったらしいわ。
トンネル工事の入札にはようけ評価項目があってのう。
トンネル?
(夏目)どの企業も県の重要基準がどうなっとるんか探り合うとるそうじゃ。
飛騨はその情報を手に入れたんと違うか?入札は月曜じゃったのう。
その担当者つかまえて吐かせりゃ飛騨を官製談合で追い込めるで。
(夏目)それができんのじゃ。
担当者は有給取って旅行に出掛けたそうじゃ。
旅行?
(夏目)後はその入札資料を盗みだすしかないで。
あっ。
あのう。
資料だったら私写真撮りましたよ。
(夏目)ああ?ほら。
(夏目)うん?私だって一応やることはやってんですよ。
(夏目)ないど。
ないどないどないどないどないど。
そんな大事な資料普通は持ち歩かないだろう。
何だ?この不動産のチラシとか免許証とか。
無駄なもんばっかり撮りおって。
能なしが。
とにかく入札はあさってじゃ。
行くで。
(夏目)おう。
うん。
自業自得だ。
できもしないことをできるなんて言うからだ。

(小清水)どうしましたか?所長。
何でもないです。
失礼します。
(小清水)つらいかもしれませんがもう失うものは何もないんでしょ?
(小清水)火事場のバカ力って言葉があるでしょう?崖っぷちに立たされた人間が最強です。
うちで働いている人たちはみんなそうだったんですよ。
あなたも最強の一人になれそうな気がしますよ。

(茸本)おかえり。
勝手に入んないでよ。
(茸本)でもおなか減ってるでしょ?ありがとね。
助けてくれて。
見捨てるわけにはいかないでしょ。
フフフ。
ハァー。
けどひど過ぎるよあのDV野郎。
痛っ。
ああ。
普通なら傷害罪で逮捕だよ?もう絶対許せないよ。
もしDVしなかったら?えっ?普通の人だったら?ニャンニャンした?ちょっ。
あ痛っ。
失礼なこと言うんじゃないわよ。
はいDV。
はいDV。
うるさいわよ。
みんなで寄ってたかってニャンニャンニャンニャン言いやがって。
私は盛りのついた猫じゃないんだよ。
分かった分かった。
ごめんごめんごめん。
分かった。
分かったからご飯食べよう。
ほら。
冷めちゃう冷めちゃう。
ねっ?ねっ?チッ。
どうどう。
よしよし。
うん。
あっ。
傷染みた?うま過ぎる。
フフフ。
あっ。
そうだ。
ねえ?郵便受けいっぱいだったからそこ出しといたよ。
不在通知めっちゃたまってるし。
光熱費全然払ってないでしょ?そのうち止められるよ?そんときはそんときだよ。
(飛騨)《ええ。
いつもどおり自宅に送ってください》《あくまでプライベートの郵便に見える形で》《猿渡さんは旅行にでも行っててくださいよ》
(茸本)どうした?女を平気で殴るような男がさ。
うん。
普通に生活してていいわけないよね?うん。
そうだそうだ。
それにあの金髪に能なし扱いされるのもムカつくし。
うん。
そうだそうだ。
うん。
あのDV野郎絶対かたにはめたるわ。
(キリコ)免許証の偽造?この写真をこいつの写真に差し替えてほしいんだけど。
ええけど高いで。
分かっとるわ。

(社員)駄目です。
入札関係の資料はありませんでしたわ。
ほうか。
うーん。
ほい。
サンキュー。
(社員)ありがとうございます。
(チャイム)
(チャイム)
(配達員)飛騨さん。
書留ですよ。

(茸本)よし。
イエス。
シーッ。
(茸本)ああ。
(職員)えーっと。
飛騨さんですね。
よし。
(薫・茸本)うん?うん。
(呼び出し音)
(飛騨)猿渡さんですか?書留どうなってんですか?
(猿渡)いや。
どうもこうも私ちゃんと送りましたけど。
届いてないんですよそれが。
今すぐ郵便局に確認してください。
県庁職員なら何とかなるでしょ?
(猿渡)ちょっちょっ。
そんな無茶言うたらいけんわ。
日曜日に。
いや。
それに飛騨さんに言われたとおり私今ね旅行中なんですわ。
(妻)あなた。
こっち見て。
はい。
チーズ。
(シャッター音)とにかくあしたの朝一には必ずお願いします。
朝一ですからね。
ハァー。
ああ。
(満利子)あなた。
何かあったの?
(飛騨)いちいちうるせえんだよてめえは。
許せない。
あいつ奥さんにまで暴力を。
(茸本)あっ。
ちょっちょっちょっ。
今出てったら計画丸つぶれでしょ。
だってこんなの絶対許せない。
絶対許せない。
(茸本)駄目駄目駄目。

(ドアの開く音)いらっしゃい。
おう。
ビール。
(夏目)わしもじゃ。
ああ。
ひょっとしたらメールでやりとりしたんかのう?いや。
メールは証拠が残るけえ書類があるはずじゃ。
(夏目)うーん。
ああ。
あーあ。
能なしのおかげでせっかくのチャンスを逃してしまいそうじゃ。
好き勝手言ってれば?ああ?
(夏目)えらい余裕じゃのう?暴力や脅しで弱い者を服従させようとする人私は絶対許せないんで。
釣りはいらんけえのう。
(夏目)ハハハ。
何じゃ?あいつ。
(茸本)お待たせ。
薫ちゃんは?
(キリコ)ジャンヌダルクみたいに出てったで。
何だよ?せっかくお祝いしようと思ったのに。
お祝い?あっ。
そんな怖い顔しても無駄ですよ。
薫ちゃんと約束したんですから。
金子さんたちには絶対しゃべらないって。
(夏目)ほんじゃけど聞きたいのうその話。
駄目ですよ。
約束は約束です。
僕は脅しには屈しません。
タダじゃ。
(キリコ)プッ。
いよ!腐れ外道。
幾ら欲しいんじゃ?3,000円。
ああ?
(夏目)うん?
(重役)間に合うんか?
(飛騨)資料は揃えてあります。
後は数字を入れるだけです。
(重役)もともとうちはトンネル工事は諦めとったんじゃ。
それをあんなようけ資材まで発注して失敗したらえらい損失だぞ?
(重役)どう責任を取るんじゃ?君たちは。
(吹鳥)本部長のおっしゃるとおりじゃ。
飛騨君。
どう責任取るんや?
(飛騨)えっ?そんな。
部長。
(飛騨)郵便局からです。
やっときました。
もしもし?見つかりました?えっ?昨日取りに来た?私が?えっ?じゃああの。
免許証の登録番号言ってくださいよ。
(飛騨)確かにそれは私の番号ですが。
えっ?
(重役)もうええわ。
飛騨君。
(吹鳥)ハァー。
(重役)処遇はすぐに決めさせてもらうで。
(飛騨)いや。
ちょっちょっちょっちょっ。
ちょっと待ってください。
絶対にうちが取れるんです。
他の企業は評価項目をクリアできっこないんです。
(重役)もうええって!よくないんじゃ!この入札取るために金も時間もどんだけ使うた思うとんじゃ。
県庁職員抱き込んで根回しして完璧な書類が調う予定なんど!そんなんできるのはこの会社でわしだけなんじゃ!
(重役)つまり君は県庁と談合したことを自白するつもりなんか?はっ!?はっ!?パーティーでご主人と会って暴力を振るわれたんです。
それでひょっとしたら奥さまもそうなんじゃないかって。
(満利子)そんなことありません。
でもゆうべも旦那さんに殴られてましたよね?すいません。
気になったんで見に行ってしまって。
もう彼から離れるべきじゃないんですか?ご主人は自分の出世のためにあなたとお父さまを利用したんです。
(満利子の泣き声)もっとあなたは自分を大切にするべきです。
もう自由になったらどうですか?私が力になりますから。
(地揚)あのがき最果島の倉庫番に左遷が決まったそうじゃ。
ハハハ。
いやー。
おかげで立ち退き料も払わんで済んだからのう。
しかしえらい手際がよかったのう。
うん?どんなやり方ではめよったんじゃ?いや。
まあそら色々とのう。
(地揚)エヘヘ。
企業秘密っちゅうやつか。
アハッ。
まあええわ。
謝礼は奮発させてもらうで。
ほい。
おう。
これはわしと夏目の手数料じゃ。
後はお前が持ってけ。
えっ?いいんですか?うーん。
何じゃ?いえ。
まさかこんなにもらえると思ってなかったんで。
ふん。
お前が飛騨をかたにはめたんは間違いないんじゃからのう。
女を使わずに頭を使うてな。
じゃあまだ仕事が残ってるんで。
余計なことはせん方がええぞ。
えっ?どうせまた誰かにいらん同情をしとるんじゃろう?私はあなたみたいな事件屋になりたくないんで。
事件に関わる以上は私は誰かを救いたいの。
そういう事件屋がいてもいいでしょ?勝手にせえや。
フフッ。
一本取られましたね。
(抜道)けど珍しいなぁ。
あんたが素直に払うてやるやなんて。
あんなはした金はいらんわ。

(五露巻)ハハハ。
(夏目)おう。
待たせたのう。
社長の到着じゃい。
(五露巻)いやー。
金子さん。
この兄ちゃんからもろうた入札の書類ばっちりやったで。
(茸本)いやー。
どうもです。
アハハ。
(五露巻)金暮山のトンネル工事フライングゲットじゃ!ハハハ。
わしの本命はこっちじゃわい。
ハハハ。
(飛騨)チキショー。
何でこんなことに?チキショー。
(満利子)あなた。
あなた。
大丈夫?どうせお前も俺をバカにしてんだろ?負け犬だって思ってんだろ!?
(満利子)ああー!チキショー。
どうすりゃいいんだよ?・
(チャイム)・
(ノック)・満利子さん。
私です。
神崎です。
(飛騨)あいつ。
お前が呼んだのか?
(満利子)違うの。
私はあなたのためを思って。
(飛騨)ふざけやがって!
(満利子)ああっ!・
(パトカーのサイレン)お前まさか警察まで!?・
(パトカーのサイレン)
(刑事)ここが飛騨さんの家か?はい。
奥さんが通報したんですね?飛騨は中にいます。
どうぞ。
(刑事)いや。
ああ?神崎っちゅうのはあんたか?はい?
(刑事)ちょっと警察まで来てもらおうか?いや。
いやいやいやいや。
ちょっちょっ。
待ってよ。
(満利子)この女です。
私を脅迫したのは。
はっ?
(満利子)私をあちこち追い回して主人と別れろって脅迫したんです。
いやいやいや。
違うでしょ?あなたは旦那さんからDVを受けて…。
(満利子)私は暴力なんて受けてません。
はあ?
(満利子)私にはこの人がずっといてくれたから生きてこれた。
私みたいな女と結婚してくれて。
お弁当だって毎日残さず食べてくれて。
ずっと一緒にいてくれた。
(満利子)利用されようが何されようが私にはこの人が必要なの!勝手に人んちの事情に首突っ込んであんたみたいな小娘に夫婦の何が分かんのよ!?
(刑事)奥さんから被害届が出とるんじゃ。
いや。
いや。
ちょっと待って。
いや。
待ってよ。
DVしたのあっちじゃないかよ。
わりゃ放せ。
おりゃ。
嫌ーっ!行きたくない!神崎が逮捕?分かった。
後で連絡する。
じゃけえ言うたんじゃ。
余計なことはせん方がええって。
けど何をしよったんやろ?あの子。
飛騨んところに殴り込みでもかけたんかのう?何でもええわい。
これであいつもここじゃあ働けんようになるじゃろ。
そんなのんきなこと言ってていいんですかねぇ?ああ?彼女のことですよ?警察に絞られたらここで見たこと全部話してしまうかもしれませんね。
(抜道)そらあかんわ。
(夏目)そらあかんわ。
そしたら所長にも火の粉がかかります。
あんた責任取れるんですか?いやいや。
ちょっ。
(刑事)ほい。
何かの間違いです。
私は脅迫なんかしてません。
(刑事)脅迫だけじゃのうて住居侵入もじゃ。
奥さんの話じゃ庭が荒らされとったそうじゃ。
そんな。
(刑事)われが何をしてきたんか何もかもしゃべってもらうけえのう。
いや。
ちょっと待って!開けて!私はDV被害者を救おうとしただけなんです!本当です!開けて!『極悪がんぼ』はドラマです。
法律に触れることがたくさん出てきましたが本当にやったら捕まります。
もちろん被害にも遭わないように皆さんお気を付けください。
2014/04/28(月) 21:00〜21:54
関西テレビ1
極悪がんぼ #03[字]

今回のターゲットは強欲エリートサラリーマン!仮面の裏側は恐怖のDV男だった!目には目を!暴力男に怒りの制裁で、恨みを晴らせ!一進一退の末に訪れる驚愕の結末とは…

詳細情報
番組内容
 神崎薫(尾野真千子)は、総額1800万円にまで膨れあがった借金に頭を抱えていた。それを見た夏目大作(竹内力)や抜道琢己(板尾創路)は、冬月啓(椎名桔平)のような人間から金を借りるからだとあきれ返る。
 そんな折「小清水経営コンサルタント」に不動産会社の地揚四郎(ラサール石井)がやってくる。開発工事のため土地買収を行っているエリアで、古い集合住宅に住む飛騨という夫婦が立ち退きに合意せず困っている
番組内容2
という。夫の林五郎(要潤)は、大手の建設会社勤務のエリート、年上の妻の満利子(猫背椿)は有力な県会議員の娘だという夫婦は、立ち退き料をつり上げる目的で居座り続けていると地揚は話した。
 話を聞いた金子千秋(三浦友和)は、薫にこの件に噛んでみろと指示。知恵も経験もない薫が、唯一使える武器があると金子は言った。
 薫は早速、林五郎の勤務先や立ち寄り先で捜査を始める。そのうち、林五郎が愛妻家で真面目な
番組内容3
サラリーマンだと知り、強制撤去させることに疑問を持ち始める。一方、夏目は飛騨家のゴミ箱から大量のセレブ女性の名刺を発見。金子も林五郎はまともに立ち向かって勝てる相手ではないと言う。金子が言う薫が使える武器とは、色仕掛けで林五郎に迫りシッポを掴むことだった。気乗りがしない薫は、真矢樫キリコ(仲里依紗)に相談。キリコが、林五郎はセレブが集まって行われるパーティーの常連だと教える。それを聞いた薫は…。
出演者
神崎薫: 尾野真千子 

冬月啓: 椎名桔平 

茸本和磨: 三浦翔平 

真矢樫キリコ: 仲里依紗 

夏目大作: 竹内力 

抜道琢己:板尾創路
  ・  
小清水元: 小林薫
  ・  
豊臣嫌太郎: 宮藤官九郎 
伊集院保: オダギリ ジョー
  ・  
金子千秋: 三浦友和 

ほか
スタッフ
【原作】
「極悪がんぼ」(講談社「イブニングKC」所載) 
田島隆 
東風孝広 

【プロデュース】
後藤博幸 
草ヶ谷大輔 

【演出】
河毛俊作 
林徹 
石井祐介 

【脚本】
いずみ吉紘 
池上純哉 

【主題歌】
「喧嘩上等」氣志團(影別苦須 虎津苦須) 

【制作】
フジテレビドラマ制作部

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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