海水異変現象:「新型」ニーニョやニーニャ…北米西海岸沖

毎日新聞 2014年04月28日 19時26分(最終更新 04月28日 23時48分)

気象に異変をもたらす海水温の変動が起きる場所
気象に異変をもたらす海水温の変動が起きる場所

 ◇「カリフォルニア」型、米西部の気象や農業生産に影響

 世界の気象に影響を与えるエルニーニョ現象などに似た海水温の異変が、北米大陸西海岸沖でも発生していると、海洋研究開発機構のチームが、英科学誌に発表した。米西部の気象や農業生産に影響を与えているという。チームの袁潮霞(えんちょうか)さんは「発生を予測できれば被害軽減に貢献できる」としている。

 1982〜2011年の東北太平洋の海水温などのデータを分析。米西海岸のカリフォルニア州沖で海面水温の年ごとの変動が最も大きいことを突き止めた。

 特に、海面にわき上がる冷たい海水の量が少なく、平年より0・5度以上も水温が高くなる年があり、チームは「カリフォルニア・ニーニョ」と命名。海水温が低くなる現象も起きていて、「カリフォルニア・ニーニャ」と名付けた。

 ニーニョは北米西部に冷夏、ニーニャは異常高温などを招く可能性がある。ニーニャと分析された13年は、同州で大規模な山火事や干ばつが発生している。【大場あい】

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