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【大リーグ】

ピネダの“2度目”の不正投球はアウト 暗黙の了解だけど…やりすぎた!?

2014年4月25日 紙面から

◇レッドソックス5−1ヤンキース

 2度目は見逃されなかった。ヤンキースのマイケル・ピネダ投手(25)は23日、敵地ボストンでのレッドソックス戦で首に松やにを塗っていた不正投球で退場処分を受けた。ピネダは10日の同カードでも不正投球疑惑が持ち上がったばかり。米複数メディアによれば、大リーグ機構から10試合前後の出場停止処分を科される見込みという。大リーグの不正投球は珍しくないが、今後はヤ軍が宿敵レ軍の投手陣の“あら探し”をするのは必至。伝統の一戦に新たな遺恨が生まれそうだ。

 “再犯”は、あからさま過ぎた。事件は2回。サイズモアの打席でファレル監督がベンチから出ると、デービス球審にピネダの不正投球チェックを要求。同球審はマウンドでグラブとボールを調べた後、ピネダの首に付いている茶色の物質を人さし指でなぞり、松やにと確認して退場を命じた。真っ青な顔の右腕は、一言も抗議せずベンチへ歩いた。

 「間違いを犯したのは分かっている。本当に悲しい。すごく寒かったから、1回にボールをグリップできず、松やにを使った。もう2度とやらない」。ピネダは目に涙を浮かべてざんげしたが、10日の同カードも右手首付近に松やにらしき物質がべっとりと付いていたのが大々的に報じられたばかり。その時は試合後に問いただされて「手に汗をかいたので土をつかんだ」と否定したが、さすがに現行犯では言い逃れできなかった。

 大リーグでは、球の軌道を変えるためではなく、グリップを良くするための不正投球は“暗黙の了解”という面もある。米放送局ESPN(電子版)は「寒い日にグリップを良くするための不正投球はどこにでもある。ファレル監督の投手もやっている」と報道。そのファレル監督は「前回の対戦のこともあるから、見逃せなかった。寒い日にグリップが欲しいという思いは尊重するが、あれほどあからさまだと指摘せざるを得なかった」と複雑な表情で話した。

 レ軍の打者陣も同意見だ。10日の不正疑惑後、主砲オルティスは「投手が松やにを使うのは何の問題もないね」と話し、ピアジンスキー捕手もこの日、「グリップを良くするためなら文句はない。荒れ球で顔にぶつけられるよりはいい」と本音を口にした。

 いわば不文律が表面化してしまった今回のトラブル。今後、指摘されたヤ軍の“報復”は必至だ。キャッシュマンGMは「完全にピネダ自身と球団の責任だ。恥ずかしい」と語りつつ、「うちの監督にも、ファレル監督と同じこと(不正投球のチェック要求)をしてほしい。ファンとチームのためにね」と目をぎらつかせた。レ軍の先発投手陣も、昨季はバックホルツやワールドシリーズでのレスターの不正投球疑惑が大ニュースになった。「ピネダの松やに事件で、ファレル監督のチームに照準が合わされた」とESPN(同)。宿敵の戦いに、勝敗以外でもゴングが鳴らされた。

 

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