【ニューヨーク=杉本貴司】米ゼネラル・モーターズ(GM)は22日、10年以上にわたって欠陥を放置し、13人の死亡事故が起きた問題で、GMを相手取った訴訟を取り扱わないよう求める保護処置を、米連邦裁判所に申し立てた。GMは法的整理を経て破綻した2009年以前の責任を負わないと訴えた。
GMの隠蔽体質が問われる中で責任逃れとの批判も強まりそうだ。
GMは09年に米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。同法に基づき裁判所の管理下から外れる際、不良資産を引き継いだ「旧GM」と現在の「新生GM」に分かれたと主張。旧GMが起こした欠陥放置の責任を負うことはない、としている。
GMは01年からエンジン点火スイッチに欠陥があることを知りながら放置してきたことが問題視されている。今年2月にようやくリコール(無償回収・修理)に踏み切ったが、欠陥放置に関連して遺族や車の所有者がGMを相手取り、相次いで訴訟を起こしている。
一方でGMは「(新生GMも)民事的な法的義務は負う」としており、被害者に一定の補償に応じる意向を示している。ただ、集団訴訟が大規模化することを防ぎ、自主的な取り組みの一環として補償したい考えだ。
GMの対応の不手際はこれまでも批判にさらされてきた。今回の対応で再びGM批判に火が付く可能性がある。
ゼネラル・モーターズ