2011-12-07
繰り返される不幸
マクロビ関連 | |
先日、ちょこっと立ち寄った本屋にはスティーブ・ジョブズの伝記が山高く重ねられていました。そのとなりには、ちきりんの本があって、あーどらねこも一度くらいは本を出したいなぁ、などとどうでも良いことを思ったものでした。
■知ってる?
一緒にいた妻は「もったいないよねぇ、あんなに若くて。」と、聞いてきたのでどらねこは「うん、どうして亡くなったか知ってる?」と、尋ねてみました。すると「がんで亡くなったのよね、どうして手術しなかったのかなぁ」そうつぶやきました。日本では不適切な代替療法に頼っていた経緯があまり知られていないような印象ですが、そのあたりはどうなんでしょうね?
■どうして?
どらねこは、ネットでの情報から、ジョブズが『がん』であったこと、手術を受けなかったこと、それと幾つかの食事療法を試していた事を知っておりました。そして、どうやらその一つがこのブログでたびたび採り上げている、『マクロビオティック』らしい事を他の方から教えてもらいました。その一つめがコレです。
ジョブズは早期手術で命が助かったのに拒否した。なぜ?(動画あり) : ギズモード・ジャパン
「ジョブズはすい臓がんの中でも完治可能な神経内分泌腫瘍(NET)だった。早期手術で大体の人は助かるのに何故9ヶ月も受けなかったんだろう?」
―ジョブズの死後、ハーバード大医学部研究員のラムジー・アムリさんがQuoraに疑問を投げかけましたが、ジョブズ自伝本著者ウォルター・アイザックソンがCBS放送「60ミニッツ」のインタビューでその疑問に答えました。
アイザクソン:診断の結果、すい臓がんの5%に相当する、進行の緩やかなタイプのもので、治せる、とみんな大喜びしたのに、スティーブ・ジョブズはすぐには手術を受けないわけですね。食餌療法で治そうとしたり、スピリチュアリストに会いに行ったり、マクロバイオティックに治す方法をあれこれ試したりするばかりで手術はどうしても受けない。
いくつかの代替療法の中にマクロバイオティック(マクロビオティック)の名前が出てきております。
この件はCNNのニュースでも同様に伝えられておりました。
http://www.cnn.co.jp/tech/30004364.html :title=ジョブズ氏「死後の生を信じたい」、迫る死期が製品開発の原動力] CNN.co.jp
(CNN) 5日に死去した米アップル共同創業者のスティーブ・ジョブズ氏は、2004年に膵臓(すいぞう)がんと診断された後も医師の勧めに反して手術の予定を9カ月先延ばしし、マクロビオティックの食事療法で治療しようとしたが、後にそのことを後悔していたという。ジョブズ氏の伝記を執筆したウォルター・アイザクソン氏が23日放送の米CBSテレビの番組で明らかにした。
こちらは、本人もこの件を後悔していたと書かれております。
この件がもし本当であるならば、このような事を二度と繰り返してはならないと、多くの方が願ったことでしょう。
起こってしまった事は取り返しがつきませんが、繰り返さないためにできる事はあると思います。しかしながら、問題をきちんと整理することなくその場だけで終わりにさせてしまえばこの件は簡単に忘れ去られ、同様の事態が引き起こされてしまうはずです。
■繰り返される
どうして上のような書き方をしたのかと謂うと、きちんと過去に学んでいれば、ジョブズの事例は防ぐことが十分に可能であったと考えられるからです。妥当性の無い食事療法が健康に大きな影響を与えた事例が過去にアメリカで起こっております。それは昭和40年の事ですが、当時の日本の新聞は次のように伝えております。
讀賣新聞東京 8(11)(通号87)1965.11 14面より
“日本式食ジ療法”とんだ騒ぎ 栄養失調で死ぬ 禅マニア婦人
禅マニアのアメリカの若い人妻が、東洋哲学の神秘さにあこがれて“長命食”と呼ばれる日本の食じ(餌)療法にこり、十一日朝、ニューヨークで極度の栄養失調のため死んでしまった。夫婦そろって日本びいき。食生活はすべて日本式というこり方だったが、女性の父親はカンカン。「こんな危険な書籍は発禁にしろ」と警察に訴え、この日の新聞、ラジオでも行き過ぎの“日本ブーム”に批判を投げかけている。
日本ブームの問題と謂うか、日本においても問題である食事療法ではあるのですが、そのように見えてしまいますよね。
死んだのはニューヨーク・グリニッチ・ビレッジに住むベス・アン・レモンさん
<中略>
とくに日本の禅研究家ジョージ・オーサワ氏の著書に熱中していたが、ベスさんの父、弁護士のサムエル・ウィーナー氏の話によると、この書籍では、“長命食”という食じ療法をくわしく説明しており「これを食すれば、船酔いから神経衰弱、精神病までなおる」とされている。その献立は、一日、生のニンジン一本、干し豆など若干、それに茶など最小限の飲み物だけで、肉類、乳製品などいっさい許されていない。
どらねこもオーサワ氏の書いた書籍を何冊も読みましたが、そのまま読めばどんな病気でもなおると書いてあるように見えます。
夫婦はさる二月から完全にこの療法に従っていたが、ベスは体重五十八・五?からわずか二十二?に、チャールズさんんは三十六?にと、見るかげもなくやせ細ってしまった。これに驚いたベスさんの両親が、あわててニュージャージー州の実家にひき取ったが間に合わず、ベスさんは十一日朝死亡した。医者の解剖では想像外の極度の栄養失調だったという。
完全にこの療法に従っていたと謂うのは7号食*1でしょうか?
禅研究家といわれるジョージ・オーサワ氏とは、桜沢如一(ゆきかず)氏(七二)の外国向けペンネーム
<中略>
桜沢氏は、「ユーアーオールサンパク」(みんな三白眼だ=三白眼の持ち主の不幸を予想し、食じ療法による“治療”を訴えたもの)「ザ・ブック・オブ・ジャッジメント(裁判の書)=東洋医学の哲学」「ゼン・マクロバイオティック(禅と巨視的生科学)」など外人向きの思想と食事の英文書も出版している。ベスさんが読んでいたのは、このうちどれだかわからないが、菜食主義の重要性を説いた日本文の「新食養療法」(絶版)の英訳書らしい。
新食養療法だとすればこの本の英訳書を読んでいたことになります。確かにこの本の中には食べ物で病気を治す話が書かれて下ります。
どらねこはこのような食事療法が、いまでも健康によいと謂うイメージで様々なメディアで紹介されている現状にたいへん憂慮しております。そうして、不幸な出来事が忘れ去られてしまえば同じ事が繰り返されてしまうと思うのです。
本当にこれ以上の被害者を生み出さないためにも、今回の件が広く知られて欲しいと思います。皆様にも協力頂ければ幸いです。
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- 助産院は安全? - マクロビオティックを反対側からも見る必要性
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これによると女性がヘロイン中毒だったことが原因である、ということにしています。本当のところは分かりませんが、ともかくこの件でアメリカにおける桜沢の団体の活動や流行に支障があったのは確かなようです。
その後の苦労も書かれていて読み物としては面白かったです。影響力を持つ父親の弁護士が隠蔽とは穏やかでないですね。
米国におけるヒッピームーブメントの影響が少なからずあって、ヴィーガン(厳密菜食主義)やマクロビが広まったように認識しています。
医療に関する情報も、今のように手に入りにくかったでしょうし。
現代のアメリカで、きちんとインフォームドコンセントで自分の病気の治療や予後の見通しを知ることができる状況で、しかもジョブズ氏が大いに貢献してきたPCでさまざまな情報も手に入るこの時代に、なぜマクロビを選んでしまったのか・・・。
もしかして「洗練された自分像」を捨て切れなかったのではないかなと思います。
病気や出産って時に自分の非力を痛感させられたり、今まで自分の人生や体を自分で律してきたことから、いきなり他人にコントロールされる状況になります。
それがどうしても耐えられなかったのではないかと。
勝手な想像ですが。
この40数年前の事例はまさしくその時期ですので、問題が発生した後に検証結果がもう少し広く正しく伝わっていれば・・・なんて思ってしまうんですよね。
もう一度繰り返してしまわない事を願い記事にしました。
個人の自由もありますし、性格などもありますから、それはしょうがないと思うのですが、既に検証済でダメであることが確実なものをメディアで採り上げたり、推奨したりするような状況こそが問題だと思うんですよね。個人が弱いのはしょうがないです。だから皆で住みやすい社会をつくるわけですから。
そんな意味合いで書いた記事です。
何度も何度も、おなじような境遇の方がひっかかってしまう。
そういう不幸を食い止める有効な手立ては、今のところdoramaoさんのように地道に警鐘を鳴らしていく方法しかないのでしょうね。
kikulogに以前コメントで書いたのですが、医療関係の教育に代替療法を組み込むのなら、ニセ科学についての教育も必要だと思います。
また、患者さんへの説明にも効果がすでに否定されている代替療法に接近しやすいことを踏まえた情報提供をすることが大事ではないかと思います。
まずは、足元の産科関係から・・・ですね、私は。
ただ、知らないよりは知っていた方が良い場合もあるでしょうから、代替療法の教育の中に組み込むひな形をつくり、国が示す感じが妥当なところでしょうか?
難しいですね。
去年の今頃、東京農大の農業経済・政策の研究者と会った時に、浅川氏の「日本は世界5位の農業大国」の話を出してみると、「誰もその本は相手にしていない」と笑っていました。
恐らく批判するまでもない下らない主張だということでしょうか。確かに、研究者でない私ですら批判できるぐらいですから。
それでも、やはり専門家としてきちんと批判して欲しいところではあるので少々残念です。
そもそも、経歴を見る限り浅川氏には農業・農学を体系的かつ専門的に学んだ経験があるとは思えません。そのため、根本的に知識が欠けているように見えます。
医学や薬学、栄養学を学んだことがない人間がホメオパシーやらマクロビを称賛するようなものですよね。
期待はしたいけれど、ヒトそれぞれですからね・・・
浅川氏については専門家方面からは相手にしていないという評価だったという事でほっとはしております。
ジョブス氏は亡くなる数年前に、肝臓がんの移植手術をしているので
現代医療もやっていたと思いますが
こんな記事が出てきたのですね
この問題に限らず、教訓にできる過去も色々とあると思うのです。