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ひとりきり。

作者:四季折々

俺は仮病が得意だ。
演技がうまい訳じゃない。ただ、『吐いたから休む』と一言嘘を言えば、親は休ませてくれる。

そして仕事に行くんだ。

『ひとりきり』

無機質な造りの白を基調とした俺の部屋には、もちろん俺がひとりで横になっている。

今日も休んでみた。
だからといって扉の向こうの世界は、いつもと何ら変わりない。

俺が居ること以外はこの家もいつもと一緒で親は仕事へ行ったあと。

大きめの袈裟なため息すら壁に吸い込まれておわりだ。

何が嫌とか言うわけじゃないが、学校はなにかと面倒だ。

それに今日は木曜日で部活がない。

行きたくない要素はない。行きたい要素も無い日なのだ。

だから俺は木曜日に休む確率がかなり高い。

そして今日も、迎えた木曜日君を蹴り飛ばしてベッドに横たわる。

誰にも邪魔されない裕福な時間。

軽く不登校気味な俺を、だれも不登校と思わないのには多分、俺が生徒会役員で学校へ行けばムードメイカーの役割を担う学校の顔であるからだ。

休みがちな俺にみんなは疑いの目をかける事もなく、寧ろ心配してくるのだ。

これだから地位とムードメイカーの称号は守ってきた。

今日は活躍の見返りとして与えられた俺だけの休日だ。

学校の奴らはみんな、俺の作り出したお人好しの俺を、ホントの俺と勘違いしている。

いや、それが狙いなのだ。

俺はホントの自分のまわりに『お人好し』という高くて厚い壁をで、人との関わりを拒否してきた。

自分のテリトリーに他人を入れたことがなかった。

親すらも拒否してきたのだ。

自分で自分を騙し続けた。

外の世界の奴らとは、同じ時を生きる違った人間…。

自分で自分を隔離する。

それでいい。

普段は陽の当たらない『本当の自分』を現実世界で十分に深呼吸させると、俺は明日から始まる偽りの生活の事を考え、本当の自分を再び心にしまい込み、お人好しの自分と一緒に学校へ行く準備をした。

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