きょうの健康 メディカルジャーナル「神経再生に挑む!再生医療治験開始」 2014.04.28

(テーマ音楽)「きょうの健康」です。
「きょうの健康」ではこれから月に1回「メディカルジャーナル」と題して最新の医療トピックスをお伝えしていきます。
医学医療の分野では日々たくさんの研究が進んでおります。
10年前20年前には治療が不可能とされていたものが治療できるようになったりまた新しい薬が続々と登場しその効果が確かめられたりしています。
この「メディカルジャーナル」ではそうした最新情報をお伝えしていきます。
さて第1回はこちら。
2014年1月10日北海道札幌市にある札幌医科大学が記者会見を開きました。
脊髄損傷治療法がないと言っていいと思いますので。
この研究によって効果あるという事になると非常に多くの患者さんに対して福音になると思います。
脊髄損傷の患者へ患者自身の幹細胞を使う治療を行い効果や安全性を確かめる治験を日本で初めて行うと発表しました。
研究チームは脊髄損傷には有効な治療法がない中新しい治療になると期待していると話しています。
さあ一体どんな治療法なのか。
また治験とは何なのか。
非常に分からない事が多いと思います。
今日はこの最先端の再生医療について詳しくお伝えしてまいります。
お迎えしている専門家をご紹介致します。
研究チームのお一人…どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
脊髄損傷は有効な治療法がないとされる中再生医療に今脚光…光が当たっている訳ですがこれが実現しますと大変な期待がありますよね。
脊髄損傷は現在有効な治療方法がございません。
それは脳や脊髄は再生しないといわれていたからです。
今回はその脊髄を再生しようというのが目標でございます。
実は2013年から脊髄損傷の前に脳の再生治療を試みております。
先立つ治療ですよね。
脳梗塞これは脳の血管が詰まってしまう病気ですがそれに対する再生治療の治験を開始しております。
これまでは脳とか脊髄がやられてしまったらそれ以上悪くしないといったような守りの治療が主だったんですが今回残ってしまった後遺症を積極的に治療するといった攻めの治療というものを生み出そうと思っております。
それにしましても脳やこうした脊髄にある神経細胞を重要な細胞を再生するという事ですが再生医療といいますと私どもすぐiPS細胞思い浮かべる訳ですがこの治療はiPS細胞とは違う訳ですね?iPS細胞は人工的に遺伝子を入れてつくる細胞で万能細胞といわれております。
私たちが使うのはもともと私たちの体の中にある幹細胞を使うというものでございます。
この細胞はいろんな細胞に変化する事もできますし傷ついた組織を治す力も持っております。
それから自分自身の細胞なので拒絶反応などもありません。
従いまして最も実用化に近い位置にある未来の再生医療というふうに考えてます。
もともと誰の体の中にもある細胞骨髄幹細胞を使っての再生医療という事でよろしい訳ですね。
具体的にはどんな方法で治療していくのかその流れをご説明頂きましょう。
こちらです。
まず骨髄を取り出します。
これは腰の骨から採取。
大体骨髄として30ccぐらいを採取致します。
そしてその後大体2週間ぐらいかけまして培養して1万倍に増やします。
非常に数が増えたと考えてよろしいですね。
そして検査が行われ最終段階になりましたがこれを患者にどのように使っていくという事になるんでしょうか?患者さんへは点滴で投与を行います。
そうしますと体の中を巡って例えば脳梗塞ですと脳脊髄損傷ですと脊髄に行って治療効果を現すというものでございます。
ここで素朴な疑問でございますが非常に特殊な能力を持った骨髄幹細胞がこういうふうな投与によって全身を巡っていきますね。
あらゆる所に臓器に到達すると思うんですがこれは大丈夫なんでしょうか?この細胞はもともと体中を巡って損傷された所を治癒する性質があるという事。
それからこれまでの基礎研究それから臨床研究でそれを多量にうっても特に今までのところ問題が起こっていないという事が確認されてます。
それでは患部に到達した幹細胞はどのような働きをするんでしょうか?いくつかの働きが考えられています。
1つはうった細胞が神経の細胞に変わって再生を行うというものです。
神経細胞そのものに変わる訳ですね。
それから脳や脊髄が損傷を受けますとその組織が死にかけた状態になってですがまだ生き残ってる神経細胞もかなり残ってます。
この死にかけた神経細胞に対しまして神経栄養因子といったものを出しましてレスキューするという働きがございます。
神経細胞に変身したりあるいは死にかけた神経細胞を助けてくれたりと。
これ分かりましたが。
この3つ目は少し違う事が書いてありますね。
「血管を新たにつくる」。
どういう事でしょうか?脳梗塞というのは血管が詰まってしまう。
そしてその先の脳がやられてしまうという病気なんですがこの細胞は血管を新たにつくって血流を脳に戻してあげるといったような働きがあります。
このようないくつかの働きで総合的に治療効果が期待できるというものでございます。
これまでの研究で確認された効果というのはございましょうか?データでお示し頂けますか。
脳梗塞では7年前からこの臨床研究を行っております。
これはこれまでに行いました12例の患者さんのまとめでございます。
一つ一つの折れ線グラフが患者一人一人を指してるという事ですね。
12本あるという事ですね。
上に行くほど重症で下の方は軽症という事でございます。
投与を契機にこの残った後遺症が軽減しまして…。
ここが投与ですかね。
そしてそれが1年間にわたってどんどん治っていくといった経過を示しております。
脊髄損傷に関しましてはこれから取り組んでいくとこでございます。
投与直後から非常に劇的な効果が生まれているように見えますが大変な成果ですね。
こういうのを見ますとすぐに治療の現場に使えないのかと思う訳ですがこれはどうなんでしょうか?一般の治療として使うためには治験というものを行わなければいけません。
治験というのはいくつかの試験を段階的に行っていくものですがこの中で効果と安全性につきましてまずは少ない患者さんからそして第3相というのはたくさんの患者さんで効果と安全性を確認して初めて薬として一般医療として使えるようになります。
現在脊髄損傷脳梗塞それぞれどの段階なんでしょうか?脊髄損傷は第2相といいまして少ない患者さんで治験を行っている段階です。
脳梗塞は第3相という事でたくさんの患者さんで安全性と有効性につきまして検証を行っている段階でございます。
これが済みますと実際に使えるようになると。
もう一歩手前なんですね脳梗塞の場合は。
第3相の段階ですよとおっしゃった脳梗塞。
もう少し詳しく教えて頂けますか?どういう事をしているという事でしょうか?この細胞をうつ患者さんのグループとそれからうたない患者さんのグループに分けて比較をしっかりしていくという治験でございます。
両方のグループとも標準治療ですねリハビリテーションのような標準治療はもちろん行いますが細胞をうつグループとうたないグループに分けてうってから3か月間経過観察をしましてその効果を判定するといったデザインになってます。
幹細胞が入っている方のお薬を投与する人。
入っていない方を投与する人。
これはどちらになるかという事は分からない訳ですか?患者さんももちろん私たち医師もどちらのグループなのか分かりません。
これはコンピューターが割り付けるものですがこのように比較を厳密に行い治療の効果を正確に判定するためにこのようなデザインになってます。
どちらかが分からないまま進んで最終的な結果を蓋を開けて評価するという事ですよね。
これは脳梗塞の場合ですが脊髄損傷の場合は段階が違いますからちょっと違いますね?脊髄損傷は第2相という事で全ての患者さんに対しまして投与を行いまして投与から半年後に最終的な評価を行うというデザインになってます。
こうした治験段階の大きな効果を伺いますとこの治験にも参加してみたいとお考えになる方もいらっしゃると思いますがさまざまな条件があるんでしょうね。
札幌医科大学で治験を行っておりますので札幌に来て入院して頂く事が必要となります。
それから脳梗塞も脊髄損傷も20歳から65歳未満といったような年齢の制限がございます。
それから脳梗塞もいろんなタイプの脳梗塞があるんですが今回はアテローム血栓性の脳梗塞が適用となります。
それから…脊髄損傷の方は…これ伺いますとさまざまな条件の中で発症からあるいは障害を受けられてからあまり長い時間がたった方は対象にはならないんですね?厳密な治験の条件がありますので例えば何か月とか何年たった状態の患者さんはこの治験に参加する事はできません。
今画面に出ておりますが更に詳しい情報は札幌医科大学のホームページに記されておりますので是非ご覧頂きたいと思います。
さてこの治療が実用化されますとどんな効果が出てほしいと期待されていますか?脳梗塞も脊髄損傷の方も…これによって介護度が向上するのを期待しております。
それから脳梗塞の方は…実際の治療に使えるようになるのは何年後ぐらいと思っていらっしゃいますか?脳梗塞は3から4年をめどに実用化を目指しています。
脊髄損傷はまだ第2相なのでそれより更にもうちょっと時間がかかると思ってます。
いずれにせよ近づいてるという期待は高まりますよね。
この神経の再生医療に挑むこの治療にどんな可能性を感じていらっしゃいますか?この骨髄の幹細胞の治療は基礎研究の段階からもう20年以上たっていてやっと今治験の段階という事でございます。
これは私たちの体の中にある幹細胞。
これはもともとふだんから我々の体の修復をつかさどってる細胞という事なので今回はその細胞の持つ力を最大限引き出すその可能性を最大限引き出すといった治療と思ってます。
どうもお話ありがとうございました。
月に1回お届けするこの「メディカルジャーナル」是非ご覧下さい。
ご期待下さい。
ありがとうございました。
2014/04/28(月) 13:35〜13:50
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 メディカルジャーナル「神経再生に挑む!再生医療治験開始」[解][字]

最先端の医療情報を月1回伝えるメディカルジャーナル。第1回目は脳梗塞と脊髄損傷の再生医療。札幌医科大学が開始した患者自身の幹細胞を使う治療の治験について伝える。

詳細情報
番組内容
最先端の医療情報を月1回伝えるメディカルジャーナル。第1回目は未来の治療として期待されている再生医療を紹介する。札幌医科大学では、昨年から脳梗塞の患者、今年から脊髄損傷の患者へ、患者自身の骨髄幹細胞を使った治療の治験を始めた。どんな治療で、どのような効果が期待できるのか。治験とはどのようなものなのか。実用化が迫る最先端の再生医療について、札幌医科大学の研究者に詳しく聞く。
出演者
【講師】札幌医科大学神経再生医療科教授…本望修,【キャスター】濱中博久

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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